781: “リアル”をコレクションしたくなる『FUJIFILM フジノン GF30mm F3.5 R WR』
2022年07月26日
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
『FUJIFILM フジノン GF30mm F3.5 R WR』をご紹介します。富士フイルムのラージフォーマットセンサー対応で、焦点距離は35mm換算24mm相当となる広角単焦点レンズです。使う前はこのレンズに相応しい撮影は、ここぞという特別なシーンにじっくり向き合って高画質で撮るというものだと思っていました。しかしながら実際に使ってみると、日常からすべてのものをこのレンズで撮りたくなるような感覚に襲われたのです。異次元と言えるほどの解像感は言わずもがな、スムーズすぎて動作を感じさせないAFも、性能の割に小型軽量であることも、すべてが快適だったのです。防塵・防滴機構付きで、マイナス10度までの低温耐性もあります。そんな新しい世界へいざなってくれる当レンズを『FUJIFILM GFX 50S II』にあわせて撮影してきましたので、フォトプレビューをどうぞご覧ください。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
螺旋階段はなんとも魅力的な被写体です。階段に囲まれた部分に吸い込まれるような感覚に襲われます。こちらは屋外の螺旋階段だったので、下に潜って見上げてみるとトンネルを抜けた先に空が見えました。次は夜に星景写真を撮りに来ようと思います。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
まるで乾物屋さんの店先のように見えるかもしれませんが、インテリアの素材です。いくつか組み合わせて透明の瓶に入れたりして、ドライフラワーのように飾るアイテムです。センスが問われますからどれがいいかしらと迷ってしまうことでしょう。店のランプとガラス窓からの外光が入り混じり、程よいミックス光が素材を照らします。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
本の背表紙の文字が金の箔押しになっており、日差しをピカッと反射させています。角度によっては光が鈍くなるので、一番派手に反射している箇所を探りながらシャッターを切ります。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
夕方近くになり日が傾いてきました。モダンな建物の中に斜めの光が入り、背の高い窓枠が一定間隔の長い影を並べます。この時間でも外はまだまだ暑く、でもそれを冷房の効いた室内から眺めている雰囲気が出ているように思います。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
そろそろいい光になっているのではないかと屋上に出てみると、ビンゴでした。木々が壁に切り絵のように模様を作っています。早くこの道を抜けてその先にある景色を堪能したいと逸る気持ちを抑えつつ、まずはこの場所から撮影。奥行きのある道がバランスよく見えて、且つ、光芒が出るいい隙間のある撮影位置から風景を切り取ります。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
視界が開け、遠方の山々まで見渡せる場所に来ました。太陽そのものではなく、オレンジに色付いた夕陽を受ける人を主役に据えます。どうやらここは夕焼けを見る隠れスポットだったらしく、太陽が落ちきるまで空を堪能する人が点在していました。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
太陽が山の向こうに落ちたあとは、カラフルな瓶が飾られたおしゃれなバーに入ります。店内からもほぼ同じ景色が見えることがわかり、それなら次は涼しい店内で夕陽を眺めようと予定を立てます。
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF30mm F3.5 R WR
昼間通ったときはピンと来なかった透明のケースに入った自転車のオブジェが、夜になると光っていました。カラフルなネオン管のようなもので縁取られていて、その光がケースに反射している様もいい感じです。夕陽の残り香を感じる空を背景にしたら、どこか近未来の風景にも見え、この自転車で空へ飛んでいけるのではと妄想しました。
“リアル”をコレクションしたくなる
『FUJIFILM フジノン GF30mm F3.5 R WR』で得られる写真は非常に”リアル”です。もし自室の壁いっぱいに写真を引き伸ばしたならば、つい作品の中に入りたくなって手を伸ばすことでしょう。そんな”リアル”をコレクションしたくなる魅惑のレンズだと言えます。メーカーは「精細に写せるレンズによってのみ得られるリアルさは何にも代え難い」と語ります。今回の撮影でそれを体感し、創作意欲を掻き立てられました。高性能な単焦点レンズにしては重量は軽いこともあり、ボディにつけっぱなしにしてどこまでどこまでも歩み進んで行きたくなりました。日常でも特別な旅でも、このレンズが一緒なら”リアル”を集められる。そんな揺るぎない確信をもってして、おすすめしたいレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff