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SONY α6500インタビュー 【前編】

 

 

 

 

 

 

 

ここ数年のソニー製品のイメージというと、やはりフルサイズミラーレス一眼のα7シリーズの印象が強くあるのではないでしょうか。フルサイズと小型軽量を両立させた革新的なこのカメラは今までの“一眼レフより安価で手軽”というミラーレス機のイメージを大きく変え、未来のカメラの形を具現化させたようにも感じました。しかしながら動体撮影でのAFの追従性能などは、未だに一眼レフにおよばない印象があるのも事実で「ミラーレス機は画質は良くても動体撮影が苦手」というのが多くの方の意見だと思います。

ところが2016年3月に発売された『α6300』は今までのミラーレス機の常識を打ち破る425点の測距点に4Dフォーカスシステムという動体撮影に特化した性能で登場し、ミラーレス機の新たな可能性を切り開きました。そして今回新たに上位機種として発売されたのが『α6500』。一体α6300と何が違うのか、どのような点が優れているのか、など、製品特徴を『α7SII 開発インタビュー』でも解説していただいた、ソニーマーケティング株式会社・福士 剛氏に今回もお伺いしました。ぜひご覧ください。

 

ついつい印象強いフルサイズモデルの話から入ってしまいましたが…笑

本日の主役はそんなソニーさんから新たに登場した、APS-Cサイズの「α6500」ですね。

α6000から始まったこのシリーズは、しばらく間を空けて上位モデルα6300が3月に登場しました。α6300ではAF、連写性能の進化とともに4K動画収録など、α6000と比較して大きな進化を感じましたが、α6500ではEマウントのAPS-Cフォーマットモデルとしては初となる“ボディ内手ブレ補正”の搭載が実用上は大きく差を感じるところでしょうか。5軸対応に関しては、すでにその補正効果と有効性をα7IIシリーズで体感しておりますが、他にもα6300からさらに性能が向上している部分について、それぞれ詳しくお聞かせ願えますか。

 

α6500は、α6300の優れた中級機としての資質をベースに、更に非常に尖った性能を持たせています。カテゴリーでいうと「高性能な中級機」といえる機種だと考えています。

具体的に申しますと、手ブレ補正とタッチパネル機能によるAFエリア操作機能が追加になったのが最も大きな違いなのですが、その他にもバッファの大幅な増量や画像処理エンジン「BIONZ X (ビオンズ エックス)」の処理をサポートしているフロントエンドLSIというエンジンを新しくするなど、撮影に関わる機能面を強化しているのが特長です。

 

α6300でも十分に尖った性能だと感じていましたが、それをより特化させて撮影性能を上げた機種。という認識でよろしいですね。

 

おっしゃる通りです。α6300を発売後、お買い上げ頂いたお客様がどのようなレンズを使用しているのかを調べたのですが、多くの方がフルサイズ対応のFEレンズ群を使用していることがわかりました。これはα7シリーズのユーザーにα6300をご購入いただいているケースもあるのですが、実はそれだけではなくて、このボディだからこそ『Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA』を使いたい、とレンズを購入されている方もいらっしゃいまして、APS-Cのα6000シリーズに期待されているお客様が多いことを実感しました。

そのことから中・上級者のカメラユーザーに向けて、主体的にカメラを操りたいですとか、自分好みの設定で撮影を楽しみたい、という要望に応える商品として、α6500を発売しました。

 

α6000の後継を待ち望み、その進化モデルにあたるα6300を買ったユーザーのお客様から、「タイミングが早すぎるのでは?」「どうせ出るなら高性能なほうを購入したのに」というような意見も伺っておりますが、この短いサイクルでのα6000シリーズの連投の背景にはどういった理由があるのでしょうか。

 

たしかに半年後に新機種を発表するのはタイミングとして早すぎるのではという声もいただいています。しかし、いい物をいち早くお客様へ届けたい、という思いは ものづくりの原動力として常に開発側にはありますし、我々販売側としても、α6500を発売後もα6300の優れたAF性能と画質、そして軽量・コンパクトなパッケージは、十分に魅力があると考えています。価格差・その他の機能面でもそれぞれに特長がありますから、よりお求めやすいα6000と合わせ、3機種が共存できると判断しました。

