Select Language




Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

CarlZeiss Batis 135mm F2.8

Eマウント専用レンズとしてツァイスより展開している『Batis』シリーズに伝統の135mmという焦点距離が登場しました。今回はその新レンズである『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』を早速レポートいたします。

戦前のレンジファインダーレンズから通常のラインアップとして存在していた135mm。時代が一眼レフに変わっても135mmは存在していましたが、F1.4の明るさを持つ大口径85mmが一般的となり、その人気の影に隠れて“少しマニアックな画角のレンズ”になってしまったのも事実でしょう。カメラ仲間と話をしても「85mmは持っているけど、135mmは使ったことがない」という声を耳にします。
しかし、ここ最近は空前の中望遠レンズブームの到来(と、勝手に思い込んでいます)により、各メーカーが85〜135mmのレンズラインナップに厚みを持たせる中、開放から安定した解像感とボケ味を兼ね備え、85mmよりも撮影倍率が高く使い易い点などから、今135mmは再注目されている焦点距離です。

『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』の光学系はゾナータイプを継承し、異常低分散ガラスを採用したアポクロマティック設計によって、色収差を高次元で補正。開放から滲みのないクリアで美しい色再現をしてくれます。写真はカフェで友人を撮影した一枚なのですが、こってりとした発色と高いコントラスト表現は「憧れた往年のツァイスレンズ」を感じる素晴らしい表現力です。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


前後のボケ味は濃密。ゾナーらしい発色としっとりとした質感描写が美しい1本です。深い緑の中に咲く鮮やかな花の魅力を引き立ててくれました。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8



まだ葉の出ていない木々の枝ぶりが印象的だったので、高コントラストを生かしたモノクロームに。細かな枝まで緻密に描写していますね。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/320秒 / ISO:400/ 使用機材:使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


最短撮影距離は0.87m。85mmレンズとほぼ変わらないワーキングディスタンスでレンズが使えるのが嬉しいですね。撮影倍率も85mmと比べると高いので、「寄りたくても寄れない」と感じることはありません。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F3.5/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


CarlZeiss Batis 135mm F2.8

私の中でツァイスレンズといえばマニュアル専用レンズの印象を強く持っている一人なのですが、この「Batisシリーズ」はAF対応レンズ。さらに光学手ブレ補正も搭載している最新レンズになります。すでに発売されている『Batis 85mm F1.8』にも光学手ブレ補正を採用していますが、より望遠である135mmへの恩恵は大きいですね、ファインダーを覗いても被写体がユラユラと揺れることなくピタリと止まった状態でシャッターを切ることができます。

また、F2ではなくF2.8の明るさで設計したことも◎。11群14枚という複雑な光学設計を持ちながら、『Milvus 135mm F2』が約1kg(ZE: 1015g / ZF.2: 958g)の重量に対し、この『Batis 135mm F2.8』は614gしかありません。しかもAFと光学手ブレ補正を採用しているのにです。絶対的な明るさを求めてレンズが巨大化するより、メインターゲットであるα7系ボディとのマッチングを考えれば、このサイズがベストバランス。『Batis 135mm F2.8』はミラーレス用ということをしっかりと考えて作られたレンズだなと感じました。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


街中でのスナップ。135mmは広さを見せる事が難しい分、被写体のメッセージ性を強調してくれる画角だと感じます。なかなか距離感が難しいですが、使いこなせば標準画角では撮る事のできない作品が生み出せるはずです。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F4/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


ショーウィンドーを撮影した一枚なのですが、ゾナーらしい濃厚な描写が素晴らしいですね。ピント面のシャープネスを見せるというより、コントラストで写真を作るレンズという印象です。個人的にオールドゾナー(Sonnar 5cm F1.5 / Contax C)を常用レンズで使用している身からすると、ゾナータイプに対する変わらないアイデンティティを感じているようで嬉しくなってしまいます。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


枝に止まるスズメを撮影した一枚。拡大して見るとふっくらとした羽毛をよく写し出しているのがわかります。この写真だと背景が少しざわついて見えますが、これは風で葉が揺れていたせいだと思います。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


高コントラストの中にあるしっかりとした階調表現は、黒の強さを見せるモノクローム表現にとてもよく合います。背景のボケ味もいいアクセントになっていますね。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:800/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


訪れた公園は八重桜が満開で多くの外国人旅行者が花見を楽しんでいました。この写真はその帰り道に撮影したカット。親子を写した何気ない写真なのですが、色の厚みを感じる一枚ですね。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8


撮影中に雨がパラパラと降ってきました。光が当たらない暗部から浮き出るように見える美しい花々。こってりとした色彩表現と滑らかで濃いボケ味はポートレートだけでなくネイチャーフォトにも良く合う描写です。


Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

使用した事がないと、難しい画角のイメージのある135mm。しかし実際は85mmよりも使い方の幅を感じるレンズです。いつでもどこでも撮れる画角ではありませんが、撮影倍率が高い分、寄っても引いても撮影する事ができ、被写体の魅力を強く引き立ててくれます。

そして描写がなんといっても素晴らしい。“被写体の魅力を引き立てる”と言いましたが、多くのレンズの場合は被写界深度を上手に使い、シャープなピント面の線描写とボケの差を見せるのに対して、『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』はコントラストの面とボケ味という印象です。線で見せるレンズより画の印象が濃厚なんですよね、まるで油絵のような色の立体感を感じられるレンズです。とはいえ、ピント面を拡大すると解像感はかなりのもの。これはきっと画作りの違いとゾナータイプという事だからでしょう、開放付近はエッジが立つようなシャープさではなく、少し角の取れた柔らかさが感じられます。

『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』は個人的にとても気に入った一本でした。なんというか“ツァイスレンズらしさ”をとても強く感じたレンズです。高コントラストで美しい発色と濃密で質量のある表現力。そんなひと昔前によく言われていた“ツァイスレンズらしさ”を体現しつつ、現代の光学設計によって描写の雑味を消し、よりその描写性が濃縮されたように感じます。

「ツァイスレンズの描写が好き」という方は是非使っていただきたいレンズですね。味が濃いですよ、このレンズは。(笑)
現代は様々なツァイスレンズがラインアップされていますが、その中でも印象の強い1本でした。


Photo by MAP CAMERA Staff











マップカメラのTOPページへ
KasyapaのTOPページへ



カテゴリー: Carl Zeiss & Voigtlander   
この記事が面白いと思ったらここをクリック!→投票数:38票   




≪BEFORE Top Page NEXT≫

SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM 450:異次元の世界が楽しめる超広角『SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM』for Nikon 2017年10月12日
絞り:F4 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon D850 + SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM ニコンマウントで撮るシグマArtレンズシリーズ、第5弾は『SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM』です。 第4弾で紹介した「Art 20mm F1.4」と同様、他に同じスペックのレンズが存在しない世界唯一の超広角大口径レンズです。持った瞬間、ガラスの塊と錯覚するかのような1120gの重量感。俗に出目金と呼ばれる大きく飛び出た前玉を見るだけで...
続きを読む
SONY RX10M4 449:便利すぎて危険なネオ一眼『SONY Cyber-shot DSC-RX10M4』 2017年10月08日
焦点距離:220mm(35mm換算:600mm) / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX10M4 SONY Cyber-shot DSC-RX10M4 ソニーの人気ネオ一眼カメラ"RX10シリーズ"に新モデル「Cyber-shot DSC-RX10M4」が加わりました。 先代の「RX10M3」同様、幅広い焦点距離域をカバーしつつ、世界最速0.03秒の高速AFとAF/AE追従で最高約24コマ/秒の高速連写を実現したハイスピードカメラです。 優れた描写力に定評のあるZEISSレンズがあ...
続きを読む
448:コンパクトなハイスピード・レンズ『Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』 448:コンパクトなハイスピード・レンズ『Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』 2017年10月04日
絞り:F1.2/ シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100/ 使用機材:SONY α7II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical 今回のKasyapaでご紹介するのは、フォクトレンダーのレンズの中でもF1.5以下の開放F値を持つ大口径レンズにしか与えられない「NOKTON」の称号を持つ『Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』です。 『Voigtlander MACRO APO-LA...
続きを読む
447:コストパフォーマンス最強のレンズ『SAMYANG AF 35mm F2.8 FE』 447:コストパフォーマンス最強のレンズ『SAMYANG AF 35mm F2.8 FE』 2017年10月03日
絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100/ 使用機材:SONY α7RII+ SAMYANG AF 35mm F2.8 FE SAMYANG AF 35mm F2.8 FE 今回Kasyapaでご紹介するのは、7月に発売された『SAMYANG AF 35mm F2.8 FE』です。 本レンズは『AF50mm F1.4 FE』『AF14mm F2.8 FE』に次ぐサムヤンのオートフォーカス対応レンズ第3弾。そして現行のサムヤンレンズラインナップの中でも最軽量を誇るレンズです。 ...
続きを読む
null 446:洗練されたカメラへと進化した『FUJIFILM X-E3』フォトプレビュー 2017年09月28日
絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/75秒 / ISO:200 使用機材:FUJIFILM X-E3 + XF35mm F2 R WR / フィルムシミュレーション:Velvia FUJIFILM X-E3 久々にXシリーズの名機が帰ってきました。今回のKasyapaは9/28発売の新機種『FUJIFILM X-E3』のご紹介です。 『X-E』はフジフイルムのXシリーズを語る上で重要な機種と言っていいでしょう。今や多くのユーザーが愛用するXシリーズですが、その創成...
続きを読む

 [TOP Page] | Leica Canon | Carl Zeiss & Voigtlander | FUJIFILM | Nikon | OLYMPUS | Panasonic | PENTAX & RICOH | SIGMA | SONY | TAMRON | etc. |