トキナーの人気広角ズームレンズ「AT-X116 PRO DX II」の望遠側が強化された『AT-X 11-20 PRO DX』がラインアップに加わりました。
センサーサイズを問わず、豊富な広角ズームレンズ群を有するトキナーレンズ。前記の「AT-X116 PRO DX II」のデビューが2012年4月でしたから、僅か3年という短期間での追加投入には驚きます。
高精細化の著しいデジタルカメラに呼応するかのように登場した新レンズ。早速、その進化ぶりを確認すべく撮影に出掛けてきました。
レンズ構成が見直された新レンズ。決して前モデルに不満はありませんでしたが、カメラの性能を存分に引き出しているクリアーでコントラストの高い描写です。
帰宅ラッシュのピークが過ぎ、少し静けさを取り戻した東京駅の様子がしっかり伝わってきます。
寒い夜空に輝くイルミネーションの光。その細かなライト1つ1つを綺麗に捉えています。
照明が届かない細い枝や暗部の様子も見てとれる辺りに、カメラとの相性の良さを感じました。
快晴ではなかったものの、雲の白と空の青さが織りなすコントラストがとても綺麗です。
広角レンズらしいスッと伸びたパースにも気持ちよさがあります。
F2.8ならではの大きなボケも楽しむ事ができます。広角レンズのスナップでボケが楽しめるとは、なんとも欲張りなレンズです。
また階段の直線にも大きな歪みは見られず、設計力の高さも感じられます。
水の冷たさも伝わるかの様な、高い質感描写です。新たに強化された望遠側20mmは相当良さそうです。
大きな前玉を持つ広角ズームで気になるのは逆光耐性。
傾きかけた西日を画面左下に置いて撮影しましたが、目立つフレア・ゴーストは無く、透明感の高い描写を披露してくれました。
悪条件下でも蠟梅のロウの様な花びらの質感を忠実に再現しています。
本レンズで強化されたのは焦点距離だけではなく、最短撮影距離も短くなりました。
被写体に寄り、さらにズームで引き寄せる事によって、焦点距離以上の迫力ある画が得られます。
遠景のボケは少々うるさくなりましたが、ピント面に近い辺りでは、ソフトフィルターをかけたかの様な、柔らかなボケが生まれました。
湿度の高い温室では、光源を取り込むことで様々な効果を楽しむ事ができます。
大口径広角ズームでありながら、本レンズは前面に保護フィルターを装着できるのも嬉しいポイント。
曇ってしまってもすぐに拭き取れるので、作品をイメージした撮影に重宝しましす。
トキナーレンズならではのAF/MFスライド切り替えも健在で、操作性も申し分なく、ピントリングの回転幅は狭いものの、適度な重さから品質の良さも感じます。
コンパクトで使いやすさそのままに、大きくバージョンアップした新レンズ、ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff