Canon EOS-1DXの登場でNikonとCanonのフラッグシップ対決が益々盛り上がってきました。前回のレポートではEOS-1DXの夜間撮影の凄さをお伝えしましたので、今回は「Nikon D4」で負けず劣らずの高感度撮影での写真をご覧頂こうと思います。
改めて驚くのは暗闇ででもスムーズに反応する優れたAF性能です。低照度環境にも強くなった新しいAFシステムは一瞬しか光らない水面に浮かぶ信号灯にも即座に合焦。僅かな光でもしっかりピントを合わせてくれます。
クレーンのワイヤーや照明灯のコントラストなど細かい箇所までしっかり描写しています。1210万画素のD700を愛用していた筆者ですが僅か610万画素の違いでここまで解像力が上がるのかというのが素直な感想です。
常用感度は12800までと他と比べると少し控えめな設定になっていますが、拡張で204800まで可能なスペックは十分余裕があります。ファーストインプレッションでは日中の撮影だったため、その凄さがよく分かりませんでしたが、今回改めて優れたノイズ軽減効果が実感できました。
拡張域から感度を上げるにつれ画像に少しザラッとした印象が増えていきますが、嫌な色が乗る感じはなく高品位な画質を保っています。肉眼では捉えにくかったものもしっかり描写しており、撮影時には気づかなかった新たな発見が楽しめます。
今回は東京湾を周遊する船の上から撮影を行いました。船が沖に進むにつれ周囲の明かりも少なくなりAFの精度も少し物足りなくなってきます。それでも、モードをライブビューモードに切り替えコントラストAFにシフトすると多少スピードは遅くなるもののしっかりピントを探してくれました。単に動画や難しいアングル用と考えていたライブビューですが、AF機能の特性を知って切り替えるとさらに応用の範囲が広がりそうです。
羽田沖までくると上空を航空機が飛び交います。暗闇で動体撮影はさすがに厳しいだろうと思いましたが、素早いAFが即座に反応し、頭上を横断する飛行機を最後まで捕捉し続けました。被写体への食いつきが良いとは聞いていましたが、これほどまでとは思いませんでした。食いつくというよりは、噛みついたら放さないといった感じです。
周囲の明かりを自然に取り込む優れた高感度撮影は、ストロボ撮影では得られなかった見たままの夜景を切り取ってくれます。そしてその背景には優れたAF性能やライブビューなど、他の機能が上手く作用した使い勝手の良さがありました。D4は単に画素だけを追求するのではなく、高品位な写真をバランス良く追求した完成度の高いカメラだと感じました。
・Nikon D4 ファーストインプレッションは > こちら
・Nikon D4 VS D800 撮り比べレポートは > こちら
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D4 +AF-S 24-70mm F2.8G ED +AF-S 70-200mm F2.8G ED VRII