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Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

2020年10月29日

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

フォクトレンダー伝統の大口径レンズ『NOKTON』。かつてクセノンやアンギュロンを設計した天才レンズ設計者・トロニエ博士がフォクトレンダー在籍中に手掛けた銘玉の名称で知られています。ライセンスがコシナへ移ってからは様々な焦点距離のレンズでノクトンの名称が使用されていますが、この50mm F1.5だけ特別な意味で作られているように感じるのは筆者だけでしょうか。大口径レンズの一つの指標がF1.4となった近代、オリジナルのF値であるF1.5を継承し、レンズ構成もオリジナルをベースに非球面レンズを用いて再設計された現代のノクトン50mm F1.5。今回はその第3世代目にあたる『Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM』をご紹介いたします。

ズミルックス1st風の初代、オリジナルのノクトン・ライカL39用をオマージュして作られた2代目、そして今回の3代目はプロミネント用からインスピレーションを受けてデザインされたレンズだと聞きます。小さく軽くなったというのが大きな改良点ではありますが、ノクトンらしさをどの位味わえるレンズなのかというのも気になるところ。普段からプロミネント用ノクトンを愛用している筆者が感覚的な観点も含めてお話しできればと思います。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:800 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

窓から入り込んだ光を浴びるカーテン。定番の被写体であるからこそ、レンズの力量を測ることが出来ます。太陽の恩恵を受けるハイライトから、シャドウに向けてのグラデーションが見事です。ピントはタッセルに合焦。繊維の光沢を逃さず収めた、ディティールを感じる写りです。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mF1.5 Aspherical II VM SC

 

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

『Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM』にはコーティングが二種類あります。一つは発色とコントラストに優れたマルチコート(MC)、そしてもう一つは繊細な階調表現によってオールドレンズのような雰囲気を感じられるシングルコート(SC)。今回は後者で撮影を行っています。写真では意図的に強い逆光を取り入れることで、美しいフレアとゴーストを表現することができました。現在シングルコートの描写を味わえる最新レンズは片手で数えられるほどしかありません。フレア・ゴーストを旨味と捉えるか、雑味と捉えるかはユーザー次第ではありますが、このような写りをするレンズは貴重な存在と言えるでしょう。

 

絞り:F11 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

 

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

撮影時のイメージでは左右の高架橋をストンと黒く締めようと考えました。そのため少しアンダー気味に露出を振ったのですが、夕空の階調が本当に素晴らしいです。性能という点ではマルチコートが上というのが一般的な考えでしょう。しかし、写真を見た時に感じるニュアンスや印象の違いは、性能や数字だけでは語れない部分が多いのも事実です。このシングルコートのレンズは是非モノクロームでも使っていただきたいです。

 

絞り:F2.4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

絞るごとに表情を変えるのもこのレンズの面白さ。甘さを感じる解放から、ひとつ、ふたつと絞っていくと、次第にシャープさが増します。わずかな木漏れ日を収めた一枚、レンガの粒立ちを強調させる目論見でしたが、暗部の粘りが素晴らしく目が行ってしまいます。周辺に少しオールドレンズのような流れはあるものの黒つぶれなく良く描写出来ています。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

オリジナル(プロミネント用)と違うところは、絞り開放時のピントのキレの良さと収差によって周辺画質が損なわれないこと。この点はさすが非球面レンズを採用した現代のレンズです。多くの方が満足できる今の時代にあった高性能レンズだと思いました。では、ノクトンらしさは?というと、アウトフォーカスにかけてボケ味が若干ジワリと滲む雰囲気があり、これがオリジナルに近い味付けをしているなと感じます。今で言う所のネオ・ヴィンテージと言えばいいでしょうか。最新レンズと一言では言えない描写とスタイルを両立させた1本です。

 

絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:800 / 使用機材:LEICA M10-P +Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:6400 / 使用機材:LEICA M10-P + Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM SC

 

 

 

古き良きを、現代に。

今回使用した『Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM』。狙い通りにしっかりと撮れる高性能な描写の中に、オールドレンズを匂わせるような特徴的なボケ味のある魅力的なレンズでした。高性能だけを追い求めるのではなく、レンズの個性をしっかりと残し、そして引き出す。フォクトレンダーだけでなくカールツァイスレンズも数多く手掛けるコシナだからこその完成度の高さです。また、撮影に装着したレンズがニッケル・ブラックペイントだったのですが、見た目の良さで言ったら現行レンズの中でもトップレベルと思わせる格好の良さ。まるで戦前の銘玉をつけているような貫禄のある佇まいだと思いました。この三代目からコーティングの種類も真鍮ニッケルメッキも選べるようになり、さらに魅力が増した『Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II VM』。M型ライカのレンズ選びに素晴らしい1本が加わりました。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

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