使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
Thypoch(タイポッシュ)は2023年に中国で立ち上げられたレンズメーカーで、その第一弾となるレンズが今回ご紹介する『Simera 35mm F1.4』です。
レンズ構成の5群9枚には、高屈折レンズ3枚と非球面レンズ1枚が組み込まれており、高度な補正と高画質を実現しています。
ピンと来た方もいるかもしれませんが、これは「Leica ズミルックス M35mm F1.4 ASPH.」と非常に似たレンズ構成なのです。
開放F値は1.4と非常に明るく、絞り羽根は14枚。
美しいボケ味、そしてわずかな周辺減光があることから得も言われぬ立体感が出て、自然と被写体を引き立てます。
それでいて重量はわずか352g、長さは50.8mmとなっており、携行性に優れるのでシャッターチャンスを逃しません。
鏡筒には絞り値に応じて増減するオレンジ色のドットがあっておしゃれです。
ドットは自動被写界深度インジケーターで、ピントの範囲を可視化できるので、直感的に作品作りに活かせます。
当レンズはライカMマウント用ですが、マウントアダプターを介して「SONY α7IV」に付けて撮影してきました。
スナップ撮影のスタンダードという声も聞こえてくる35mmでの写りをぜひご覧ください。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
ふと見上げると天井の光が美しく、そこに交差するいくつかの直線も綺麗で見とれました。
絞り値F2.8とさほど絞っていませんが、それでも壁のわずかな凹凸をしっかり捉えていて驚きます。
このレンズから感じる透明感は、こういった解像力の高さから得られるのかもしれません。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
まだ午前中ですが階段への光は少なく、動く被写体を感度をISO12800まで上げて撮影。
粒状感が出すぎることもなく上手に写し出してくれる「α7IV」のポテンシャルの高さを実感しました。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
やや露出オーバーにしつつ少し絞って撮影すると、主役の東京タワーがいつもとは違った写りになりました。
体が透明で骨が見える熱帯魚・グラスフィッシュを彷彿とさせるように思います。
開放でも撮ってみましたが手前の網が消えてつまらなくなってしまったので、今回は絞った方を採用しました。
網を消したいと思えば消すという選択肢を持ち合わせているのは、作品の幅や自由度が広がることでしょう。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
普段は人が並んでいるハイチェアに、今日は誰もいません。
カメラをテーブルに置いて撮ると奥行が強調され、いつもとは違った視線で撮れました。
無機質さを出そうと「α7IV」の色温度は曇天に設定しました。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
ビルの角をF16まで絞って撮りました。
デザインのせいか、なんだか鋭利に感じます。
万年筆で引いたような細い線まで精細に描写されています。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
中では宴会が行われているのか、赤提灯をぶら下げた船が通っていきます。
広角レンズにもかかわらず、等倍で見ると向こう岸にあるトラックの室内まで見えるのです。
よく写るレンズと、約3300万画素のボディのおかげです。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
陽が落ちると、エスカレーターが美しく輝き始めました。
撮影時にはあまり感じなかったさまざまな明度の光が、写真には写っています。
この綺麗な街が生きているように感じます。
使用機材:SONY α7IV + SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ソニーEボディ用 ヘリコイド付 LM-SE M (L) + Thypoch Simera 35mm F1.4 (ライカM用)
先ほどとは違った顔を見せる夜の東京タワー。
レンズが明るいおかげでシャッタースピードも稼げます。
この場所にはひっきりなしに東京タワーを撮る人が集まって来ましたが、そんな場面でもこのコンパクトな組み合わせなら邪魔にならずさっと撮って去ることができました。
本レンズの魅力はいくつもあり、描写、明るさ、軽さ、ルックス、アルミニウム合金の手触りなどが本レンズを形成しています。
そして最大の魅力は描写です。
その表現力で、ピント面はディテールや質感を写し出し、ボケ味のグラデーションはどこまでも美しく、特別なレンズならではの立体感が出るのです。
緻密な表現は、最短撮影距離で撮ったクローズアップ写真はもちろん、遠景においても光ります。
またMFや小型・軽量であることは機動力が求められるスナップシューターとしても力を発揮。
ピントリングも絞りリングも今の状態が触るだけでわかるので、指先を見ることなく撮影に集中できます。
絞りリングはクリックのオン/オフを切り替えられるので、動画撮影でのスムーズな映像表現も可能です。
カラーは今回使用したシルバーのほかにブラックもあり、共通するスタイリッシュなルックスはMマウントに限らずさまざまなボディをドレスアップしてくれます。
低照度の場面はもちろん、非常に多様な被写体に対応できる本レンズを「α7IV」と組み合わせて撮影しました。
「α7IV」は最新世代の画像処理エンジンを搭載し、有効画素数は約3300万画素、高速なAFなど各用途に十分な力を持つフルサイズ機です。
「Thypoch Simera 35mm F1.4」の相棒の選択肢のひとつとなるでしょう。
普段使いから作品撮りまでおすすめです。