LEICA S2

2012年07月19日

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

『LEICA S2』645判と35mmフルサイズの間、30×45mmという撮像素子を持つライカ初のミドルフォーマット・デジタル一眼レフです。まさにフィルムサイズに束縛されない、デジタルならではの仕様で登場したカメラ・システムですが、そのフォーマットの絶妙さは使うと納得できるものです。当初はどうしてもフィルムユーザー故か、その独自の規格に落ち着かなさを感じていましたが、使用してみるとボディサイズ、取り回しの良さ、画像のクォリティ、様々な要素の最適解としてのフォーマットであると素直に納得できる使いやすさです。

まずはその実力をご覧頂ければと思いますが、この1枚でもそのポテンシャルは十分ご理解頂けるものと思います。細部にわたる自然な解像感は素晴らしく、細かな壁面のラインまで実に良く写し取っています。惜しむらくはタテヨコ50%の縮小ゆえ、天井のテクスチャにモアレが生じてしまっていますが、これも実画像では1本1本描写している驚きの描写です。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

開放、最短では実に薄いピントですが、AFも素直で合掌はなかなか素早いものです。拡大しても画像が弱くなってしまう事が無く、実にしっかりとした線を保っているのはさすがのものでしょう。ファインダー像の見やすさも特筆ものであり、ミドルサイズというサイズの大きさも相まって驚くほどピントのつかみやすいファインダーになっています。マニュアルフォーカスでのピントの追い込みもこれであれば難なく微調整が可能でしょう。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

トーンの連続も文句無しに美しいものです。また、中判クラスのデジタルカメラとしてはかなり取り回しが良く、35mmフルサイズのハイエンド機と同じ感覚で使用できるのは素晴らしいものです。絞りの調整やシャッタースピードの変更等、使用する各項目が明瞭に区別されて操作しやすいデザインにまとまっているのも、このカメラの魅力の1つ。改めて見るとライカの提供した一眼レフ、Rシリーズの1台、R9などと似た印象を持ちます…と思ったら、やはり同じデザイナーさんの作なのですね。操作のしやすさで定評のあったR9ですが、その操作性とデザインを更にブラッシュアップした印象で、当時からライカの考えていた一眼レフの立ち位置というものが、デジタル化によってより鮮明になってきたとも言えそうです。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

被写体の存在感がしっかりと発揮されるレンズです。S2のレンズ群はライカレンズの中でも特に描写の良いレンズが揃っているという事で有名ですが、試写してみても大いに納得できる性能です。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/25秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/350秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

スタジオユースのカメラという印象が強く有りましたが、実際に使用してみると操作もシンプル。バッテリーも持ちが良く、半日フルに撮影していても容量が半分になる程度。屋外での通常撮影でも十二分に実用になる実力の持ち主です。防塵防滴仕様というのも素晴らしい点で、ここは中判デジタルバックタイプのカメラより大きく秀でたアドバンテージです。

ちなみに、ストロボ撮影などスタジオユースで活躍するCSレンズ(レンズシャッター内蔵レンズ)も、フラッシュ同調速度を1/1000秒と大幅にスペックアップし発売をひかえているとのこと。日中シンクロなど撮影により幅を持たせるレンズだけに、その発売が待たれます。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

葉の解像感はもちろんですが、僅かにふくらみを持った質感までも捉えています。撮像素子の大きさからかずいぶん画に余裕を持っている印象で、それがこの自然な再現に力を発揮しているのでしょう。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

開放では被写体がそこに居る様な立体感を再現してくれます。明暗差の強い中でも白飛び、黒潰れの無い美しい再現です。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/45秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

緻密、精緻、そういった言葉の似合うミドルフォーマットならではの情報量の多さです。手持ちでこの画質を実現してしまうのですから素晴らしいものですね。処理速度も速く、35mmフルサイズ機と同じく普通に扱って普通に撮れるというのは実に驚くべき事です。ただし手軽に扱えるからといって、しっかり保持する事を怠ると微妙な手ぶれで画質がグッと落ちてしまいます。縦位置での撮影時には今回使用した縦位置グリップが大いに役立ってくれました。

Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica S2 + Summarit 70mm/f2.5

絹地の繊細なドレープの、微妙な光の照り返し。ひだの柔らかな雰囲気をぜひご覧下さい。RAW現像時にこのカットだけはかなり明度を上げましたが、それでもここまで画がついてきてくれる事には驚きです。RAWデータの持つデータの幅もしっかりと広く、応用範囲の広いのは嬉しい事です。

ミドルフォーマット・一眼デジタルとしてはかなりコンパクトなサイジングです。カメラ底部には縦位置グリップを装着しています。描き出す画は超一級ながら、説明書を詳しく読まずともとりあえず使用できてしまうシンプルな操作系は大いに歓迎したいもの。直感的な操作で扱える事ほど、実は大切な事は有りません。撮影に大切な基本をしっかりと煮詰め、描写、ファインダー、使い勝手。撮り手の必要とする要点をしっかりと見つめて作られたカメラという印象です。

価格面ではかなり高額なシステムですが、『Leaf』や『Phase One』などのデジタルバックタイプの中判デジタルカメラはどうしてもカメラ側との連動に複雑さが残り、バッテリー等の容量からも『LEICA S2』ほどの操作のシンプルさ、機動力の高さは望めません。一方で画素数では計れないセンサーサイズの持つ描写の空気感、存在感というものがあるのも、これまた事実です。デジタルに最適化された新しい一眼システムとして、そのクオリティを考えれば『LEICA S2』は一考に値する大いなる価値を持ったカメラと言えます。

ライカがおくるハイエンド・デジタル一眼。突出したポテンシャルを持つカメラです。

次回以降、S2交換レンズのレポートもおおくりする予定です。

どのレンズも素晴らしい性能を持っているという事で、個人的にも今から大いに楽しみです。

Photo by MAP CAMERA Staff

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