『FUJIFILM フジノン XF60mm F2.4 R Macro』はコンパクトな中望遠レンズです。焦点距離60mmは35mm換算で91mm相当。最短撮影距離26.7cmのハーフマクロで、特に静物撮影やポートレート撮影において卓越した描写力を発揮します。被写体のディテールや質感の描写性能に優れ、Xシリーズの中で最高レベルのシャープネスを実現。またF2.4という大口径から繰り出される美しいボケ味も魅力です。ハーフマクロレンズとして、また中望遠レンズとしてどのような写真を撮ることができるのかをぜひご覧ください。
公園に咲く色とりどりの花を眺めていて、まん丸とした愛らしい蕾を見つけました。当然ながら蕾は咲いている花より小さく、マクロレンズでないとこう大きくは写せません。白い毛のようなものはトライコームといって、その植物により棘のように硬かったり産毛のように柔らかかったりと形状は様々なのですが、このトライコームはふわふわとしており撫でたくなってしまいます。そんな発見があるのもマクロレンズならではです。
パンダまんをひとつ注文すると、店員さんが大きなせいろから取り出してくれました。冬なのでせいろを開けると湯気が立ちのぼります。白煙の演出付きで仰々しく登場したのが可愛いパンダまんというのがなんだか可笑しくて、食べる前から癒やされます。
製紙工場の煙突が煙をモクモクと吐き、ずっと奥には連なる雪山がよく見えます。こうして高いところから見渡すと、いつもと違う場所にいることを改めて実感します。煙と雪は色自体は似ているのに質感が全く異なりますが、それがうまく表現できています。
同じ街の景色でもこちらはミニチュアの街です。ピントを合わせたのは青いバスの模型です。去年から横浜を走るようになったベイサイドブルーという名前の市営バスで、特徴は2つの車両が繋がっている連節バスであること。何度か乗ったり近くで見たりしましたが、角を曲がるときに迫力があり、横浜の街の新たな名物になっています。
古い町並みにある郵便局だった建物。大正10年の電信・電話の開始を記念し建てられたそうです。大正10年は1921年ですからちょうど100年前です。普段はあまり意識する機会がありませんが、こうして当時のものがそのまま残っているのを見ると、時代というのは繋がっているのだなあと改めて実感します。
同じ島にある丸形のポスト。懐かしい感じがしますが、こちらは現役です。夕陽に照らされてますます赤くなっていました。
卵の黄身のような太陽が沈みます。それをじっと見ている方がいました。筆者なら思わず夕陽にカメラを向けてしまうところですが、見つめるだけ。カメラから手を離してじっくり味わうのもたまにはよいかもしれないと思い、この写真を撮ったあとは太陽が沈み切るまで眺めていました。贅沢な時間の使い方です。
青いシャンデリアの中にある金属の板に光が反射していました。どういう理屈かはわかりませんが虹色になっていて、それがとても綺麗だったのでピントを合わせシャッターを切りました。色を写した幻想的な一枚です。
中華街の公園に中国の春節に合わせて豪華なランタンが飾られていました。ランタンといっても照明器具らしい形をしておらず、この写真のランタンも高さが5m以上あります。西遊記で三蔵法師一行が目指した霊山にある雷音寺というお寺がモチーフです。ランタンであっても広義では仏像。仏像が光ることにより温かみを感じ、なんだか有り難い気持ちになりました。
シャープな描写の中望遠マクロ
画面周辺までシャープであることと、開放F値2.4から得られる大きなボケが魅力だと感じました。質感の描写が得意で、シリーズ最高レベルと謳われる解像力も相まって目で見たものをそのまま写真に残せました。マクロレンズではありますが、遠景を写すレンズとしても優秀でした。遠景でも質感の描写がよかったからです。2〜3本持ち歩きたいと思ったときに苦にならないサイズ感と重さもポイントで、こういう持ち運び方をしてどんな写真を撮りたいというビジョンを思い描きやすかったです。ぜひ手にとって撮影に持ち出す計画を立ててほしい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff