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タムロン『SP 150-600mm Di VC USD G2 (Model:A022)』インタビュー 【Part 4】


    テレコンバーターとの組み合わせで望遠側の焦点距離領域を拡大し、35mm判フルサイズ機装着時でも最大で焦点距離1,200mmの超望遠撮影を楽しめるようになりました。

    ● AFとVCの各機能に対応     ● 防塵防滴構造を採用

    ● SPレンズ鏡筒に合わせた高品位なデザインを採用

    ● 画質低下の懸念される2.0xテレコンバーター(Model TC-X20)にはLDレンズ(異常低分散レンズ)を1枚採用

    ● BBAR(Broad-Band Anti-Reflection)コーティングを施すことで、ゴーストとフレアの発生を抑制

    現時点ではSP 150-600mm Di VC USD G2(Mode:A022)専用品のような扱いですが、今後は対応する望遠レンズも増えていくと考えてよろしいでしょうか。

    実は光学設計的にもSP 150-600mm Di VC USD G2(Mode:A022)とテレコンバーターは装着時の性能発揮も含めた設計となっております。そのためマスターレンズの画質を極力損なわずにより望遠域での撮影が可能となっております。

    「専用品です」みたいな言い方をして頂きましたが、さすがにテレコンバーターを一種類のレンズの専用品として製品化するほどの体力は、私の知るタムロンさんにはないのではないかと存じます。(笑)対応製品は今後も出ますよね。

    (一同 笑顔)

    ありがとうございます。(笑)

    SP 150-600mm Di VC USD G2(Mode:A022)と2倍テレコンバーターの組み合わせであれば、望遠端の最短撮影距離で撮影倍率1:2を実現できます。

    2倍のテレコンバーター装着時に望遠端ではF6.3から2段落ちのF13まで暗くなりますね。位相差AFは効かずMFもしくはライブビューのコントラストAFでの撮影となりますが、ハーフマクロまでクローズアップできるとなるとかなりインパクトがありますね。

    SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)は自分で購入してから改めて気付いたのですが、実はタムロン製品で唯一“防塵防滴”と謳っているんですね。

    SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)は繰り出しがないためシーリング性能を上げやすいんです。

    SP 150-600mm Di VC USD G2(Mode:A022)こそ、フィールドでの対環境性能を求められるような気もしますが…。

    SP 150-600mm Di VC USD G2(Mode:A022)はズーミングの滑らかさとの兼ね合いで簡易防滴に留めることとなりました。雨ざらしで撮るのはオススメしませんが、通常の雨対策をして撮影して頂くには充分な性能となっております。

    初めての搭載というわけではございませんが、レンズ最前面に撥水性・撥油性にすぐれたフッ素化合物による防汚コートを採用しており、水滴、手の脂などが付いても拭き取りやすく、メンテナンスが容易となっています。

    というわけで、この油性マジックで前玉に思いっきり書いてみてください。

    こういう催しをフィルターメーカーさんでもやった記憶がありますが、レンズは気が引けますね…(苦笑)

    そもそも油分を弾いてしまうので、油性マジックで書けないといったほうが正しいんですね。すぐに拭き取れてしまいます。

    凄さはよくわかりましたが、心臓には良くないです。

    最後にデザインについてですが、エンジニアリングとデザインを融合させ、機能美を追求。作り込みを隅々まで徹底し、金属外装を施した高品位なデザインを採用致しました。

    デザインについてですが、以前のタムロンレンズとはだいぶ変わってきましたよね。正直なところ初めてSP 35mm F1.8 Di VC USD(Model:F012)、SP 45mm F1.8 Di VC USD(Model:F013)の製品画像を見たときには、ライバルメーカーさんに寄せてきたな、と感じました。(笑)

    ですが、実際に現物を見てみるとブラックの質感も全体的な印象も実は全然違うなと改めて感じたのを思い出しました。

    工業デザインのトレンドからいくとこういったデザインになってくるのではと考えます。その辺りについては青木の方から詳しく説明してもらいます。

    タムロンの交換レンズが新しい時代に突入した際に、レンズのブランディングは最重要事項になっていたのではないかと思います。

    “SP(Super Performance)”は従来からのタムロンの高性能レンズ群の呼称ですが、これを変更するというようなことは検討されなかったのでしょうか。

    タムロンのブランドをさらに良くしたい、レンズをさらに良くしたいというのが2010年以降の当社の課題となっておりました。もちろんシリーズについても“SP”のままが良いのか“SP2”にするかなど。

    ただ、ブランディングという観点でいうとそもそも“SPレンズ”というもの自体が我々の想い描くように市場、ユーザー様に認知されているのかといった点も含めての議論となり、最終的にここから改めて“SPレンズ”のテコ入れを行い価値観を創造していく、といった意味合いも込めて従来通りの呼称を踏襲させて頂きました。

    もう一つの検討事項は“金リング”。10年ほど前からの仕様ですが、社内では評価されている点もありました。なぜなら遠くから見てもタムロンレンズだってわかるんですから。(笑)

    グローバルではあまり不評ではなかったものの、日本国内では不満の声も頂いており、検討課題となっておりました。

    私も散々不満の声を上げておりました…。(笑)

    ようやく時代の変わり目になり、デザインの見直しをする時期になったこともこの新しいSPレンズの開発に繋がっています。

    レンズのブランドリングってレンズの全長やデザインによって位置がマチマチですよね。

    たしかに。

    SPレンズのブランドリングはマウント近くに配置することで、レンズを立てて並べたときに位置が綺麗に揃うんです。

     

      

      

    たしかに!!!!!

    そしてこの“ルミナスゴールド”と呼ばれるリングの色も、もっと金色よりのものや色の薄いものなど試作は何度も行いました。最終的に製品化されたこの色、良い色だと思いません?

     

      

    思い入れを感じますね。

    この“リング”というものには信頼性のシンボルでもあり、レンズとカメラ。お客様とタムロンを繋ぐ信頼関係を形に表しています。

    また、レンズをカメラに装着してみるとルミナスゴールドのリングがカメラの黒い色を反射して、ほとんど灰色に近い色になり主張を抑えるんですね。

    なるほど、そこまで緻密に考えているんですね!

    写真の品質はフィルムの時代からレンズが重要ですが、それでもカメラあってのレンズということで、カメラへの装着時は主張をしない見た目になるようにしてあります。でも、このリングの一番太いところにある1mmのエッジだけはキラリと光を反射させるようにするところも計算してあります。

     

    (目から鱗)

    それと、デザインの特長は丸みを帯びています。レンズの外径は“掌(たなごころ)”にフィットし、金属鏡筒でありながら触っていて気持ちの良い感触を目指しました。

    たしかにそうかもしれません。国産のカメラメーカーのレンズは仕様や製造時期によって意外とデザインがちぐはぐだったりしますが、SONY製ZeissレンズやPhase OneやLeica Sシステムのような中判用のレンズは焦点距離や仕様の異なるものでも統一感のあるデザインが“仕事用”というような玄人っぽい印象を受けます。新しいタムロンの“SP”レンズもそういったイメージなのだと思うとますます印象が良くなりました。

     

      

    そう感じて頂けて幸いです。私も久しぶりにコンセプトやデザインのお話ができたので、嬉しくて盛り上がってしまいました。(笑)

    この度は詳しい解説とともに、開発のコンセプトに遡るようなお話まで聞けてインタビューアーの私も大変楽しませて頂きました。タムロン新時代のレンズは今まで多くの方にお使い頂いたものよりも確かに高性能で、より洗練されたレンズ群となっております。タムロン開発陣の皆様の熱意もお届けできていれば幸いです。これからより多くのお客様がこのルミナスゴールドの信頼の輪で繋がっていくよう、マップカメラではしっかりとその魅力をお伝えしていきたいと思います。

PhotoPreview

[ Category:etc. | 掲載日時:16年09月23日 20時59分 ]

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