 

ではα6300とα6500ではどのような違いがあるのでしょうか。簡単でいいので説明をお願いします。

 

α6300は手ブレ補正機構がボディ内に入っていない分α6500より約50g軽量です。高性能なAFシステムにより軽快に撮影していただき、APS-C最高クラスの画質を楽しむことができる機種です。

一方、今回のα6500は手ブレ補正機構とタッチパネル、バッファの大増量という特性を生かし、積極的に望遠レンズを使った撮影をするお客様や、手ブレ補正のついていない単焦点FEレンズを使って追い込んだ撮影をする方など、厳しい条件の中で高画質を求めるユーザーの方の期待に応えることのできるカメラになっていると考えています。

 

 

 

 

α6500の大きな特徴として新たに5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されました。カタログなどで確認すると前回のインタビューで伺った『α7SII』の機構と似ているように感じたのですが、これは新たに開発されたものなのでしょうか。

 

手ブレ補正ユニットは、今回APS-C用に新たに開発しています。ユニット自体の構造は踏襲しているのですが、APS-C用とフルサイズ用を比べると、イメージセンサーを初め駆動する部分の重量が4倍程度違います。APS-Cセンサーのサイズはフルサイズの約半分ですが、駆動部分の質量は圧倒的に小さい訳ですから、そのままα7IIの補正機構技術を流用するわけにはいかないんですね。開発側からは、小型化を重視しつつ、最大限の効果を発揮するよう注力した、と聞いています。

そのためには、イメージャーの動く範囲は広げたい。でも、サイズは大きくしたくない、ということで、最初に手ブレ補正の枠のサイズを決め、その中でコンマ1mm単位で少しずつ補正範囲を広げていき、最終的に補正段数を5.0 段に高めることが出来たようです。

 

構造としては永久磁石を鉄のフレームの間に挟み込み、電源OFF時でもセンサーが常にフローティングしている状態になっているのが特長です。そのため少しの電力を流すだけで動かすことができので、バッテリーの消費も最小限に抑えることができます。

 

ご覧いただくとわかると思うのですが、α6300のシャッターユニットと同じ厚さ方向のサイズの中に、手ブレ補正機構を組み込んでいます。そのためにα6500はシャッター幕の部分をとても薄く作っています。そして駆動部の位置も変更をして手ブレ補正がピッタリと収まるように作ってあります。その結果としてα6300と同じ大きさ、同じ厚みの中に手ブレ補正ユニットを収めることができています。

 

そうなると、α6300とα6500のシャッターユニットは似て非なるものなんですね。

 

はい。α6500のためにチャージ機構とシャッターユニットを新たに作り直しています。

 

それでいてシャッター速度は同じ性能を担保できているとはすごいですね。

 

実は、α6500 のシャッター機構は薄くしてあるだけではなく、より進化させています。具体的には、シャッターの後幕の駆動が完了する前にブレーキ機構を追加し、さらにシャッターとシャーシの間に弾性のある部材を挟むことで、振動伝達を軽減しています。これにより振動伝達を軽減しており、センサーの解像力と、それに対応する E マウントレンズ 群の解像力をより発揮しやすい仕様になっています。また、この低振動化はシャッターユニットの耐久回数にも良い影響があり、α6500では耐久回数20万回(電子先幕シャッター時)を達成しています。このあたりも、FEレンズや高解像対応のレンズを使用して、描写力にこだわられるお客様の要望に応えられるように配慮しています。

 

なるほど、シャッター機構自体も薄くなっただけではなくて、進化しているんですね。

ところで、このα6500は高解像の4Kが撮れるのも特徴の一つですが、この5軸ボディ内手ブレ補正の恩恵は大きいですよね。

この手ブレ補正の効きというのは静止画撮影時と動画撮影時で違いがあるのでしょうか?

 

動画時は静止画と比べて長周期の揺れが多くなる傾向があります。シャッターを一瞬で切る静止画と違って、動画を手持ちで録っている場合はずっとユラユラ揺れていますから、そういった所への動きの最適化をしていると聞いています。それを何段分という言い方は難しいのですが、動画には動画撮影用に適正な補正を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ Category:etc. | 掲載日時:16年12月22日 12時00分 ]

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