ソニーから最大径68mm×長さ45mmの圧倒的な小型・軽量設計の純正単焦点Gレンズ3本が発売になりました。『SONY FE 24mm F2.8G』『SONY FE 40mm F2.5G』『SONY FE 50mm F2.5G』はなんと全く同じサイズ。それによりジンバルにつけたままレンズ交換が可能など、動画撮影においても使いやすい設計です。フィルター径も49mmで統一され取り回しが良好ですので、SONYシステム愛用者なら3本とも揃えたくなるラインナップです。「撮影する楽しさ」「所有による満足感」「レンズを交換する喜び」をもたらしてくれるという触れ込みで、最新の光学設計をもって画面全域で高い解像性能を実現した3本。今回はその中から『SONY FE 50mm F2.5G』をご紹介します。
青いネモフィラのお花畑に、大きな青い傘が咲いていました。晴れているのになぜか雨傘をさす男の子。なんだかネモフィラの妖精みたいだとハッとします。もし人間の姿をしていたらこんな風なのかもしれません。
一面にアイスランドポピーの花が広がっていました。それは大きな花畑で、見渡す限り色とりどりの春らしい景色が広がります。周囲には望遠レンズを持った人がたくさんいて、筆者は50mmでどう切り取ろうかと思案します。今回は真上からのアングルを採用。少し背の高い白い花に最短撮影距離でピントを合わせて、他の花や緑の葉を背景にしました。ボケ具合と色味がマッチしています。
ふとレコードを聴きたくなり、レコードカフェに行きました。10席ほどの狭い店内にお客さんはおらず、ひとりの若い店員さんが迎えてくれました。棚の上には”Now on Air”のポップとともにCDが飾られ、それとおぼしきジャズが流れていました。ハーブティーを飲みながらCDが終わるのを待ち、盤を入れ替えるタイミングで「レコードを聴いてみたいです…!」とリクエスト。すると「針が難しくて……他の店員がいる日じゃないとかけられないんです」。鳴らないレコードプレーヤーを許可を得て撮り、そっと店を後にしました。
レモネード屋さんの前にある花の黄色が気に入りシャッターを切ります。少しクリーム色がかったイエローは、見る人を優しい気持ちにさせてくれます。飾られたポスターを情報ではなく色として捉えたかったので、開放で大きくボカします。距離感やボケ味がとてもこのレンズらしいと思います。
屋外に置かれたガラスキャビネットに飾られたトイカメラ。カメラの形をしたものが目に入るとついじっくり見てしまうのは職業病でしょう。かわいらしいので飾りたくなる気持ちがよくわかります。
サーフボードのフィンが外されて並んでいました。とてもセンスのいい飾り付けだと思います!それぞれ傷ついていて、どれだけ使い込まれて飾られるに至ったのかを想像すると、尊敬の念しかありません。筆者は道具とは使い込むほどに魅力が増すと考えます。道具の傷は勲章であり、オーナーの愛の証。かっこいいのです。
街を見守る黒いモンスター。このミューラルを描いた人は、モンスターを実寸で描きたいと思い壁に描いているのだそうです。実寸というからには頭の中に具体的にモンスターがいるのでしょうから、ちょっぴり覗いてみたくなります。自分の作品が街の一部になる感覚は、筆者も少しだけ味わったことがあります。有名な俳優さんの写真が看板になったとき。地下鉄の駅をジャックして自分の作品を並べたとき。他人の写真では全く感じない、写真から被写体が街に飛び出してそこに存在しているような不思議な感覚が生まれるのです。
個人的にアボカドストリートと呼んでいる裏通り。狭い道にもかかわらず、それなりに人の往来があります。日が傾いてきたのでそろそろ撮影を終えるとしましょう。家では買いだめしているアボカドたちが待っています。
コンパクトな純正標準レンズ
小さいレンズが好きな筆者にとって『SONY FE 50mm F2.5G』は待望の純正標準レンズでした。一見フルサイズに思えないサイズ感の『SONY α7C』とはベストマッチ。小型・軽量だからというだけでなく、純正ならではの計算しつくされた相性の良さが光ったからです。周辺部まで解像感があり滑らかで自然なボケ味は、ボディにつけっぱなしにしておきたいと思わせる一本です。
50mmど真ん中の純正レンズといえば『SONY FE 50mm F1.2 GM』も同日発売でした。同じ焦点距離のレンズが一緒に登場するなんて、他メーカーファンから羨ましがられるに違いありません。GMレンズは確かに「流石GM……!」と思わず唸る描写力がありますが、価格は当レンズの3.5倍、重さは4.5倍あるなど、当レンズに分があるファクターも多いです。コンセプトの異なる2本の純正50mm。ぜひご自身のスタイルに合ったレンズを手にしてください。
Photo by MAP CAMERA Staff