コーワのマイクロフォーサーズ単焦点レンズ「KOWA PROMINAR 12mm F1.8」は、35mm判換算約24mmの大口径広角レンズだ。標準ズームレンズでは、あと一歩引けないようなシーンで意外と重宝するのがさらにワイドな24mmなのだ。
もちろんそれだけのための24mmではなく、もっと魅力のある焦点距離でもあり、PROMINAR 12mm F1.8はさらに光学特性でプラスαをする魅力がある。
オールドレンズのようなルックスが特徴的な外観のPROMINAR 12mm F1.8だが、一方で光学的にはXD(特殊低分散)レンズを採用し色収差を抑えた安定した画質が得られる最新設計のレンズだ。
ディストーションが抑えられている点がこのレンズの特徴の一つで、パースの付き方が自然に見えるため24mmという広角レンズにもかかわらず使いやすいと感じた。建造物の直線が「デジタル補正」なしでここまで真っ直ぐ撮れるのは流石と言いたい。
PROMINAR 12mm F1.8は、細部までしっかりと描写された解像度の高さとハイライトからシャドーまでしっかりと「ハイクオリティー」で表現できるレンズだと感じた。ズームレンズにはない日本刀のようなキレの良さがこのレンズには宿っている。
4K動画撮影にも対応できるよう絞りリングを180度回転させてクリックをなくすことができる。もちろんピントリングも細かい操作が可能な滑らかな動きをする。この解像感とディストーションの少なさは静止画・動画両方にプラスとなる。
PROMINAR 12mm F1.8癖がないデジタル向けのレンズといった印象で、撮った後の加工やカメラ内蔵のデジタルフィルターとの相性も良い。トイカメラ風やレトロ風のデジタルフィルターは、ピント位置と絞りの絶妙な関係でさらに奥の深い味付けけができるようになるだろう。
コントラストはやや低めで大人しい印象を受けるが、シーンモードや編集機能でその良さが引き出せる懐の広さがある。
近距離では開放時の被写界深度が浅いのでピント合わせがしやすい。ピント拡大表示機能を併用することで、マニュアルフォーカス初心者でもピント合わせが可能だ。一枚一枚じっくりと撮る楽しみも是非味わって欲しい。
最短撮影距離は20cmで、広角マクロ的な使い方が可能だ。最短撮影距離にピントをセットしてピントが合う位置に腕を伸ばして撮影したのがこの写真だ。こんなスタイルで撮影できるのもミラーレスカメラのライブビューの良さだ。
KOWA PROMINAR 12mm F1.8は、光学設計で色収差やディストーションを抑えており、デジタル補正なしの高画質が得られる。まさに光学メーカーらしいまじめなレンズだ。
解像感やヌケの良さもあり最高の写りが楽しめるプレミアムなレンズとしてオススメしたい。
Photo by MAP CAMERA Staff