SIRUI (シルイ)のアナモルフィックレンズシリーズに新たな焦点距離『SIRUI 24mm F2.8 Anamorphic』が加わりました。既に発売されている「50mm F1.8 Anamorphic」「35mm F1.8 Anamorphic」に次ぐ人気シリーズ第三弾、その画に対する期待も当然ながら高まります。レンズはドイツのSCHOTT(ショット)社製グラスを採用、マニュアルフォーカスで高級感のある金属鏡胴も魅力の一つです。レンズマウントは「マイクロフォーサーズマウント」、「ソニーEマウント」、「フジXマウント」、「ニコンZマウント」、「キヤノンEF-Mマウント」の5種類。今回はパナソニック「GH5S」に装着して撮影を行いました。それでは早速、実際の作例を交えながら使用感などをご紹介します。
アナモルフィックレンズで撮る
[twenty20 img1=”60000048824″ img2=”60000048826″ offset=”0.5″ before=”収録素材” after=”圧縮を戻した映像”]
アナモルフィックレンズ最大の特徴は映像を水平方向に圧縮して記録することです。メリットとして編集時に正しい縦横比に戻すことで、通常の24mmレンズと比較して水平視野を33%拡大したワイドな映像を得ることが出来ます。圧縮された映像を元に戻す作業は「Adobe Premiere」「Final Cut」「DaVinciResolve」など一般的な編集ソフトで対応できます。
ボケ味・ブリージングを確かめるため、手前の狛犬から奥の紫陽花までフォーカスを送りました。開放F2.8での撮影、特徴的な縦方向に伸びるボケは特殊な光学系ならでは。映像制作で重要となるブリージング(画角変動)も十分に抑制されています。フォーカシングはヘリコイドの適度なトルク感もありスムーズに行えました。
本レンズは電子接点非搭載となりますので、カスタムボタンにピント拡大を割り当てて撮影するとピント合わせ時に便利です。また、被写体によっては独特の歪みも見られますが、この癖もレンズの面白さのひとつだと思います。
絞り開放でのカット。F値はこれまでのシリーズ(F1.8)ではなくF2.8スタートですが、開放から解像感も十分あります。撮影日の天気はどんよりとしたフラットな空でしたが、絞りを積極的に開いて撮影を進められました。
撮り手を虜にする「唯一無二の描写」
SIRUIのアナモルフィックレンズシリーズも標準域の「50mm F1.8 Anamorphic」「35mm F1.8 Anamorphic」、そして今回の広角「24mm F2.8 Anamorphic」と順調にラインナップを拡充してきました。この手のレンズは、どうしても画の“面白さ”が先行してしまいますが、ピント面のシャープな描写や独特のボケ味、デザインやコンセプトも今の映像業界のトレンドをしっかりと意識しており、多くのクリエイターから支持されているのも頷けます。さて、作品づくりとなると次に欲しくなるのが望遠側ですが、「75mm F1.8 Anamorphic」が既にアナウンスされており動画ユーザーにとっては今後も気になるシリーズとなりそうです。一般的なレンズとは違った、新たな映像体験を撮り手にもたらしてくれる一本、おすすめです。
Movie by MAP CAMERA Staff