『LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO』が発表されました。マウントはキヤノンRF、富士フイルムX、ソニーEというラインナップで、すべてAPS-C専用設計です。その中から当記事ではXマウント版の写りをご紹介します。触れるとひんやりと冷たい金属の手応えがあり、白だけでなく赤や青、黄とカラフルなプリントがついているのが印象的です。じっくり見てまず目に入るのが「0.95」の文字。開放F値0.95という大口径は、筆者の知る限りXマウントで一番の明るさのはずです。それを活かした撮影をしてきました。どうぞご覧ください。
カフェで出てくるのがハーブレモンウォーターだと爽やかな気分になります。レモンだけでは惜しいと感じるので、ハーブも入っていなければダメなのです。自宅で季節のフルーツを入れ一年を通じて作っているのは、デトックスによいからというより単純に美味しいから。ガラスとビタミンカラーの組み合わせが爽やかです。
駅から遠い住宅街にあるこの一軒家カフェは完全予約制で、その予約もなかなかとれないという隠れ家。手入れの行き届いた庭が見えるサンルームに設えられた淡い色合いのイスに、やわらかな木漏れ日が降り注ぎます。そんな特等席に案内されたので、頭を空にしてゆったりとした時を過ごすことにしました。
晴天の中、噴水の水がキラキラと輝いていました。『FUJIFILM X-T4』はシャッタースピードを1/32000秒まであげられるので、思い切って開放で撮影。噴水の周りを歩いて日陰を背景に選ぶことで、宙に浮く水を立体的に捉えることができました。
庭先に柑橘類の実がなっていました。表面がユズのように凸凹していますが、ユズよりひとまわり大きいようです。それこそ氷と一緒にウォーターサーバーに入れたらおいしくいただけそうな見た目です。青い空に青い家という背景はどこか海外のよう。ブルーはその実と補色関係にあり、主役を見事に引き立ててくれています。
梅雨の晴れ間の洗濯日和。軒下に赤ちゃんサイズのTシャツが揺れていました。この快晴の中で風に吹かれているのですから、すぐに乾いてしまうことでしょう。
ほとんど舗装されておらず、ただの山のように見える森林公園を歩いていると、突如眼前に人工的な橋が現れました。これが道なのかと不安にさせる獣道が正規のルートであったことに安堵します。木漏れ日が美しいので戻らずにそのまま進むことにします。
獣道の脇がふと開けて、お稲荷さんの鳥居が見えました。このように隙間から一筋の道が見える瞬間、それを写真に収めたくなります。そのあと崖を下って近くから鳥居周辺を撮ってもみましたが、緑と茶色の世界に鮮やかな朱が現れたときの驚きが伝わるこちらのカットを採用しました。
山から出て立派な田んぼまでやってきました。水が張られており、夜には蛍が飛ぶそうです。都心近くでこの規模の田んぼはなかなかありませんから、よく地方の設定でドラマの撮影が行われています。この場所に来ると遠くへ行かずして旅に出たような気分になれるのです。
とろけるボケ味が魅力の大口径
APS-Cのカメラはその特性上ボケを得にくいものですが、当レンズのボケ味はとろける程。それぞれの形が色の塊となり、写真でありつつ絵画寄りの表現も可能となるのです。合焦点からのなだらかなグラデーションは非常に美しく、撮る人の創作意欲を掻き立てます。マニュアルフォーカスで薄いピントを合わせるのは難しいのではと心配する方もいるかもしれませんが、明るいレンズこそピントの具合が見えやすく楽に合わせることができます。また当レンズはピントリングのストロークが長く、最短撮影距離と無限遠を行き来するには手を持ち替えながら回していく必要があります。意図せず一気に回ってしまい合焦点が行き過ぎてしまうことがないので、微妙なピント合わせに適しています。とろける描写を気軽に撮れる一本です。お試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff