LEICA SUMMICRON SL35mm F2.0 ASPH.
2023年03月14日
ズミクロン50mmと同時発表された『Leica ズミクロン SL35mm F2.0 ASPH.』。準広角レンズの新しいスタンダードとなる1本ですが、24cmまでの接写撮影が可能なため一本で多彩な表現が可能な単焦点レンズです。堅牢性の高い金属鏡筒と防塵防滴性能に加え、疎水性Aqua-Dura(R)コーティングが施されているので厳しいシチュエーションの使用でも大丈夫。季節が春に近づき、服装も心も軽くなってきたこの頃。小型軽量な『Leica ズミクロン SL35mm F2.0 ASPH.』を連れてスナップ撮影に行ってきました。ぜひご覧ください。
春めいてきたとはいえ、まだまだ鮮やかな色の少ないこの季節。赤く色付いた実にレンズを向け最短付近まで寄ってシャッターを切ります。さすがズミクロン、立体感と解像感がここまでしっかりと出てくるのに驚きます。またボケ感も嫌味がなく、色が濁らないため非常にクリアな描写です。
俯瞰目線で菊の花を少し絞って撮影してみましたが、とてもスッキリした描写です。35mmの画角は余白に悩まされることも多いのですが、このレンズはピシっと画がハマってくれることが多かったような気がします。
ちょうど海外からの観光客が多く訪れたタイミングでした。35mmの画角の広さはその場の雰囲気をやんわりと残してくれるので旅行にはピッタリな画角だと思います。
良いなと思った車内に射し込む光をしっかりと汲み取ってくれました。前後のボケ感もなだからで見せたいピントへ自然と視線を誘導してくれます。
F9まで絞って無限遠から少し手前に引いたくらいの位置にピントを合わせ撮影しました。やはり絞ると清涼感のあるすっきりとした画になります。歪みもなく、気持ちのいい直線を描いてくれています。
ベージュ、オフホワイト、手前のガラスや生地の質感などしっかりとした描き分けが出来ています。色ノリもこってりせず淡い色までしっかりと再現できています。
手前のピント面から程よくボケていきます。影の付き方も自然な写りです。
海辺に無造作に置かれた様々な種類の椅子、中でも木の色味がとても良く印象に残ります。海で働く人たちは仕事が終わったあとにこうして海を眺めているのかと思うと、地元に海のない私にはとても魅力的な椅子に見えます。まあこの椅子に座るのはちょっと大変そうではありますが。
一日の業務を終えた仕事道具とその背景。このボケすぎないボケ感が35mmの魅力かなと思います。自分の視点で見たものだけじゃなく、その場所で起きた出来事、物語を35mmは教えてくれる気がします。
旅のお供に
「35mmF2」というスペックのレンズは銘玉が多いイメージですが、この『Leica ズミクロン SL35mm F2.0 ASPH.』もそれに違わず非常に満足度の高いレンズでした。描写はとても自然でどんなシチュエーションでも安心して使えます。カメラバッグの中にはずっと『Leica ズミクロン SL50mm F2.0 ASPH.』も一緒に携帯していましたが、2本合わせても重量800gほどの小型軽量のため軽快に撮影することができました。そしてこの2本を合わせてもアポズミクロンを一本買うよりリーズナブルなところもポイントの一つ。一切妥協のないアポズミクロンの描写も魅力的ではありますが、これからライカLマウントシステムに足を踏み入るのであれば、まずは『Leica ズミクロン SL35mm F2.0 ASPH.』をオススメしたいです。被写体を繊細に描き出す伝統のズミクロン35mm、間違えのない一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff