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417:『Carl Zeiss Batis 135mm F2.8』

2017年04月20日

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

CarlZeiss Batis 135mm F2.8

Eマウント専用レンズとしてツァイスより展開している『Batis』シリーズに伝統の135mmという焦点距離が登場しました。今回はその新レンズである『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』を早速レポートいたします。

戦前のレンジファインダーレンズから通常のラインアップとして存在していた135mm。時代が一眼レフに変わっても135mmは存在していましたが、F1.4の明るさを持つ大口径85mmが一般的となり、その人気の影に隠れて“少しマニアックな画角のレンズ”になってしまったのも事実でしょう。カメラ仲間と話をしても「85mmは持っているけど、135mmは使ったことがない」という声を耳にします。

しかし、ここ最近は空前の中望遠レンズブームの到来(と、勝手に思い込んでいます)により、各メーカーが85〜135mmのレンズラインナップに厚みを持たせる中、開放から安定した解像感とボケ味を兼ね備え、85mmよりも撮影倍率が高く使い易い点などから、今135mmは再注目されている焦点距離です。

『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』の光学系はゾナータイプを継承し、異常低分散ガラスを採用したアポクロマティック設計によって、色収差を高次元で補正。開放から滲みのないクリアで美しい色再現をしてくれます。写真はカフェで友人を撮影した一枚なのですが、こってりとした発色と高いコントラスト表現は「憧れた往年のツァイスレンズ」を感じる素晴らしい表現力です。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

前後のボケ味は濃密。ゾナーらしい発色としっとりとした質感描写が美しい1本です。深い緑の中に咲く鮮やかな花の魅力を引き立ててくれました。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

まだ葉の出ていない木々の枝ぶりが印象的だったので、高コントラストを生かしたモノクロームに。細かな枝まで緻密に描写していますね。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/320秒 / ISO:400/ 使用機材:使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

最短撮影距離は0.87m。85mmレンズとほぼ変わらないワーキングディスタンスでレンズが使えるのが嬉しいですね。撮影倍率も85mmと比べると高いので、「寄りたくても寄れない」と感じることはありません。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F3.5/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

CarlZeiss Batis 135mm F2.8

私の中でツァイスレンズといえばマニュアル専用レンズの印象を強く持っている一人なのですが、この「Batisシリーズ」はAF対応レンズ。さらに光学手ブレ補正も搭載している最新レンズになります。すでに発売されている『Batis 85mm F1.8』にも光学手ブレ補正を採用していますが、より望遠である135mmへの恩恵は大きいですね、ファインダーを覗いても被写体がユラユラと揺れることなくピタリと止まった状態でシャッターを切ることができます。

また、F2ではなくF2.8の明るさで設計したことも◎。11群14枚という複雑な光学設計を持ちながら、『Milvus 135mm F2』が約1kg(ZE: 1015g / ZF.2: 958g)の重量に対し、この『Batis 135mm F2.8』は614gしかありません。しかもAFと光学手ブレ補正を採用しているのにです。絶対的な明るさを求めてレンズが巨大化するより、メインターゲットであるα7系ボディとのマッチングを考えれば、このサイズがベストバランス。『Batis 135mm F2.8』はミラーレス用ということをしっかりと考えて作られたレンズだなと感じました。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

街中でのスナップ。135mmは広さを見せる事が難しい分、被写体のメッセージ性を強調してくれる画角だと感じます。なかなか距離感が難しいですが、使いこなせば標準画角では撮る事のできない作品が生み出せるはずです。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F4/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

ショーウィンドーを撮影した一枚なのですが、ゾナーらしい濃厚な描写が素晴らしいですね。ピント面のシャープネスを見せるというより、コントラストで写真を作るレンズという印象です。個人的にオールドゾナー(Sonnar 5cm F1.5 / Contax C)を常用レンズで使用している身からすると、ゾナータイプに対する変わらないアイデンティティを感じているようで嬉しくなってしまいます。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

枝に止まるスズメを撮影した一枚。拡大して見るとふっくらとした羽毛をよく写し出しているのがわかります。この写真だと背景が少しざわついて見えますが、これは風で葉が揺れていたせいだと思います。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

高コントラストの中にあるしっかりとした階調表現は、黒の強さを見せるモノクローム表現にとてもよく合います。背景のボケ味もいいアクセントになっていますね。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:800/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

訪れた公園は八重桜が満開で多くの外国人旅行者が花見を楽しんでいました。この写真はその帰り道に撮影したカット。親子を写した何気ない写真なのですが、色の厚みを感じる一枚ですね。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200/ 使用機材:SONY α7RII + Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

撮影中に雨がパラパラと降ってきました。光が当たらない暗部から浮き出るように見える美しい花々。こってりとした色彩表現と滑らかで濃いボケ味はポートレートだけでなくネイチャーフォトにも良く合う描写です。

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

Carl Zeiss Batis 135mm F2.8

使用した事がないと、難しい画角のイメージのある135mm。しかし実際は85mmよりも使い方の幅を感じるレンズです。いつでもどこでも撮れる画角ではありませんが、撮影倍率が高い分、寄っても引いても撮影する事ができ、被写体の魅力を強く引き立ててくれます。

そして描写がなんといっても素晴らしい。“被写体の魅力を引き立てる”と言いましたが、多くのレンズの場合は被写界深度を上手に使い、シャープなピント面の線描写とボケの差を見せるのに対して、『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』はコントラストの面とボケ味という印象です。線で見せるレンズより画の印象が濃厚なんですよね、まるで油絵のような色の立体感を感じられるレンズです。とはいえ、ピント面を拡大すると解像感はかなりのもの。これはきっと画作りの違いとゾナータイプという事だからでしょう、開放付近はエッジが立つようなシャープさではなく、少し角の取れた柔らかさが感じられます。

『CarlZeiss Batis 135mm F2.8』は個人的にとても気に入った一本でした。なんというか“ツァイスレンズらしさ”をとても強く感じたレンズです。高コントラストで美しい発色と濃密で質量のある表現力。そんなひと昔前によく言われていた“ツァイスレンズらしさ”を体現しつつ、現代の光学設計によって描写の雑味を消し、よりその描写性が濃縮されたように感じます。

「ツァイスレンズの描写が好き」という方は是非使っていただきたいレンズですね。味が濃いですよ、このレンズは。(笑)

現代は様々なツァイスレンズがラインアップされていますが、その中でも印象の強い1本でした。

Photo by MAP CAMERA Staff



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