FUJIFILMX100V
持つ喜び。自分の手の中に収まるX100Vを眺めると、不思議と幸せな気持ちになります。中でもダイヤル類になんとも惹かれます。何度もダイヤルを持ち上げては回しISO感度を設定すると、自然と笑顔に。カメラ好きなら、こんな瞬間は至福なのではないでしょうか。
もちろん見た目や触り心地だけではなく、その実力も折り紙つきです。広々とした視界をそのままに切り取れる気持ち良さがいいです。開放F値2のおかげで、広角ながら大きなボケを得られます。またサッと取り出してパッと撮れる、まるで身体の一部かのような機動力は特に魅力的です。
撮影の目的は決めず、2011年から9年続く「X100」シリーズの最新作を片手にふらりと出かけてみました。
建物の形が面白いとふと足を止めます。しかしそれだけでは何か物足りないと思っていたら、中央に立ち止まる人が。バランスが整ったところでシャッターを切りました。F5.6まで絞ったところ、タイルひとつひとつの凸凹まで精細に捉えてくれました。
歩道橋から道を見下ろしシャッターを切る。緊張感のある1枚に仕上がりました。撮影した際には気付かなかったのですが、フロントガラスや黒い塗装に空の雲が映っています。まるで宇宙から見た地球のようです。
路地裏を進んでいくと階段がありました。道が細くなっていくので、前を行く年下の友人がこちらを伺うように黙って振り返ります。そんな一瞬をフィルムシミュレーションの「ACROSS+グリーンフィルター」を使い、モノクロの世界に閉じ込めました。
車道に面した門から細い道が続いています。右側にある擁壁はしっとりと苔生し、この路地がいかに古いか想像に難くありません。道が曲がり、その先がどうなっているかわからないのも魅力的。雰囲気が伝わるよう、アンダー目に撮影しました。
欧風カレーの名店でランチをいただいたあと、デザートに焼きりんごを注文しました。りんごを丸ごとオーブンで焼いて、ホイップとさらに煮リンゴを乗せた一品。フォークでひと切れ取ると、皮の深い赤色が実に染み込んでおりなんとも美味しそう。丸ごと1個は多いかと思いましたが、酸味が効いてさっぱりとしており、ペロリと完食できました。X100Vなら人の多い店内でもさり気なくテーブルフォトに収めることができます。
持って満足、撮って至福
まず見た目と触り心地がとてもいいと思いました。それだけで筆者は幸せな気持ちになりましたし、中にはそれが最優先事項だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして身体の一部となってくれる心地良さが最高でした。35mm単焦点というのも使いやすかったです。常に持ち歩きたくなる、相棒と呼ぶにふさわしいカメラです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff