ニコンのミラーレス機『Z5』が2020年8月下旬に発売されます。ニコンにおいては今までポジションが空いていたフルサイズミラーレスのエントリー機が、満を持しての登場となります。キットレンズの『NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3』と合わせても約870gと軽量でありつつも、上位機種同様に堅牢なマグネシウム合金で妥協はありません。
使い勝手も良さそうです。273点ハイブリッドAFは画面の端の方までカバーしてくれます。Zシリーズ初となる「SDカードダブルスロット」は、カード1枚目から2枚目へと順番に記録し続けてもいいですし、1枚をバックアップ用にしたり、RAWとJPEGでカードを分けるなど、お好みに合わせて使用できます。バッテリーも新しくなってより長く撮影できるようになり、さらにUSB給電も可能という優れものです。
そんな『Z5』にキットレンズ『NIKKOR Z 24-50mm F4-6.3』を組み合わせて、街に撮影に出ました。なお、今回使用するのはプロトタイプ機ですので、製品版とは写りが異なる場合があります。ご了承ください。
ショーウインドーに飾られているデスクに地球儀が置いてありました。少しノスタルジックなデザインだったので、これは現代の地図が記された地球儀なのだろうかと見つめていたところ、麦わら帽子を被った人が通りかかったので、すかさずシャッターを切りました。帽子たったひとつで、どこか夏らしい写真となりました。
とある歴史のある奏楽堂の客席。かつて瀧廉太郎や山田耕筰など、そうそうたる顔ぶれがここで演奏したとか。荘厳な雰囲気で、耳を澄ますとピアノの音が聞こえてきそうです。窓ガラスは明治時代の手作りの品で、よく見ると波打っていたり気泡が入っていたりしており、味があります。
東京駅の前に、色とりどりの車が縦列駐車していました。上から見下ろすとミニカーのよう。どこか外国のような雰囲気もありますが、ガードレールは東京都の象徴であるイチョウの模様で、ここが日本であることを示しています。
雨上がりにピンクのバラが1輪咲いていました。雨のしずくは残っていなくても、どこかしっとりした雰囲気が写真からも伝わるから不思議です。バラは本数によって花言葉が異なり、1本の場合は「一目ぼれ」「あなたしかいない」という意味があるそうです。
かつて使われていた地下鉄の駅の扉です。鉄道施設としては初めて「東京都選定歴史的建造物」に選定されました。扉は固く閉ざされていて、中は非公開。表面にはよく見るとアーティスティックな装飾が施されており、色合いも相まって素敵な仕上がりになっています。
まるで鏡のように磨かれたガラスに天井の景色が映し出され、美しい白い世界が線対称に広がります。画面の端まで高画質で、世界観を余すところなく伝えてくれて、これが本当にエントリー機なのかと驚きます。
今日のランチは見た目にも美しい、さまざまなデリが乗ったプレート。ポテトサラダとゆで卵はビーツで赤く色付いています。スープはキタアカリというじゃがいもを使用し、サラサラにしすぎず質感が残っているのがよかったです。いただくととても幸せな気持ちになりました。『Z5』ならテーブルフォトもお手の物。無音で周囲の目を気にすることなく美味しそうに撮ることができます。
軽快なフルサイズ
なんといっても軽快。単に重量が軽いだけでなく、動作の軽さが心地よいのです。エントリー機ということで、多少もたつくのではと想像するかもしれませんが、その心配は杞憂に終わるでしょう。キットレンズの『NIKKOR Z 24-50mm F4-6.3』は沈胴式の小型軽量レンズで描写に癖がなく、ベストな組み合わせです。『Z5』が採用したニコンFXフォーマットCMOSセンサーは、高解像と高感度性能のバランスに優れ、周辺部においても素晴らしい描写性能を誇ります。「SDカードダブルスロット」も嬉しい仕様です。SDカードは汎用性が高いだけでなく比較的安価なので、エントリー機にピッタリなメディアではないでしょうか。その点においてもフルサイズデビューにおすすめできる機種です。
『Z5』はどこへでも連れて歩きたくなる快適さがあります。携帯時、撮影時、PCやプリントで写真の仕上がりを確認する時、いつでも気持ちいい。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff