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【SIGMA】 山木和人社長 スペシャルインタビュー <Part3>

[ Category: SIGMA|掲載日時:2017年11月09日 16時12分]

マップカメラ×シグマ 社長対談インタビュー

 

レンズに刻まれた ヴィンテージナンバー

マップカメラ×シグマ 社長対談インタビュー

 
シュッピン株・小野社長 貴社のWebページを拝見すると「レンズは資産」という言葉を見つけました。マウント交換のサービスなども当てはまると思うのですが、シグマの考えるレンズは資産とはどのような意味なのでしょうか?


株シグマ・山木社長 カメラがデジタルになってボディはどんどん入れ替わっていきますが、レンズはいつまでも使い続けられますし、先ほどのレンズの味の話ではありませんが、最新のカリカリに描写するレンズも良いが、良い味を出す昔のレンズも使う事ができるのが交換レンズの良さだと思っています。
最新の4000万、5000万画素のカメラに古いレンズをつけるのは全くもってダメなことではないですし、主観的な評価も含めてレンズは資産だと言えると思います。


シュッピン株・小野社長 レンズは資産というお考えに非常に納得いたしました。新しければ良い、古いものは悪い、ということは一概には言えない事であると思います。

新シリーズのレンズをよく見ると、シリアルとは違う3桁の数字が刻印されていることに気がつきました。この数字にはどのような意味があるのでしょうか?


株シグマ・山木社長 これはヴィンテージナンバーと言って、そのレンズが発売された年が刻印されています。『SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art』の012から、今年発売した『SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art』の017まで来ました。

将来、何年後になるかは分かりませんが、例えば35mm F1.4がモデルチェンジする際には、その時の最新設計と最新のガラスを使って作りますので、性能は今より絶対良くなります。しかし、それを選ぶお客様もいらっしゃれば既存のレンズの「絶妙な球面収差が女性を撮る時に良い味が出る」など、お選びいただける選択肢が増えてくるのではないでしょうか。

今発売されている『SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art』は当時の設計思想と用いることができるガラスで作られていますので、次のモデルを生み出すまでは2012年と同じレンズの味でずっと作り続けられることになります。新しいレンズ、既存のレンズの味の違いを双方で味わっていただけると嬉しいです。

それこそボルドーの赤ワインではありませんが012はこういうレンズの味だと語れる。というように、単純に古い、ではなくそこにキャラクターと価値が入ってくるようにとヴィンテージナンバーを入れています。そこで資産という考え方が活かされてくると考えています。


『SIGMA』に対する 国内と海外の違い

マップカメラ×シグマ 社長対談インタビュー

シュッピン株・小野社長 私が以前、店頭でご案内を行っていた際、海外のお客様がシグマ製レンズをたくさん購入されていました。
そのお客様より「レンズを専門に作っている日本のメーカーだから、他より良いに決まっているじゃないか!」と貴社に対しての熱い想いを伺ったことは大変印象深かったです。
そうしたことから、貴社の知名度は海外でもすごく高いと認識しているのですが、日本のお客様と海外のお客様での市場の反応に違いはありますか?


株シグマ・山木社長 大きな捉え方でいうと、差は無いと思います。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、そしてベトナムやカンボジアでも、20万円以上のカメラと5万円以上するレンズを購入する層は同じです。そこは国を超えての差は無いと思っています。ただ、大きな枠で見た時に、日本人は他の国に比べて少し保守的な部分があるのではという気はしています。

日本は一度染み付いたブランドイメージが払拭されるまで時間がかかります。割と海外のお客様は実績と専業メーカーということで、パッとイメージを切り替えてくれるのです。

しかし、海外では新シリーズが支持される一方、日本国内ではまだまだ既存のレンズも販売できているという温度差はあります。やはり日本の市場は難しいところがあって、若いユーザーをはじめ、多くのお客様に認められてこそ、初めて日本でやっていける会社なのでは、と感じています。

そうした意味ではArtシリーズに関しては、少しレンズの単価が上がってしまっていると感じています。なるべく安価でご提供できるレンズ、例えばミラーレス用の『SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary』のような高品質だけどお求め易いレンズをもう一度ちゃんと作らなければならないと思っています。

私の若い頃もそうでしたが、お小遣いを一生懸命貯めて、カタログを見回し、やっとオーディオや時計、カメラや自転車を買うということがあったと思います。そうした購買に対する想いというのは若い人ほど強いと思っていますので、そういう方の期待に応えられるものでありたいです。

外国で作られたチープなものだけを若者が使うのではなくて、ちゃんと国内生産でしっかりと作り、値段もこなれているものを作って期待に応えられる会社でありたいと。かつて当社はそういうメーカーでありましたし、若いファンの方にも多くご支持いただいているので、その点はしっかりと取り組んでいきたいです。


これまでにあった 印象深い出来事

マップカメラ×シグマ 社長対談インタビュー

シュッピン株・小野社長 プロフィールを拝見させていただいたのですが、93年にご入社ということで。
入社してから印象深い出来事にはどのような事がありましたか?


株シグマ・山木社長 一番印象深く、嬉しかったのは2012年のフォトキナです。
その時は新シリーズを発表するということでフォトキナの前日にパーティーを開きました。英語でプレゼンしないといけませんし、すごく緊張もしましたが、その時のプレゼンが非常にご好評をいただくことができたのです。現地の方にも「すごく良いプレゼンだった。シグマの新しい方向性も理解できた。」と評価いただき、大変嬉しかったのを覚えています。
その際のプレゼンの中で会津工場の動画を初めて公開しました。

プレゼン内で動画を再生した瞬間、会場がシンっと静まり返り皆さんが食い入るように見始めたのです。わずか5分間のビデオでしたが、終わった後に、今まで聞いたことの無いくらいの万雷の拍手をいただきました。日本のモノづくりの良さ、自然の美しさ、社員の真剣に働く姿を凄く評価をいただけました。その後にいろいろな取材を受けても「素晴らしいビデオだった」と言われるほど好評でありました。




株シグマ・山木社長 あの拍手万雷は忘れられません。今思い出しても鳥肌が立つ瞬間でした。本当に嬉しかったです。


シュッピン株・小野社長 そうした体験をなされたことは、本当にうらやましい限りです。
その瞬間、新シリーズに対する手ごたえは感じましたか?


株シグマ・山木社長 はい、これはうまくいくのではないか、という印象は強く得ました。
それも奏功し、この直後からは新しい方向性に対する社内の意識も浸透していきました。
そして『SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art』はリリースされてから各媒体で「このレンズはすごい」というレポートもたくさん上がってきたのです。


シュッピン株・小野社長 最初に『SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art』が登場したのもインパクトが大きかったように思います。性能が素晴らしいこともあり、シグマの方向性がユーザーにも見えたのではないでしょうか。


株シグマ・山木社長 実のところ、最初の試作の段階ではEXシリーズと同じデザインでした。それを新しいシリーズで作ると決まり、外観を全て変えました。ちょうど商品化と新シリーズのタイミングが重なったのもあり、一番初めに登場する事となりました。


  
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