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Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

2022年03月16日

絞り:F4 / シャッタースピード:1/3000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

伝統的なレンズ構成を最新技術で再構築し、現代のレンズとは一線を画す独特な描写を目指したフォクトレンダーのノクトン・クラシックシリーズ。開放では柔らかく絞れば絞るほどに切れ味を増す描写を使いこなせれば、撮影者の意図をありありと写真に反映させることが出来るでしょう。

今回はそんなノクトン・クラシックのラインアップの中から、使いやすい中庸な焦点距離を持つ『Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM』をご紹介します。発売自体は2004年と少し前のレンズですが、登場からその人気は衰えることを知りません。M型ライカに装着した際の、ときめきを覚える程のデザイン・サイズ感のマッチングの良さは言わずもがな。また、マウントアダプターを介してミラーレス一眼に装着してもレンズの味を堪能できます。改めてその人気の秘密を探るべく、『Leica M10-P』に装着してスナップを中心に撮影を行ってまいりました。その写真をご覧ください。

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

網越しに、逆光の中に佇んでいる細枝を狙います。レンジファインダー機にとってはお世辞にも撮りやすいシチュエーションとは言えませんが、『Leica M10-P』をライブビューモードにしてピント拡大機能に助けてもらい、撮ることが出来ました。前後をボケとハイライトに挟まれながら、不思議な立体感で立ち尽くしています。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

最近「40mm」の機材をよく見かけるような気がします。標準域と言えば35mmか50mmという気持ちがあった私にとって、まさにその間を埋めるような存在です。実際にその世界を覗いてみると、なぜ40mmに人気が集まっているのか労せず理解することが出来ました。被写体とすわりの良い距離間のまま、引き寄りで画角を変えていける快適さ。デフォルメのない写真表現にもってこいの焦点距離と言えるのではないでしょうか。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

「MC」と「SC」が選べる本レンズ。よりオールドレンズライクな階調表現が愉しいシングルコートにも惹かれましたが、今回はニュートラルな発色とくっきりとしたコントラストが味わえるマルチコートを選びました。青や緑、ピンクの爽やかな色味が春の訪れを予感させます。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

木に立てかけられたほうきにも、使っていた人のストーリーを感じます。きっと、砂利が偏ったり散らばったりしないように気を付けながら、優しく履き歩いていたのではないでしょうか。開放でじっくりピントを合わせると、周辺減光が現れ被写体により意識が向くようになります。この周辺減光も、『Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM』の趣の一つ。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

常々、レンズの描写を知るには「水」を撮ると分かるなと思っています。日が落ちかけて、少し硬質なように目に映った池の波をどう切り取ろうかと思案した結果、F8までしっかり絞り込んで撮影してみることに。光を上品に取り込みながら目に映っていた以上に自分のイメージに近い一枚を得ることが出来ました。

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM

 

「あの場所に行けばこんな写真が撮れる」というフォトスポットよりも、ふらりと出た先で撮りたいと思う光景に出会いたいものです。その一枚はきっと、その時その機材で、自分にしか撮れない一枚になりますから。刻々と表情を変える空模様に向かってカメラを構え、自分の気持ちが一番高鳴るタイミングでシャッターを切りました。

 

 

イメージを超える一枚に出逢う

今回の撮影でまず感じたのは『Leica M10-P』の素養の高さ。レンジファインダーカメラとしての面白さをたっぷり残しつつ、デジタルカメラの利便性を融合させ撮影者を困らせません。レンジファインダーに不慣れな方も、また慣れ親しんでいる方にもすんなりと受け入れてもらえる器の大きな一台だと感じました。そして、そんな土台に支えられながら『Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM』の魔力ともいうべき描写を愉しむことが出来たのは良い経験になりました。日中の暖かい光を柔らかく。もしくは、夕刻のしっとりとした光をシャープに描いて。時間や気分、自分が抱くイメージにレンズの味を重ねれば、掛け合わさった作品は自分の意識を飛び越えた素敵な一枚になるはずです。是非、このレンズと共にそんな体験をしていただきたいものです。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

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