【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】80周年の鶴見線
神奈川県内を走る鶴見線が今年の10月で開業80周年を迎えます。
先月より記念のヘッドマークを付けているとの情報を入手したので、夏休みも終わった9月に見に行ってきました。
鶴見線の起点駅、鶴見駅にて
鶴見駅は京浜東北線との乗換駅。その京浜東北線や通過する東海道線、横須賀線が地平を走るのに対し鶴見線は
高架ホームから発車します。しかもJR線同士の乗り換えなのに間に連絡改札が設けられている不思議な構造。
どうやら昭和18年に戦時買収によって国有化される前の「鶴見臨港鉄道」時代からの名残のようです。
言われてみれば、アーチ型の屋根を持つレトロな雰囲気のホームもからも歴史が感じられる様な気がしてきました。
鶴見小野~弁天橋間にて
鶴見線は横浜市鶴見区の鶴見駅から川崎市川崎区の扇町までの約7kmと、沿線の工場とを結ぶ短い2本の支線から
なる小さな路線です。
鶴見から2駅ほどは住宅街も見るこことができますが、以降は京浜工業地帯の工場街を進んでいくので、工場への
通勤時間帯以外は本数も少なく乗客もまばらで、とても東京近郊路線とは思えません。
浅野駅にて
訪れた時間帯、運用に当たっていたのは僅か2編成。残念な事にどちらにもヘッドマークは付いていませんでした。
無駄足だった…とテンションが下がった時、通勤電車とは明らかに異なる白い電車がやってきました。
East i-E(491系)です。
軌道や電気設備を走行しながら検査する3両編成の車両で、JR東日本線内の各地を検査しながら廻る滅多に見ら
れない車両です。
レアな車両との遭遇で少しテンションが戻ったところで、支線の1つ海芝浦支線に乗って海芝浦へ向かいました。
海芝浦駅にて。
海芝浦駅は海に面した東京芝浦電気(東芝)の工場敷地内にあることから、この駅名が付いたと言われています。
ホームの線路逆側は真下まで海(写真左)となっており、大きな船が横切る他、魚の姿も見ることができます。
「ゆっくり辺りでも散策を…」と思うところですが、この駅は東芝の工場敷地内にあるため、改札口(写真右)を
出るには乗車券の他に東芝の従業員証等が必要になります。すなわち、一般の乗客は改札口から出ることができな
いのです。あやうく電車に乗り遅れようものなら、次の電車まで2時間近くホームで待たされることも。
一応、ホームの外れに小さな公園(写真左)があり、正面には「鶴見つばさ橋」を奥には「ベイブリッジ」等を
望む事ができますが、さすがに2時間は無理と判断し、乗ってきた列車ですぐに引き返すことにします。
次に向かったのは弁天橋駅。この駅の側には鶴見線の車庫があるのでダメ元で覗いて見ると
ヘッドマーク付きの車両が停まってました。
ちょっと見づらいですが、往年活躍した車両(クモハ12型、101系、現行の205系)がデザインされているようです。
車庫の裏側に周り逆方向をから覗いて見ると、逆側にもデザインの違うヘッドマークが付いていました。
こちらは煙を吐く工場と黄色電車のイラストで、鶴見線の沿線を象徴したようなデザインでした。
もっと近くで見たかったですが、沿線工場の帰宅ラッシュ時間まで動く気配がないので、今回はここで諦めること
にします。
工場街を歩いていると聞こえてくる機械の作動音や作業の開始を知らせるチャイム。
今でこそマンションだらけになってしまった私の地元も昔は軽金属工場をはじめいろんな工場が身近にあった事を
思い出しました。今までほとんど縁の無かった鶴見線ですが、沿線の雰囲気から不思議な懐かしさを感じることが
できました。
他にも戦争の爪痕を残す国道駅や珍しい廃止駅跡(旧本山駅)など、80年の歳月で培われた魅力がいっぱい詰ま
っています。
東京駅から約30分。皆様も懐かしい時代を振り返ってみてはいかがですか。
旧本山駅跡を通過する鶴見線。
使用機材:Nikon D700
AF-S ED17-35mmF2.8D
AF-S ED80-200mmF2.8D
OLYMPUS PEN E-P2
M.ZUIKO DIGITAL ED14-150mmF4.0-5.6