Tokinaから新しい大口径広角ズームレンズ『AT-X 14-20 F2 PRO DX』の登場です。
本レンズの注目すべき部分は何と言っても開放F値2.0を実現したその明るさにあります。ズームレンズでも単焦点レンズ並みの大きなボケ味が得られる。なんとも贅沢なスペックに期待度を高め、さっそく撮影に出かけてきました。
ズーム幅は35mm換算で21mmから30mm相当(ニコンマウントの場合)。数字で見ると狭く感じますが実際にファインダーで覗いてみると、その応用幅は意外と広く快適な撮影を楽しむことができました。
お堂の角に立ち広角レンズらしいパースで遊んでみました。ズームレンズ特有の歪みもなく、スッと伸びる直線がとても気持ちよく表現されています。細かな彫刻も細部まで描かれており、解像力の高さも感じることができました。
小ぶりな梅の木も広角レンズのワイド感で迫力アップ。大きなボケは大木と錯覚するような演出効果を与えてくれます。
解像力の高いレンズは、早春の強い日差しもクリアーに捉えてくれました。僅かに生じたフレアが、冷たい空気と暖かな日差しをバランスよく再現してくれています。
撮影時、逆光の影響で日陰部はほぼ真っ暗に見えていたので露出をプラスに補正。暗部を自然に持ち上げる透明感と階調の豊かさに驚きます。
大きな地球瓶もクリアに捉えてくれました。ガラス表面の反射も中の煎餅も上品に捉えています。
F2.0の明るいレンズは、室内の柔わらかな光を上手に捉えます。寒桜のしっとりとした質感はもちろん、窓際の冷んやりとした空気感も伝わります。
大きな車両にたくさんのスポットライトが降り注ぐ鉄道博物館。細かな明暗差も再現されており大口径ならではの豊富な光量を感じることができました。上層階からの広角撮影でも展示車両の重厚感などを感じることができます。
ホールドしやすい大きさのレンズは低速シャッターでも安定した撮影をサポートしてくれました。豊富な光量と相まって高感度に頼らず撮影できるのは嬉しい限りです。
コンパクトなAPS-Cサイズのカメラに装着するとなかなかの迫力。F2.0の大口径さをアピールしてるかのような格好良さがあります。
オートフォーカスは低速ギア搭載で若干遅めですが、その分力強さを感じるたくましい動きをしてくれます。更には防塵防滴の配慮が施さるなど、細部にわたって質の良さを感じます。
タイミング同じくして「Nikon D500」が発売されます。新フラッグシップ機に合わせて登場したハイスペックレンズは最高のパートナーになることでしょう。
Photo by MAP CAMERA Staff