Panasonic LUMIX GH5 インタビュー【Part 3】
「AF追従感度」「AFエリア切換感度」「被写体の動き」これらの三つの項目を、被写体やシーンに応じてカスタマイズが可能です。4つのプリセットを予め用意しておりますが、各種調整が可能です。
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この手の被写体・シーン別AFカスタマイズは、キヤノン製品が早くから搭載し、ニーズを高めてきましたね。 各メーカーさんがAF性能の高いカメラには、こういったカスタマイズ機能を実装してきました。これはユーザー要望が非常に高かったのではないかと思います。 ちなみに4つプリセットは、完全に各項目の値を揃えた時には同じ挙動、つまりゼロ設定時の内部パラメータは同じですか? |
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ゼロ設定時には同じ性能となりますので、あくまでカスタマイズ後のプリセットを予め4つ用意してあるということですね。 各メーカーさんの動向や最近のトレンドは把握しておりまして、こういった機能設定が求められるカメラに仕上がったことが実装の理由です。 |
ジョイスティック搭載は大歓迎です。やはりデジタル「一眼レフカメラ」は専用の操作キーを備えているものが多く非常に快適です。 フジフイルムの最近の製品などにも採用されましたね。やはりなかなかミラーレス一眼に採用されなかったのは小サイズのボディにレイアウト上の制約と、御社の場合はタッチパッド機能との兼ね合いなどが理由でしょうか? |
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理由としてはまさにおっしゃる通りですね。撮影時のフォーカスエリア選択の快適さを追い求めた結果、結局はジョイスティック型の専用操作キーの新設に落ち着きました。これも操作性を重要視した、GHシリーズのボディサイズだから実現できたことでもあります。
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競合機といえるオリンパスOM-D E-M1 Mark IIですら、スロット2はUHS-Iのサブスロットといった位置づけでしたね。 やはりAVCHDを除くすべての動画モード、もちろん4K動画においてもカメラ内でバックアップ記録ができるのが素晴らしいですね。 また、「JEPG」「RAW」「4K/6KPHOTO」「VIDEO」とそれぞれのカテゴリ別に振り分け設定ができるところも、実際の使い勝手を考えるととても良く配慮されています。 |
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ありがとうございます。どちらのスロットでも速度差なく書き込めますので、いろいろな機能アイデアを実現することができましたね。
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6Kフォトの実現によって約1800万画素相当で30コマ/秒の高速記録が可能になりましたね。 単純な高速連写性能で考えてしまうと、先に発売されたオリンパスのOM-D E-M1 Mark IIの2000万画素・AF/AE追従で18コマ/秒連写(電子シャッター時)というのもインパクトがありましたが、1800万画素のAF/AE追従30コマ/秒連写というと甲乙つけがたく感じますね。 ポイントとしてはOM-D E-M1 Mark IIはRAW記録が可能(連続77コマ)、GH5はJPEG記録のみにはなるもののメモリーカードの続く限り「無制限」で撮影が続けられるといったところですね。 |
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その通りです。どちらも異なる思想によって進化したと考えており、お客様の用途に合わせて最適な機材が決まってくるといったイメージになるかと思います。
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6Kフォトの話に戻りますが、1800万画素ということはすでに従来機(GH4/GX7MK2)といった1600万画素機の通常撮影の解像度を超えてます。これで6Kフォトでの連続撮影画質が従来機の通常撮影の記録画質との差はどうなのでしょうか?
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おおよその撮影で「同等以上」の静止画画質といえます。 おおよそと念のため申し上げているのは、ノイズ低減などのアルゴリズムが異なるという点があるためです。 |
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国内メーカーさんによる従来機・競合機に配慮をしたうえで出てくる「同等以上」という表現は、奥ゆかしい謙遜の心が含まれておりますので、6Kフォトの静止画画質については安心して良さそうですね。(笑)
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我々からは申し上げづらい部分をありがとうございます。(笑)
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6Kフォト/4Kフォトモードで撮影した秒間60コマ/30コマ連写から1枚選んで保存する際に、ポストリファイン機能(前後のフレームを使用した画像合成処理)を行えば、さらに高画質な静止画を作り出すことが可能に。 感動的な一瞬をさらに美しく自然な描写で仕上げることができるようになりました。 まず一つ目が「時空間ノイズリダクション」 |
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名前が凄いですね、時空のはざまに放り込まれそうです。 |
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6Kフォト/4Kフォトモードで撮影した膨大なデータを用いて、残したい瞬間の前後の複数フレームから被写体の動きを読み取り、画素ごとに動きを考慮したフレーム合成処理を行うことで、ノイズを抑えた美しい1枚の写真として残すことができます。 高感度撮影時にはこの「時空間ノイズリダクション」が自動ではたらき、高ISO時に発生しやすいノイズを大幅に削減することが可能になりました。 |
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機能としては非常に素晴らしいですよね。合成処理時間などの実用性について教えて頂けますでしょうか。 |
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やはり高感度であればあるほど処理には時間を要する点は否めません。 具体的にはISO800~1600は(2枚)。ISO3200~6400は(3枚)、ISO6400以上は(4枚)と、実際にのノイズを間引くための合成枚数が変わってきます。
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ノイズの比率が高いほど、きちんとした信号を得るためにたくさんのデータを参照する必要があるということですね。 処理時間がかかるという点では、長秒露光時のノイズリダクションと同じく、撮った後しばらく待つという気持ちの余裕が必要そうですね。しかし、待った甲斐のある画質が得られるのであれば良い機能だと思います。 |
「時空間ノイズリダクション」と同じく、前後画像から参照することで「ローリングシャッター歪み」を補正する機能も新たに搭載しました。 当初は電子シャッターの泣き所をカバーする革新的な機能として期待をしていたのですが・・・。 |
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いたのですが・・・? |
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センサー・デバイス各種の読み出し性能の進化によって、そもそも「ローリングシャッター歪み」がうまく抑制されてしまったことです。ユーザーメリットとしては計り知れませんが、この機能を開発した方々の苦労は心に刻んでおります・・・。
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なるほど・・・、たしかに素の性能が想像以上に高い次元に収まったのは喜ばしいことですが、一緒に心に刻んでおきましょう。 |
ユーザーの皆様から「4Kフォト」についてご要望頂いていたのが、撮影後の保存画像の選択についてです。 従来でも秒間30コマの画像から選んで決定的瞬間を保存して頂いていた訳ですが、とても時間がかかるんですね…。 |
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確かに、船上で4Kフォト撮影をしてお気に入りをセレクトしていたら、疲労と酔いでとんでもない気分になった思い出が。 今回はタッチパネルのスライド操作で一気に移動して、素早く選べるわけですね。 |
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ご不便をお掛けしました。また、一括保存にも対応しましたので、カメラ内で選ばずともメモリーカードに余裕があれば、すべて持ち帰ってパソコンで選定するのも快適かもしれません。
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触っていて感じたのが、メニューの構成がかなり整理されわかりやすくなりました。 |
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やはり直感的にどこに設定項目が格納されているかがわかりづらいというお声を受け、タブごとの設定項目を整理しました。 また、モードダイヤルで特定のモードを選択している場合には、それ専用のメニュータブが現れるようにしましてモードごとの設定項目の変化をよりわかりやすくしました。 |
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たしかに、過去のメニューではモードによってグレーアウトしている項目があり、でも何を変えればそれが有効になるかわからないという時も….。 |
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まさにそういった点の改善となります。 また、わかりにくいメニューもありますので、メニュー操作中に「DISP.」ボタンを押すことで、その項目でどういったことが設定できるかのヘルプが表示されるように致しました。 |
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なんだかニコンユーザーの私から見て、とても親しみやすいメニュー構成になっていますね。この構成はすごく使いやすいと思います。
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決して模倣したわけではございません。ただ、フォーカスエリアのセレクトもそうですが、やはりインターフェースを突き詰めると同じような体系が落としどころとなるようですね。
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