Hasselblad社がおくるプレミアム・ラインの第2弾として発売された『Hasselblad Stellar』。先代『Lunar』ではチタニウム外装やルビーをあしらったボディの仕上がりに注目が集まりましたが、今回発売となった『Hasselblad Stellar』もスタイリッシュで実に魅力的な外観です。シャンパンゴールドのボディにしっくりと似合ったハンドグリップは、ウッドまたは、カーボンファイバーの7種類から選ぶことができます。ウッドグリップはウォルナット、パドウク、そしてゼブラなど6種類の高級材を削りだし、熟練した職人によって制作されています。また洗練されたカーボンファイバーのハンドグリップは、航空業界で採用されている圧縮成形技術によって作られています。
独特な形状のグリップは指がかりが良く、色々な構え方が出来るのにも驚きました。軽量・コンパクトな『Stellar』の外観と相まって、使い勝手はとても良いです。
広角域でもその描写は実に安定したもの。全体にわたって高い解像感を持ち、気持ちのよいヌケ感で描写しています。周辺が暗めに見えるのは光の当たり方ですね、優秀な仕上がりです。
EXIFデータで確認して驚きましたが、このカットはISO3200のもの。もちろん少々ディティールの欠損は有りますが、このコンパクトボディでここまで描写するのには、手放しで賞賛したい仕上がりです。
『Hasselblad Stellar』は良い意味でカメラらしくないのも大きなポイント。ウッドグリップにベージュがかった柔らかな曲線デザインで構成される『Stellar』は大柄のカメラを出すのがはばかられる様なレストランなどでも、その場の雰囲気を崩さず馴染んで撮影する事が出来ます。それでいて高感度に強く、レンズの口径も大きい。暗いシチュエーションでもしっかりと頼れるところは心強い1台です。
諧調表現等も素晴らしい。もちろんセンサーサイズはフルサイズ機などと比べれば小さいですが、この諧調幅の自然さ、広さは実に優秀。アンダー部やハイキー部にもしっかりトーンが残っている故に、しっかりと重みのある描写をしてくれます。
この質感描写にはうなってしまいました。これでも『Hasselblad Stellar』、コンパクト機です。夕暮れ時の微妙な色彩の残る時間帯で、夕日の繊細なカラーバランスもしっとりと、ガラスのつややかさやそれに対するレンガ壁の重みまで、実に見事に描き分けています。
『Hasselblad Stellar』にはハンドストラップとロングのネックストラップの2種類が付属。今回の撮影ではハンドストラップを使用しましたが、イタリアンレザーで丁寧に仕上げられたストラップは『Stellar』のカラーリングにもベストマッチ。常に持ち歩くにも軽快で、素晴らしい相棒となってくれるのではないでしょうか!
Photo by MAP CAMERA Staff