今回は『SIGMA fp』にマウントアダプターを装着し『LEICA ズミルックス M50mm F1.4 ASPH.』で撮影しました。『SIGMA fp』のミニマムなサイズ感にLEICAのレンズはよく似合うこと間違いなし、ということでまずは現行のASPH.モデルをチョイス。最初からゴール地点のような感じもありますが、ここから世代別、銘柄別の違いや魅力を伝えていければと思います。
「なるべく色々なカラーモードでテストしよう」と思いましたが、やはり好きな設定で撮り始めてしまうもの。『SIGMA fp』のカラーモード「ティールアンドオレンジ」で撮影。オレンジ系の色味と、その補色に当たるティール系(シアン系のブルー)の色味を際立たせるカラーモードですが、椅子やテーブルのブラウンがとても魅力的な色味になります。
西日がビルの間から射し込んできた頃、湿気が高いからなのかビルに当たった光が拡散されて後光のように。一本のポールだけスポットライトを浴びていたので撮影しました。こう写って欲しい、という欲求がストレートに叶うレンズです。
50mmのレンズとして最高峰に位置するレンズなのですが、逆光時にはフレアやゴーストが出るという感情的な部分もあります。だからといって解像自体に綻びは出ません。個人的には高い光学水準が欲しいのは勿論なのですが、レンズにはこの感情的な要素もあってほしい、と思うのです。このレンズはそのどちらも両立できている。月並みな言い方になってしまいますが、素晴らしいレンズです。
こちらも開放での1枚なのですが、時計にかかる淡い光の反射。開放だからこそ生じる周辺減光による白から青のグラデーション。ハイライトがやや飛ぶようなエネルギッシュな感じも好きなのですが、このおっとりした描写が大好きなのです。
さて、ここからはさらに個人的な趣向に偏ります。今日は日が沈むまでここにいる、と決めていました。撮れ高を求め彷徨う日々に疲れてしまった訳ではありません。『LEICA ズミルックス M50mm F1.4 ASPH.』の光を捉える感性と美しいボケ味、『SIGMA fp』の豊富なカラーモードとシネスコのアスペクトを組み合わせてみたかったのです。
刻々と変化していく空の色に合わせたカラーモード。あなたならどんなカラーモードにするでしょうか。
とっぷりと日が沈み、人もまばらに。こんな風に時間を楽しんだのは久しぶりだったかもしれません。
最近は少し大きめの機材で出歩くことが多かったせいか、『SIGMA fp』と『LEICA ズミルックス M50mm F1.4 ASPH.』の組み合わせは嘘みたいな軽さでした。純粋に撮るのが楽しすぎて 気づいたら一日で1000枚以上撮っていました。モニター越しに撮れる『SIGMA fp』はサクサクと撮影できるのが魅力の一つです。
Photo by MAP CAMERA Staff