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伝統と革新 Leica M9 “Titanium”

2015年01月16日

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『Leica M9 Titan』

手にしたくても、なかなか叶わないカメラ。それは、大量生産が基本のデジタル全盛期においては珍しいもの。

発売は4年前、世界限定500台。
Photokina2010で発表された、ライカとフォルクスワーゲングループの特別なコラボレーションモデル。
外装はアルミでも真鍮でもなく、チタン無垢材を使用。そのカメラの名は『Leica M9 Titan』といいます。

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特異なその姿は、フォルクスワーゲングループのデザイン責任者であるWalter de’Silva(ワルテル・デ・シルヴァ)氏の手によるもの。
フォルクスワーゲンブランドでは近代『ゴルフ』や『シロッコ』のデザインを担当。
更には、ワーゲン傘下のアウディが誇る高級車『R8』も彼によるデザインというのだから恐れ入ります。

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基本的なスペックは1800万画素のCCDセンサーを含めて、M9から継承。
外装デザインの変更に留めた限定モデルは多く存在していますが、この『M9 Titan』は、実に様々な革新的アイディアが盛り込まれたモデルでもあります。

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その一つが、トップカバー正面の採光窓を廃して、ファインダー内のブライトフレームをLEDライトで照射している点。
自然光で照射する従来の方式と異なり、光が乏しい環境においても、正確なフレーミングが可能になりました。
このトップカバー正面のデザインから『Leica M(typ240)』を連想した方も多いのではないでしょうか。
限定モデルである『M9 Titan』で採用されたこの新技術は、現行のM型ボディにきちんと受け継がれているのです。

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背面の液晶パネルにはサファイアガラスを採用。
ボディ全体の造形に比べれば些細な事ですが、右手側のダイヤルもデザインが変更されています。

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ライカの限定モデルには通常のシリアルナンバーの他に、エディションナンバーが刻印されるのが常。
例えば、この個体は『111/500』・・・何とゾロ目です。
ただでさえ生産数の少ない限定モデルにおけるキリの良い数字やゾロ目は、かなり貴重な存在と言えるでしょう。

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セットになっているレンズは『Summilux 35mm F1.4 ASPH.』
鏡胴にチタン材を用いた専用品です。
フロントおよびリアのレンズキャップも同様に、特別なものが用意されています。

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ひんやりとした金属の質感は、アルミとも真鍮とも違ったもの。固い硬度を持ったチタンを、よくぞここまで加工したものです。

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独特なデザインのレンズフードは手に取ると驚く程軽量です。
以前ご紹介した『M7 Titanium set』と同様に、決して妥協しない物作りの精神を感じます。

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フロントの飾りリングを外し、フードを装着した姿はなんとも美しいものです。

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撮影準備を整えると、このような状態に。
付属する“ホルスター”と“フィンガーループ”も、このカメラが始祖と言えるでしょう。
“フィンガーループ”は『M(typ240)』のグリップへ取り付けるアクセサリとして、“ホルスター”は同じ方式の物が『Leica T(typ701)』に受け継がれています。

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ライカ社CEO、Alfred Schopf(アルフレッド・ショプフ)氏によって署名された製品証明書。

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もちろん、サインと共にゾロ目のエディションナンバーも記入されています。

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「Design Walter de’Silva」氏のインタビューや製作工程が紹介されています。

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驚くのが、このライカ・ロゴマークの制作風景。
通常のM9に比べて大型のマークが装着されていますが、その一つ一つが手作り。樹脂にロゴを彫刻し、白エナメルを流し入れた後に丁寧に磨いて作られたようです。

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さて、もう一冊の本は何かといいますと

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「introduction」各言語の取扱説明書です。
ここまで丁寧に装丁されていると、読みごたえもありますね。

動画では外箱から取り出すところからご覧いただけます。
今となっては、なかなか見る事も出来ない限定モデル。じっくりとご覧ください。

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