ミラーレスカメラ専用の高品位レンズシリーズとして、昨年秋にトキナーから発表された『FiRIN(フィリン)』シリーズ。今回のKasyapaでは、FiRINシリーズの第一弾として登場した『Tokina FiRIN 20mm F2.0 FE MF』をご紹介いたします。
現時点ではソニーフルサイズ対応用レンズのみの展開となる本レンズですが、動画撮影にも対応できるように絞りのデクリック機能が付いていたり、MFアシスト機能に対応していたりと、ソニーα7シリーズを使用するユーザーに向けた配慮が随所に見られました。
実際にレンズをボディに装着して構えてみると、中身が詰まっていることが感じられる程よい重みが指先にかかります。レンズ構成は11群13枚で、色収差を抑えてくれる超低分散ガラスが3枚、ディストーションの補正に有効なガラスモールド非球面レンズが2枚使われており、広角レンズとしての課題である「歪み」「周辺部の収差」への対策もしっかりと取られた設計となっています。
冬は晴れの日が多いのが嬉しいですね。例に漏れず、本日も見事な快晴!絶好の撮影日和です。
本レンズには遮光性に優れた角形フードが同梱されているので、強い日差しの下での撮影でも臆することはありません。
最短撮影距離は28cm。1枚目、2枚目の写真のように広角を生かした撮影はもちろんのこと、開放で最短まで寄ればここまで背景がボケてくれます。明るいレンズだからこそなせる業ですね。
20mmで撮る20の道路標識。α7IIのチルト式液晶を利用して少しローアングル気味に撮影をしたので、より迫力が増しました。
撮る角度によってがらりと表情が変わるのが広角レンズの面白い所です。
本レンズはマニュアルフォーカスになりますが、MFアシスト機能に対応しているためピントリングを操作するとカメラが自動的にピント拡大をしてくれます。マニュアルフォーカスは苦手!という方でも安心して撮影を楽しむことが出来ますよ。
鳥居、手前の石段、そして周りの木々まで見事に描いてくれています。中央から周辺部に至るまで、解像感は申し分ありません。
西日暮里駅から根津神社を目指して歩いている途中、おいしそうなごはん屋さんがあったので遅めのランチ。カウンター席のみのこじんまりとした素敵なお店だったのですが、モツが入った釜飯が絶品でした。
少し狭めの店内でも、広角レンズがあれば席を立たずしてテーブルフォトを楽しむことが出来ます。
さて、もう日も傾き始めてしまいましたが、いよいよ目的地である根津神社へと到着しました。
この写真は西日を受けてフレアとゴーストが少し発生していますが、円を描くような丸いフレアが印象的です。また、くくりつけられているおみくじも白トビすることなくしっかりと写しだしてくれているのも嬉しいポイント。一番最初の写真を撮影していても思いましたが、なかなかの逆光耐性です。
根津神社の千本鳥居。京都の伏見稲荷神社を彷彿とさせる出で立ちですね。日に照らされてきらきらと輝く木々の緑に、赤い鳥居がよく映えます。
いつも人で賑わっている根津神社ですが、この日もたくさんの観光客の方々が写真を取りながら鳥居の中をくぐって歩いていました。ちなみに、この鳥居は北から南に通り抜けると邪気が払われると言われています。
鋭い眼差しで前を見据える美人なお稲荷さん。
千本鳥居の途中には縁結びスポットとして有名な『乙女稲荷神社』があります。なんでも、命を育む女性の象徴としてお稲荷様を祀ったことから乙女の名がついたとされているそう。縁結びスポットということで、乙女稲荷神社の周辺には若い女性がたくさんいました。
根津神社から更に歩いて、不忍池まで足を延ばしました。夕暮れどき、スワンボートを楽しむカップルや家族連れの光景を写真に収めたところで本日の撮影は終了です。
『Tokina FiRIN 20mm F2.0 FE MF』いかがでしたでしょうか。
冒頭でもご紹介しましたが、本レンズには上の写真のように遮光性の高い角形フードが同梱されています。角形ゆえに横幅はあるものの、長さはあまりないので持ち運びの際に煩わしさを感じることはありませんでした。
今回α7IIで撮影をしていてしみじみと思ったのですが、ファインダーを覗くのではなく、ライブビューの画面を見ながらカメラを色々なところに向けて宝探しのように構図を探しながら撮影をするのがとても楽しかったです。
見やすく可動性のあるα7シリーズの液晶と、角度によってころころと表情を変える広角レンズの合わせ技のおかげか、今までにない撮影を味わうことが出来ました。
今回が第一弾となるトキナーのFiRINシリーズですが、次はいったいどんなレンズが登場するのでしょうか。20mmでの撮影がとても楽しかっただけに、期待が高まります。
Photo by MAP CAMERA Staff