ラオワから新しい大口径レンズが登場します。『LAOWA Argus FF 35mm F0.95』はフルサイズミラーレスカメラ用の開放F値0.95のレンズです。ポートレートなどのボケ味を活かしたい撮影や低照度下での撮影においても、シャープでクリアな画質を得ることができます。絞りリングをクリックレスに切り替えるスイッチがついており、ピント位置変更の際にブリージングを最小限に抑えることから、写真撮影はもちろんのこと動画撮影でも力を発揮します。対応するマウントバリエーションは、「ソニーE」「ニコンZ」「キヤノンRF」の3種類。今回は「キヤノンRF」を使用し撮影してまいりました。どうぞご覧ください。
路地はその建物から香りが漂う感じがして好きです。おいしそうなお店からはチーズの香り、エスニックな雑貨屋さんがあればスパイシーな香りがするなど、その種類は様々です。マッサージ屋さんからふわりと香るアロマに誘われることもしばしばあります。
カメラを持って歩いていると、店の奥のクピドに目が留まります。あえて手前に窓の桟を入れることで、クピドを発見した自分自身の視線を表現しています。クピドはいわずと知れたローマ神話の恋の神様。恋の矢の向きが気になるところです。
左にちらっと見えるのはゴンドラ船。ドアの前が川になっていて船から直接家に入れるようです。日本ではあまり見かけませんが、このように水路に面した建物ではそんな設計もあるようです。
手前にピントを合わせることで、トンネルの先にある電灯類が美しくボケました。天井や壁にそれが反射して近未来的な印象になり、見慣れた場所もどこか知らぬところのようです。
ショーウインドーの中は先の季節を取り入れていますから、まだ暑いのにダウンジャケットが飾られていました。文字が幾重にも重なる奥行のあるディスプレーに惹かれシャッターを切ります。
何気なく撮った一枚でしたが、夜の街の澄んだ空気を捉えられたように思います。被写体は精細に描写され、それ以外はボケ味がグラデーション状に広がっています。まさに当レンズならではの表現です。
その描写、硬軟自在。
これまでもラオワにはAPS-C用の開放F値0.95のレンズがありましたが、この度リリースされるのはフルサイズ用です。フルサイズは構造上、合焦点とボケ味の硬軟の差がより大きくなります。ですからボケ味への期待はもちろん大きかったのですが、キレがまた素晴らしかったのです。芯のあるキリリとした描写と、大口径から繰り出される柔らかなボケ味。そんな硬軟のふり幅が広いのが魅力の一本です。またご覧のとおり低照度での撮影も得意としており、当レンズならではの描写やシャッターチャンスを作品に活かせることでしょう。ぜひお手に取っていただきたいです。
Photo by MAP CAMERA Staff