StockShot

写真のあるライフスタイルを提案するマップカメラウェブマガジン

  • タグ一覧
  • 検索

ドイツ・ライカ本社によるオーバーホールの現場レポート Part.2

2021年02月20日

LEICA Boutique MapCamera Shinjukuは2月20日をもちまして、8周年を迎えます。

今回は8周年記念イベントとして、ライカM3をはじめとする往年のフィルムのM型ライカを、ドイツ・ライカ本社でオーバーホールを行いました。その作業風景と、インタビューをご紹介いたします。


Part.1:写真とともに作業風景。
Part.2:担当した技術者のインタビュー
Part.3:オーバーホール品のBefore・After

このPart.2ではオーバーホールを担当していただいた技術者に、Q&A形式のインタビューを行いましたのでご紹介いたします。

 

(左:Jens Bettinger氏、右:Siegbert Merz氏)

 

Q.150年続くライカの伝統を受け継ぐ者としての誇りに関して

高い光学的、機械的精度を追求するライカファミリーの一員であるとの自覚を持っています。

 

Q.修理スタッフになるには、何か特別な資格や試験などがありますか。

ドイツには通常3年間行われる徒弟制度があり、ライカでも同様に若い従業員は徒弟(見習い)として学習・生産・品質管理・カスタマーケア及び、サービスエンジニアリングなどの各セクションにそれぞれ何か月も従事し、3年間のうちにさまざまな部門を経験します。

そして3年後には公立の職業学校であるベルーフスシューレ(Berufsschule)で試験を受けます。
このようにして日々の仕事に従事しながら技術士資格者として仕事を続けていくことができますが、その後も3年間は公的機関によるいくつもの試験が続きます。

 

Q.(ヴィンテージ含む)M型フィルムカメラを修理する際に一番気を付けていることはどのようなことですか。

特に注意しなければならないポイントというのはありません。全ての工程が重要であり全集中力と注意力が求められます。

 

専用の装置で露出計を調整しているシーン。
アングルファインダーのようなものを用い、常に覗き込みながらの作業はかなりの神経を使いそうだ。

 

Q.今までで一番修理の難しかったカメラはどのようなものですか。

修理はどれも難しくともやりがいのある挑戦であり特別な瞬間を伴います。カメラが古ければ古いほど、新たなチャレンジとなります。

 

専用の装置で距離計の調整をしている。
ユーザーが覗いて使うところは同じように覗きながら調整していく。

 

Q.現代でもM3を部品なども含め完全再現できるのでしょうか。

M3を完全再現することはできません。いくつかのオリジナルパーツが入手できないためです。そのため、筺体やレンジファインダーなどの修理には代替部品を使用しなくてはなりません。修理のお客様には、オリジナルパーツがもう無く代わりの部品を使用する旨を事前にお伝えしています。

 

Jens Bettinger氏と分解されたライカM2-R。目を見張るほど細かな部品と、奥には様々な工具や薬剤らしきものが整然と並んでいる。

 

Q.オーバーホールはどれくらいの頻度で行うべきでしょうか。

これは使用頻度や未使用の程度、保管状態や気候条件などによるため、特定の指針というのはありません。
しかしながら我々の経験からは、数十年、あるいは、次世代にまで良好なコンディションを保つためには5年から8年の間に行うことをお勧めします。

 

Q.オーバーホールしたフィルムライカは、あと何年使えるのでしょうか。

何年もお使いいただけます。メンテナンス作業と部品交換を行ったものには2年間の修理保証をお付けしているように、オーバーホール後2年間については特に自信があります。

 

Q.職人の方の人数、後継についてはいらっしゃるのでしょうか。これからもオーバーホール等フィルムカメラの修理は続いていくのでしょうか。

古いM型からライカS3やライカSL2、そして全てのレンズも包めてあらゆるライカ製品を網羅する30名以上の技術者がいます。

経験豊富な上級技術者による若手の研修を日常業務の中で行うだけでなく、たとえば4週間連続の特別な研修を行うことによりこの体制を作っています。
また、必要と求めに応じて、退職した技術者に相談して特別な研修会を行うように依頼することもあります。

大切なお客様をがっかりさせてはなりません。ライカをお求めのお客様には良質かつ永続的なアフターサービスも期待されています。

 


オーバーホールが行われた修理作業場。
想像以上の広さで、多くの技術者が在籍しているのが見て取れる。

 

今回依頼したライカM3のようなクラシックカメラから、全く異なるジャンルの中判デジタル一眼レフであるライカS3なども同じ技術者が担当しているというのは驚愕の事実でした。

新しい技術者を育成しているというのは伝統が受け継がれていき、これからも安心してカメラを使っていけるということです。『一生使える』という言葉を大袈裟な比喩ではなく、本当に一生使えるカメラが世界中にどれだけあるでしょうか。オリジナルパーツの再現はできないとしても、大切な愛機をより長く使うことができ、次世代にまで繋いでいくことができます。それもすべては、ライカ製品に宿る彼ら職人たちの技術と魂の賜物ではないでしょうか。

 

今回ご紹介したライカM2-Rを含めライカカメラAGにてオーバーホールされたカメラは2年間のメーカー修理保証をお付けして販売いたします。(保証書の日付より2年間有効)

 

そしてオーバーホールされた個体には特製化粧箱と特製ポーチも付属。
化粧箱は往年のライカを思わせる赤い箱に、ライカブティックのロゴが箔押しがされた懐かしさと豪華さのある仕上げです。

 

また、ポーチは高級感がありつつも、カメラにも地球にも優しいフェイクスエードを使用。
化粧箱と同様に赤を基調に仕上げ、上品で落ち着いた印象になっています。

いつまでもお客様の大切なパートナーとしてあり続けてほしい、そんな思いを込めて用意させていただきました。

そんな大切なパートナー選びの一助となれますようスタッフ一同精進してまいります。
これからもLEICA Boutique MapCamera Shinjukuをよろしくお願い申し上げます。

 

ライカカメラAGにてOH済みの商品はこちら

 

今回質問に答えていただいたJens Bettinger氏とSiegbert Merz氏によるオーバーホールの様子は、Part.1でレポートしています。
Part1、Part3も是非ご覧ください。

 

1+

RECOMMEND

PAGE TOP