遂に発売となった『Nikon NIKKOR Z 14-24mm F2.8 S』。神レンズと呼ばれているFマウントの『AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8 G ED』の登場から約13年の時を経て最新のミラーレス専用の超広角ズームレンズが誕生しました。焦点距離14mm以下から始まる開放F値2.8通しのフルサイズ対応交換ズームレンズにおいて、世界最短・最軽量でありながら圧倒的な描写力を誇るこのレンズ。実際、手にした瞬間「軽い」と驚きました。

まず初めに撮ったのは観覧車。この時、逆光で撮影をしましたが全くフレアやゴーストが発生していません。アルネオコートとナノクリスタルコートによる高い逆光耐性を感じた瞬間です。

青空を撮るのが嬉しくなるほどの晴天。レンズは約650gと従来機より大幅に軽量化。お陰で鏡のように見えた水面に手を伸ばし、ローアングルで簡単に撮影できました。

ゆらゆらと揺らいでいるイソギンチャク。開放絞りですが、しっかりと触手のディテールが写っているのがわかります。

マグロが回遊している巨大水槽。照明の暗さとぽつんと鑑賞者がいることにより、少し侘しい雰囲気になりました。

ペンギンが水中を泳いでいる姿を真横から観察できる水槽。一羽のペンギンがカメラに気付いたのか、ちらりとこちらを向いてくれました。

日が傾き、海辺を歩いていると小型のボートが橋の下をくぐり抜けていきました。水面の模様が美しく、空に雲も無かったので縦位置で撮影。風景の中に小さく主題が存在する面白さを実感した一枚です。

夕日に照らされ光り輝くベンチ。金属のような光沢感が気に入りました。ランニングを楽しむ人、読書をする人などそれぞれの時間を感じます。

超広角レンズで一度は撮りたかった東京駅の天井。八角形の洋風な作りが古典的で魅力的です。拡大してみると格子状に張られたネットが写っています。

東京駅のクラシカルな駅舎を囲むようにしてそびえ立つビルの数々。写真の端まで歪むことなく線が線として描写されています。写真の左下、東京駅の煉瓦一つ一つが視認できるほど素晴らしい解像力です。

神レンズを越える1本

小型・軽量・高画質。『NIKKOR Z 14-24mm F2.8 S』はこの三拍子が見事に揃った1本です。大口径のZマウントになったことで、『AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8 G ED』のような出目金の前玉である必要がなくなりました。今回は保護フィルターは使用しなかったため、スプリング式のフロントキャップとバヨネットフード HB-96のみとかなりコンパクトな装備でした。描写性能は流石「S-Line」。周辺まで流れることなく、はっきりとした解像力は圧倒的です。特に直接太陽に向けてもフレア・ゴーストが発生しない優れた逆光耐性には感動させられました。大幅にコンパクトになった『NIKKOR Z 14-24mm F2.8 S』はぜひ風景写真を撮る方に手にして頂きたい1本。神秘的な光景がより際立つことでしょう。

Photo by MAP CAMERA Staff