純正レンズでは無い、いわゆるサードパーティー製と呼ばれるレンズの中でも絶対的な明るさで注目されているのが、中一光学『SPEEDMASTER』シリーズです。F1.4よりも明るいF1.2~F0.95という開放値を持ちながら、価格は想像以上にリーズナブル。でも国産レンズじゃないんでしょ?肝心の写りはどうなの??という皆様の疑問に答えるべく、今回はSPEEDMASTERを含む中一光学製レンズ6本のフォトプレビューとなります。ぜひご覧ください。
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:200 / 使用機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + 中一光学 SPEEDMASTER 25mm F0.95(マイクロフォーサーズ用)
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + 中一光学 SPEEDMASTER 25mm F0.95(マイクロフォーサーズ用)
開放F0.95と驚異的な明るさを誇るレンズは、イメージサークルが他マウント比べ小さいマイクロフォーサーズ機でも大きなボケ味を楽しむことができます。ボケ自体はオールドレンズの様な独特なボケ味ですが、周辺減光もなく、ピント面はとてもシャープで解像力の高さが伺えます。特筆すべきはレンズのサイズ。F0.95の大口径にして約230gの小型・軽量は大きな魅力です。また最短25cmの接写が可能で、マクロレンズ的な要素も持ち合わせており、様々なシーンでの活躍が見込めます。高画質と使い勝手の良さがコンパクトにまとまった本レンズは、常に携帯したい1本です。
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 + 中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95(フジフイルムX用)
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/900秒 / ISO:100 / 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 + 中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95(フジフイルムX用)
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/900秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 + 中一光学 SPEEDMASTER 35mm F0.95(フジフイルムX用)
『SPEEDMASTER 35mm F0.95II』はF1.4よりもはるかにボケやすく、開放での解像感もこの明るさを考えればかなりの物。想像以上によく写るレンズというのが印象でした。そして大きさもいいですね、I型はF0.95なりの大玉レンズだったのに対し、このII型は本当に小さくなりました。明るい50mmレンズとして違和感なく使用出来る大きさと重量です。個人的に『XF35mm F1.4 R』を愛用していた身としては、純正レンズにプラスワンの選択肢で欲しいレンズだと思いましたね。XFレンズは非の打ち所がないと言っていいほど優れた描写のレンズばかりですが、新たな写真表現を考えた場合、このF0.95という明るさは相当魅力的です。常用レンズとしてカラーだけでなくモノクロームでも使いたいレンズです。
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7 + 中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 M67(ソニーE用/フルサイズ対応)
絞り:F4 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7RII + 中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 M67(ソニーE用/フルサイズ対応)
絞り:F0.95 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7 + 中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 M67(ソニーE用/フルサイズ対応)
日向+開放で撮影をした時、少し絞り込んで撮影をした時、日陰+開放で撮影をした時と様々な条件で撮影を行いましたが、条件によってくるくると表情を変える面白いレンズだなと感じました。特に開放での撮影時は、日向と日陰でだいぶ写りが違ってきます。
1枚目の写真は花壇に植わっている真っ白なマーガレットが光を反射することで、ソフトフィルターがかかったような優しい写りになりました。
初期仕様からフィルター径の変更及びコーティングの改良がなされており、以前は気になったフレアやゴーストも前ほど気にならなくなりました。これはかなり嬉しいポイントですね。
今回は街角でのスナップ写真がメインでしたが、柔らかい描写を得意とするレンズなので、ポートレート撮影でも大いに活躍してくれることでしょう。
絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 + 中一光学 SPEEDMASTER 85mm F1.2(ニコン用)
絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 +中一光学 SPEEDMASTER 85mm F1.2(ニコン用)
絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 + 中一光学 SPEEDMASTER 85mm F1.2(ニコン用)
卓越した明るさを持つ『SPEEDMASTER』シリーズの最後はフルサイズ対応の85mmです。開放F1.4のものが多い85mmですが、『SPEEDMASTER』の本レンズはF1.2を採用。ここでもズバ抜けたスペックを見せつけてくれました。大きなフラッグシップ機に装着しても大きいと感じる約920gの大型レンズは、まさにガラスの塊といった質感。持った瞬間これは良く写りそうと感じた第一印象どおりの高い透明感と柔らかさを兼ね備えた描写を披露してくれました。ポートレートやファッションに活躍すること間違いなしのレンズです。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:200 / 使用機材:Canon 5D Mark IV + 中一光学 CREATOR 35mm F2(キヤノンEF用)
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:Canon 5D Mark IV +中一光学 CREATOR 35mm F2(キヤノンEF用)
絞り:F2 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon 5D Mark IV + 中一光学 CREATOR 35mm F2(キヤノンEF用)
『SPEEDMASTER』シリーズに比べ、この『CREATOR』シリーズはスタンダードスペック。しかし、スタンダードほどその性能の良し悪しが分かりやすいものでもあります。35mmの画角に開放F2という使いやすいレンズでしたが、開放は少し柔らかめ、少し絞ると途端にシャープネスが向上します。イメージでいうと少しノスタルジックな味のする現代のレンズですね。初めてのマニュアルフォーカスレンズにオススメしたい1本です。EOSでいえば一部レンズがマウントアダプターで使用できますが、オールドレンズで35mmF2のレンズはそんなにありませんし、本レンズならミラー干渉を起こす心配もありません。価格を考えれば十二分な性能を持ったレンズと言えるでしょう。注意点としては、逆光にそれほど強くないので汎用フードを付けることをオススメします。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX K-1 + 中一光学 CREATOR 135mm F2.8 II(ペンタックス用)
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX K-1 + 中一光学 CREATOR 135mm F2.8 II(ペンタックス用)
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:1600 / 使用機材:PENTAX K-1 + 中一光学 CREATOR 135mm F2.8 II(ペンタックス用)
『CREATOR 135mm F2.8 II』というレンズを試したのですが、これは侮れない描写力ですね。焦点距離が135mmなのでボケ味も大きく、開放の解像感も高いです。そして大きさが非常にコンパクトなことに驚きました。普段あまりポートレートを撮らない私でも、撮影中に明るい中望遠レンズがあればいいのになと思うことがあります。そんな方に価格も大きさもピッタリのレンズだと思いますね、これならいつでもプラスワンで持っていけるサイズです。そしてAPS-Cフォーマット機で使用すれば換算200mmのF2.8というスペックになるのも見逃せません。1本持っていると撮影がより楽しくなるレンズだと思います。
さて、今回は個性ある6本のレンズをまとめたフォトプレビューでしたが、いかがでしたか?中一光学は20年間も日本企業と共にレンズ製造を行ってきた経験のある企業ということで、どのレンズも確かな物作りを感じるものでした。マウントにもよりますが、F0.95の明るさを持つレンズは、なかなか手にすることができない特別なレンズだと思います。それを誰しもが使用出来るように実現させてくれたのが『SPEEDMASTER』シリーズ。そして、スタンダードながら驚くほどコストパフォーマンスの優れた『CREATOR』シリーズです。そのどのレンズも期待以上の描写力と完成度でした。ぜひ今後の選択肢として中一光学製のレンズも検討していただきたいですね。純正レンズには無い、新たな楽しみが増えるはずです。
Photo by MAP CAMERA Staff