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Leica SL System ワークショップ レポート

Leica SL System ワークショップ レポート

2022年11月20日

ライカが主催するワークショップ『ライカアカデミー』が開催されました。今回のKasyapa for LEICAでは、その様子をワークショップ内で撮影した写真も交えてレポートいたします。

集合時間。指定された場所に赴くと、見慣れた赤いバッジが我々を出迎えてくれました。

場所は目黒駅から徒歩数分の場所にある「スタジオ EASE」です。
モダンなアパートメント風の外観に誘われて中に入ると、自然光豊かな室内スタジオに到着。

今回のセミナー講師は、ドイツより来日したライカカメラ社グローバルアカデミーインストラクターの『Oliver Vogler』氏。
2013年よりライカアカデミーの講師を務めてられています。
スポーツ写真を中心にドイツ国内だけでなく、国際的に活躍されているプロフェッショナルフォトグラファーでもあります。

セミナー用機材として用意されていたのは『Leica SL2』と『Leica SL2-S』など。並んでいる様を撮影させていただきましたが、思わず身震いするような迫力です。交換用レンズには『アポズミクロン SL50mm F2.0 ASPH.』や『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』といった単焦点から、『バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.』に代表されるズームレンズまでSLレンズがフルラインアップでそろい踏み。

まずは座学にて『Leica SL System』の魅力をスライドで見ながら説明を受けます。

日進月歩のミラーレス業界。その進化の過程で、機能面・操作面が煩雑に増えてしまっているカメラも少なくありません。
『Leica SL2』『Leica SL2-S』は、シンプルなユーザーインターフェースと「マニュアルいらず」を言い切れるほど直感的な操作性を考えたボタン配置が特徴です。その結果、撮影に集中しやすいカメラとなっており、その魅力はスペックや数字で語られるのではなく、生み出される写真作品を見れば一目瞭然。

さらに、ライカはミラーレス一眼での動画撮影が主流となっている現状にも向き合っています。動画・静止画の撮影メニューを切り分けたり、『Leica SL2-S』では最新のバージョンアップで動画撮影能力を強化するいくつかの機能追加が行われました。ライカは伝統あるメーカーでありながら、常に最新技術をユーザーに届けようとしているのです。

Oliver氏が「皆さん、よろしければスマートフォンを出して。今からちょっとしたパフォーマンスをお見せします。」と準備を始めます。なんだろうと見ていると、おもむろにコップの水をカメラにかけだすではありませんか!次いで、レンズの前玉をカップに見立てて水を注いだかと思えば「カンパーイ」と言って、その水を飲み干すようなしぐさ。驚きと笑いの声が会場に充満します。

プロフェッショナルフォトグラファーとして各地を訪れるOliver氏にとっては、SL システムの高い耐久性(防塵・防滴)も魅力の一つだそうです。

「真似をするのはオススメできませんよ。ですが、撮影時にこれくらい濡れてしまってもしっかり拭いて乾かしてあげればOKです。」

Oliver氏のとある友人は、海を渡るボートが転覆してカメラごと入水。慌てて陸へ戻った時には「これはもうダメかな…」と思ったのですが、なんとその後もシャッターを切ることが出来たというのです。

その後も、実際にOliver氏が撮影した写真を見ながら『Leica SL2』や『Leica SL2-S』の魅力、そして2台を通してライカのカメラに対する理念を伝えてもらいました。

「昨今注目される『サステナビリティ』という言葉。ライカは、未来を見据えたレンズを造ることでその言葉に応えています。各カメラメーカーの高画素争いの先でも使い続けることが出来るレンズです。また、ボディに関しても次々に新しいものを出すのではなく、ファームウェアアップデートを重ねて一台を末永く使っていただけることを目指しています。さらに今まで発売された約170本のライカレンズを(アダプターを介して)すべて撮影に使うことが出来るのです。」

Oliver氏の言葉からSL システムの良さだけでなく、ライカへの信頼や誇りを感じ取ることが出来ました。

 
続いてはモデル撮影の実技編です。
先程ご覧いただいたSL システムの機材が参加者に一台ずつ渡され、思い思いに撮影してみようという刺激的なコーナーが始まりました。

モデル 左 : HITOMI さん / 右 : AKANEさん

 
今回のセミナーで撮影モデルをしていただいた「HITOMI」さんと「AKANE」さんです。普段、人物撮影をあまりしたことのない筆者や他参加スタッフは少し緊張気味。

スタジオ内には光や風の差し込む窓、ベンチや階段などがあり、思い思いのシチュエーションで撮影していきます。

使用機材 : Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.

 
こちらは、手始めに『Leica SL2-S』に『バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.』の標準ズームレンズを装着して撮影した一枚です。ズームすることで適切な画角に調整できるのでポートレート撮影にもピッタリ。そして開放ながら繊細な描写はさすがSLレンズ!といったところでしょう。

使用機材 : Leica SL2-S + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.

 
続いてはより臨場感を出せるようにレンズを単焦点『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』に交換して撮影。こういった人物撮影では、手前側の瞳にピントをしっかり合わせるのがセオリーです。発売当時はどちらの瞳にピントが合っているのか分からなかったところ、ユーザーからの意見を反映させ、ファームアップで分かるようになりました。また、ジョイスティック押し込みで左右を切り替えることも可能です。
これは先のサステナビリティの話に通ずるだけでなく、ユーザーの声を大切にしている証拠でもあります。『Leica SL2-S』の電子ビューファインダーは大変高い視認性を誇っており、わずかなピントのずれも見逃すことはありません。なんとも心強い相棒です!

撮り悩んでいるとOliver氏がスッと現れて、「もう少し露出を意識してみましょう」など具体的なアドバイスをいただきました。

使用機材 : Leica SL2-S + アポズミクロン SL50mm F2.0 ASPH.

 
最高峰の標準レンズ『アポズミクロン SL50mm F2.0 ASPH.』で、今度はシーンを意識した一枚に挑戦します。ベンチで本を読んでいるというカット、外からの日光とランプの灯りがミックス光になっています。Oliver氏のセッティングを見習いながら、ベンチの奥行きを意識して撮影。50mmという画角を活かし、自然な空間を写真の中に込めてみました。

使用機材 : Leica SL2 + アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.

 
逆光のシチュエーション。モデルさんにポーズをとってもらい、物思いに耽っているような一枚に仕上げました。『Leica SL2』の豊かな階調表現で、難しい場面も魅力的に描き出すことが出来ました。

使用機材 : Leica SL2-S + アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.

 
普段使っていない機材でのモデル撮影は難しいだろうな、という思いで始めたコーナーでしたがどんどんと夢中になってしまい、ライカのスタッフさんから「あと5分で撮影コーナーは終了です」というコールがかかるころには「もっと撮りたかった!」と思うまでになっていました。前述の座学の時間でOliver氏が話していた「ライカの良さを知るには、触ってみること。その体験が一番カメラの良さに気付かせてくれます」という言葉をしっかり実感することとなりました。

撮影コーナーが終わると、次にOliver氏が自分の写真を実際に目の前でレタッチし、その極意を伝授してくださいました。意識していることや作業工程など、私には目から鱗のことばかりです。Oliver氏はこういった人物撮影の際、スキントーンの美しさや肌にかかるハイライトが白飛びしないことに重点を置くそうです。実際に、目の前でみるみる魅力的になっていく作品から目が離せませんでした。

参加者のところまでPCを持ってきてくれて「外部モニターに出力するとちょっと明るさが違ってしまいます。実際には、これくらいシビアに決めています」と説明するOliver氏。

すべてのコーナーが終わった後、歓談のタイミングでライカフロアスタッフが次のような質問を投げかけました。

― 例えば今回のようなスタジオ撮影で、作品の完成形はどれくらい頭の中にありますか?

Oliver氏:
およそ90%は、既に頭の中にあります。
様々なプレッシャーにより60%ほどに下がることもありますが、大体そのくらいまではしっかりイメージして臨むのです。

― 私の場合、今日は20%くらいでした

Oliver氏:
ハッハッ!そうだったんですね。ですが、それでも何度も何度も試行してたくさんの経験を積むべきです。
そうすれば20%が30%になり、それを繰り返してどんどん大きくなる。

また、たくさん撮ってたくさんの人に見てもらうことも大事です。そして「いいね」とだけ言う人よりも、「いいね、だけれど~」と言ってくれる人に見せるべきです。
今日のように悔しい思いをしても、トライしつづけることが大事ですよ。

講師であるOliver氏のワンショットも頂きました。
つい先日、ボディの張り革を赤いライカカラーにしてもらったそうで、「素敵です」と伝えると「スニーカーも、マスクも赤に揃えました。」とお茶目に笑ってくださいました。

ドイツ本国のライカアカデミー講師によるレクチャーを東京で受けられるという、とても貴重な経験をさせていただきました。
SL システムの高機能でありながら撮影本能に訴えかけるカメラとしての魅力をしっかりと学ぶことが出来ました。Oliver氏の「ライカカメラの良さ。それは、機材として高いパフォーマンスを誇ることはもちろんのこと、オーナーと共にストーリーを作り出すところです。もし、ライカの良さを誰かに伝えたいのなら、スペック等ではなく自分とライカの物語を話し、作品を見せてあげてください。そうすればきっと響くはずです。」という言葉に触れ、より一層興味を持つことが出来ました。この記事をご覧の皆さまに、SL システムが持つ素晴らしさの一端でも感じていただければ幸いです。

 
Photo by MAP CAMERA Staff

 
取材協力:ライカカメラジャパン株式会社

 




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