絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:640 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
FUJIFILMのレンズ交換式カメラ『Xシリーズ』に新しい超広角ズームレンズが登場した。『FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS』は一度発売が延期となったが、今回の登場でXシリーズレンズでも最広角となる35mm判換算15mmの画角をカバーするレンズとなる。開放もF4.0通しと明るく、描写力も高いとの前評判を聞いていただけにその描写にも期待がかかる。さっそく『FUJIFILM X-T1』と共に撮影に持ち出した。
35mm判換算で15mmのレンズともなると人間の視野よりも広く、目で見るのとは一味違ったパースペクティブで世界が飛び込んでくる。最初は少々戸惑うかもしれないが、そういった際はEVFファインダーがあれば比較的惑わされずに撮影していけるのではないだろうか。背面液晶よりも切り取られた風景に望めるEVFファインダーは少し不慣れな画角を扱う際には心強い。また、ともすれば自分の足さえ写りかねない超広角であれば構図周辺の確認にも積極的に活用出来る。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:640 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
近接能力も高いのはありがたい。こちらは望遠端の35mm判換算で36mm相当での撮影。マクロモードでは24cmまで接近して撮影が出来るが、体感としては被写体にグイグイ近づける印象で、これは超広角ズームとしての使いやすさに大きく貢献している。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:320 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
数十センチ先で、これはワイド端での撮影だが、周辺まで実にしっかり解像している。ローパスフィルターレスの「X-Trans CMOS」に最適化した設計とされているが、その解像度をフルに生かせているのだろう。ピントの切れ、発色、コントラストともに実に優秀で、さすが描写力で定評のあるFUJINONブランドのレンズであると納得してしまう。これで開放、絞り込めば更に全域で安定してくるが、ここまでくればネイチャーフォトなどでも何の心配も無いだろう。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/70秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
超広角レンズにありがちな歪みが少ないお陰で、広角ながらとても静かな雰囲気も持つ。こちらに迫る様な迫力ある画作りも可能だが、歪みの少ないこのレンズの特徴を生かした静かな超広角の写真も良いのではないだろうか。
絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
人の目よりも広い画角は撮影者に挑戦してくる様なスペックでもある。見慣れた風景の中に新しい光景を探すのも楽しい。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:500 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
グラスのステム、夕日に染まるその繊細なカットの描き方も実に見事だ。背景のボケが五月蝿くないのはこうした被写体で生きてくる。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:500 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:250 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
前ボケ、後ろボケともに柔らかく美しい。これはこの画角の超広角ズームレンズとしては驚くべき事だ。ズーム比もしっかりとあるので、被写体との距離と焦点距離をチョイスする事で様々なバリエーションの撮影が可能となる。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/34秒 / ISO:800 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
織物の目、1つ1つまでしっかりと描く事で、被写体に説得力が生まれる。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
モノクロームでも出色のトーン、諧調の美しさだ。光の出方が綺麗な為に、ついついアンダー目で多くのカットを撮影してしまった。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/25秒 / ISO:800 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:500 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
こうした被写体でも歪みは見えない。レンズは優秀、水平がズレているのは撮影者の腕と配慮の問題である。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/64秒 / ISO:640 / 使用機材:FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
立派な花形フードが付属する、質感も高い仕上がりだ。ズームリングも幅広で使いやすく、手振れ補正等の効き具合も申し分無い完成度だ。またフォーカススピードの素早い事も書き添えておきたい。今回は静物が被写体だったが、ストリートスナップなどではこのフォーカススピードの速さはとてもありがたいのではないだろうか。『FUJIFILM Xシリーズ』の超広角を担う新たなレンズ、待ちかねた方々を裏切らない高いスペックの新レンズ登場である。
Photo by MAP CAMERA Staff