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968:帰ってきた最高峰『Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z-Mount』

968:帰ってきた最高峰『Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z-Mount』

2024年11月10日

絞り:F2 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

今回は2022年に発売された「Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical Z-Mount」のリニューアル、『Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z-Mount』をご紹介いたします。今回のリニューアルはユーザーからのアポランターシリーズのデザイン変更の要望があったことから、レンズ性能はそのままに他のモデルとデザインを統一したとのこと。具体的には絞りや深度目盛りの色入れやフォーカスローレットのデザイン変更など行い、よりニコンZマウントのカメラに合うデザインに変更されました。ねじ込み式だったフードをバヨネット式に変更したことでリバース装着が可能になり、よりコンパクトに収納することが出来るようになったのも嬉しい変更点です。今回のモデルではフィルターサイズが52mmから58mmに変更されておりますので、前モデルからお買い替えの際にはフィルターのご用意もお忘れなく。Exif情報、ボディ内手ブレ補正、3種類のピント合わせサポート機能にももちろん対応。絞り開放以外でも部分的に完全円形になる12枚絞りも変わらずです。フォクトレンダー史上最高性能の標準レンズがまたZマウントに戻ってきてくれて嬉しい限り。今回は「Z8」に装着して撮影を行ってきました。ぜひご覧ください。

普段使いのレンズはマニュアルフォーカスレンズだったり、オートフォーカスがあってもマニュアルで撮る人間なのですが、アポランターを触るたびにフォーカスリングの滑らかさにニヤついてしまいます。Z8の視認しやすいファインダーとの組み合わせがまた最高で、目の前の瞬間を切り取ろうと集中力が研ぎ澄まされていく感覚がたまりません。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/40秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

多彩な色使いで描かれたパンダの画、よく見たらフラミンゴやペンギンまでいました。厚塗りのわずかな凹凸や色の濃淡も忠実に描写されており、アポランターの底力を感じます。指かかりの良いピントリングと程よいトルクのおかげでピント合わせもスムーズ。マニュアルフォーカスのレンズでもサッと撮れる扱いやすさのおかげで人通りの多い通路でも流れを妨げることなく撮影できました。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

開放絞りの周辺減光はこのレンズにとっては「味」みたいなもので個人的には受け入れてしまうのですが、F2.8に絞れば周辺部が明るくなり印象も変わります。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:400 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

ピントの芯を掴む写りにはいつも惚れ惚れさせられっぱなしで、撮影者がファインダーの中で何を見て、何を撮りたいのかを受け止めてくれるので何度撮っても感動してしまいます。
 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

窓から入る光による白いレースカーテンから室内の光が当たらないところまでのグレースケール。立体感を得にくい室内の壁面やカーテンの模様までしっかり描かれています。モノクロで見る『Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z』の写りもまた素晴らしいです。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:500 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

様々な装飾が施された唐門。画像を拡大するとその場では気づかなかった細かな模様までしっかり見てとれます。有効画素数 4751万画素のカメラ性能を存分に引き出してくれている好相性ぶりを感じます。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

厄除けのご利益があると言われている風鈴の音色。その涼しげな音はようやく涼しくなった季節をさらに進めてしまうかのようです。そんな薄寒さを感じた温度感もしっかり捉えてくれました。透明度の高いガラス風鈴ですが、絞り開放でも境界線がしっかり描かれておりアポクロマートレンズらしいキレの良さを感じさせます。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:500 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

かなり日も落ちて暗く、普段なら撮影を諦めてしまうような場面。アポランターであるということに一縷の望みをかけ撮影してみたのですが主役として中央に配置した菊の立体感が素晴らしく、こう写ってくれたら嬉しいという筆者の願いを叶えてくれました。どんな時でも期待に応えてくれるという安心感に頼もしさを感じます。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:Nikon Z8 + Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z

 

 

 


 

帰ってきた最高峰

レンズというのは一本一本に味わいがあり、個性があり、楽しみがあります。ニコンZマウントにも素晴らしい標準レンズはありますが、『Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II Z』で得られる感動というのはまた別物。そう考えるとレンズというのは一本一本がそれぞれの写りを楽しむ一つの山のようなものかもしれません。だからこそフォクトレンダー最高峰の標準レンズへの入山がまた再開されたということは非常に喜ばしいことです。まだ登ったことがなかったという方も、もう登頂したという方も改めて訪れてみてはいかがでしょうか。きっと何度でも絶景で応えてくれるはずです。なぜならレンズがとてもいいのですから。

 
Photo by MAP CAMERA Staff
 

 

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