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ライカM10 インタビュー【後編】

2017年02月06日


最新機種のライカM10が発売されたのに、このような質問で恐縮なのですが、今なお、CCDセンサー機の新型Mデジタルの登場を待ち続ける人は多いように思います。

今後CCDセンサーを搭載した製品が登場する可能性はあるのでしょうか?また、そうした方々にライカM10の魅力を訴えかけるならば、どのような製品の特徴がありますか?

新型のCCDセンサーを搭載したカメラは今のところ予定していません。それは、ポルシェが再度、空冷のフラット6エンジンを新たに作らないように、我々もCCDに戻る選択肢は無いと思っています。

しかし、我々も多くのユーザーからライカM9のような画質表現を望む声を聞いています。そのためライカM10を開発する際に、ライカM9の色表現を再度分析をして、ライカM10のセンサーでも再現できるようにチューニングをしました。

ライカM10の開発の中で、ライカM9とライカM(Typ240)、そしてプロトタイプのライカM10で撮影した画像を機種名を伏せてお客様に見比べてもらうテストを実施したことがあったのですが、多くの方がライカM10で撮った写真を「ライカM9で撮影したものだ」と答える結果が出ました。ライカM10はライカM9のCCDセンサーのような画質を実現しているのに加え、高感度性能とレスポンスを兼ね備えたカメラだと思っています。

明確な回答をありがとうございます。これで私の迷いも断ち切れたと思います。(笑)

ライカM10-Pや、ライカM10-D、ライカM10モノクロームなど派生モデルが出る予定はあるのでしょうか?実際にこの質問も多くのお客様から寄せられています。また、そうしたお客様にメッセージがありましたらお願いします。

将来の製品に関する情報はお答えすることはできないのですが、私個人としてもそのような商品があったらいいなと思っています。(笑)

しかしライカM10はとても自信のあるカメラですから、迷っている方がいましたら、ぜひ手にして楽しんでいただきたいですね。新商品を待っている数年間、ライカM10で写真を撮れないのは非常に勿体無いと思いますよ。人生はもっと楽しまないと。(笑)

今回のライカM10は日本国内の販売価格がライカM(Typ240)と比較してやや安価な設定となりました。価格が落ちることは、ユーザー目線としては嬉しい事だと思いますが、ボディ・センサー・エンジン・ファインダーなど新設計の機構が目白押しの本機において、価格を落とす努力は並ではないと推察します。実際どのような努力の元に実現したのでしょうか。

ライカM型カメラは、カメラマンの為の道具ですから、贅沢品という風には位置づけていません。それでも高いと言われることもあるのですが、それは真面目に材料や部品を選び、職人の手で一台一台作り上げたらこうなったということです。

しかし、それでもプレミアム価格にはしたくないのでライカM(Typ240)レベルの価格には抑えたいという気持ちはありました。勿論、当社の経理部門からは「これでは(価格設定が)安い」という声はありましたけども(笑)

やはり、カメラは“道具”ですからね。あまりプレミアムな価格、材料費や工数とかけ離れた価格にはしたくありませんでした。

なるほど。そんな価格を押さえるというお話の後には少々聞きにくいのですが(笑)、国内のライカ製品をお持ちの方や憧れを抱いている方からはライカ製品は写真機としての魅力もあるが、それ以上に資産価値であったり、所有することがステータスにもなっているような印象を受けます。これにはライカのブランディングや、マーケティングと日本のイメージなどが離れてしまっているのではないか?と感じることがあるのですが、どうお考えですか?

日本に限らず中国でもそうかもしれません。お客様の使い方、考え方は自由ですから尊重していますが、個人的には使い込まれたカメラを見たときに、「これはいいなぁ」と感動するので、そう使ってほしいなと思います。

そういう意味ではカメラに真鍮素材を使っていますので“良い使用感”が出るようになっています。“ジーパンの様に”と表現したらいいでしょうか、そういう風にカメラを使ってほしい想いはありますね。しかし、それはお客様の使い方・考え方はそれぞれなので自由でいいと思いますよ。

質問もそろそろ終盤になってきました。ここでステファン氏が“個人的”に考える、ライカM10と特に相性の良い交換レンズはなにかをお伺いしたいのですが、現行のラインナップでしたらどのレンズを特にお勧めしたいですか?

ファインダーの視野が30%広がっていますから、そういった意味では広角レンズは使いやすくなったという点がひとつありますし、倍率が改善されている点で言えば、75mmなどの中望遠レンズを使った際のフォーカシングが容易になっています。

でも個人的には、(ご自身の実機を手で示しながら)「ズミルックス M35mm F1.4 ASPH.」が1本あれば、何をしようにも他はいらないと思います。

ビジネス的には1本で全部済む、なんて言うのはよくないのですけどね。(笑)

個人的には35mmのF1.4は好きですね。

なるほど、ありがとうございます。確かにズミルックス35mmはスタンダードにして究極のレンズだと思います。

また、マップカメラではライカブティックとして現行製品を販売しながら、往年のオールドライカレンズも販売しています。こうしたオールドライカレンズについてもステファン氏が考える、ライカM10と相性のよいと思うレンズ、ボディに付けてみたいレンズをそれぞれ教えてください。

とくに短い(フラットな)レンズ、例えばエルマー5cmのスクリュータイプ、もしくはF2.8のMタイプのなどは薄型のボディを際立たせるのに良く似合うと思います。

描写という意味では個人の好みがありますから、それぞれ好きなレンズを付けていただければよいのではないかなと思います。それもライカの楽しみ方の一つだと思っていますので。

その点で言えば、面白いと思うのはタンバールですね。(笑)

※マクロエルマー90㎜以外の沈胴式レンズを装着される場合は、カメラボディ内部との干渉をさける為、レンズを縮めずそのまま装着・ご使用ください。

ライカM10が発売されましたが、予約をしてライカM10が届くのを待たれているお客様も多くいらっしゃいます。

購入したら、まず最初に注目してほしい点や、撮影を試してほしいシチュエーションなどがあれば教えてください。

もし、過去のM型フィルム機を持っているお客様なら、手にした瞬間に、懐かしい気分ですぐに使っていけると思います。

あとはとにかく使い込んでほしいですね。とくに今回のライカM10は感覚的に使えるように、ダイヤル等を配置していますので、使えば使う程操作が習熟して、いい写真が撮れるようになると思います。ですので、どんどん使い込んでいってほしいですね。カメラが手の一部、体の一部になっていくと思いますよ。

では最後に、ライカM10を購入した方、そしてこれからの購入を検討中の方、世界中のライカを愛する人々にメッセージをお願いします。

まず、このライカというブランドを何十年にもわたってサポートしてくださっているお客様にお礼を申し上げます。

一つのブランドをこんなにも長く使い続けていただけることは、そうないように思いますので、とても感謝しています。

お客様の強い想い、パッションは我々も日々感じています。その想いのおかげで、完璧で魅力ある製品づくりを後押ししていただいています。そのことに対しても深く感謝申し上げます。

ライカと共に素敵なカメラライフを楽しんでいただければと思います。

    

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