フジフイルムのXFレンズシリーズに『FUJIFILM フジノン XF 18mm F1.4 R LM WR』が加わります。18mmは35mm換算で27mm相当で、人が両目で見たときの視野角に最も近いとされる自然な画角です。「XF 18mm」はこれまでF2のパンケーキレンズがありましたが、今回はF1.4と更に大口径となりました。それにより広角レンズでは難しいとされる背景ボケを難なく作ったり、より暗い場所での撮影も可能になりました。最短撮影距離が20cmと短く、軽量コンパクトで携帯性に優れ、防塵・防滴構造なのも特長です。XFレンズの中でも最高の画質であるとの呼び声も高く、解像度が高くシャープな画が得られます。AFは俊敏でその作動音は極めて静か。さまざまなシーンで活躍が期待できます。そんな当レンズを『FUJIFILM X-T4』と組み合わせて、雨に濡れる地元で撮影してきました。
鏡越しにカーネーションと目が合いドキッとしました。机に小さな鏡が寝かせてあり、その上に美しいガラスの瓶が置いてあり、その鏡にカーネーションが映り込んでいる様子を撮影したものです。瓶に隠されて鏡が見えるのはわずかな隙間です。そこに意図しない美しいものが映っていたのですから何ともラッキーな感じがしました。開放F値1.4で撮ると瓶は溶けてなくなり、瓶に反射する光だけがキラキラと残る不思議な写真になりました。
雨でもたっぷりと光が入る天井を背景に、真新しい銀の缶がヴィンテージの馬を引き立てています。ピントが合った箇所の質感描写が素晴らしいです。馬や上から垂れる葉を見るとわかりやすいのですが、手触りまでありありと想像できます。
子どもの頃、隠れ家のような場所が大好きでした。こちらは隠れられるだけでなくさらにすべり台までついていて夢のようです。晴れた休日には賑わうであろうこの遊び場も、雨の中静まり返っています。このような雨の中の撮影でも、防塵・防滴構造なので安心です。
サボテン、窓ガラスへの映り込み、窓枠に這うLEDライト、窓辺の植木鉢など、魅力的な要素が詰まったこの景色。何を主役にするか悩み、結局サボテンのトゲを選びました。大きなサボテンですからトゲも立派です。シャープに写ったトゲと、滑らかにボケていく背景が自然で美しいです。
カフェの天井からたくさんのドライフラワーが下がっています。飾るドライフラワーを選ぶ際、発色の良いものをチョイスすることが多いように思いますが、こちらは落ち着いた茶系の色合いのもので揃えられており、その色の統一感からまとまりを感じます。床に置かれた生きている植物との対比が面白いです。
乾燥したヒトデが無造作に置いてありました。ヒトデは形がユニークですから鑑賞目的の可能性もありますが、もしかしたら別の目的があって用意されたのかもしれません。ヒトデには害虫や害獣から畑を守ってくれる効果があると聞いたことがあります。海の生きものなのに畑で役立つなんて不思議です。
なんとも可愛らしい草屋根です。芝生が敷かれたシンプルなものは見たことがありましたが、こちらはサボテンなどの多肉植物がふんだんに使われており、まるで絵本の中の世界のようです。森を歩いていて視界が開けたと思ったらこんなルーフガーデンの小屋が目に飛び込んできた!などと素敵な想像を思わずしてしまいました。
愛らしい鳥のオブジェが目に入り、赤レンガ倉庫をバックに横浜らしい一枚を撮りました。オレンジのくちばしに黒のワンポイントが付いているということは、恐らくユリカモメなのだと思います。いわゆる普通のカモメはくちばしが黄色いのです。そしてカモメによく似ているけれど目つきが鋭いのはウミネコ。撮影していると色々な知識が自然と身に付くので楽しいというのは、筆者が周囲に趣味としてカメラを勧める際の常套句でもあります。
時節柄、ドアが開いているのをよく見かけます。中を覗き見ることはありませんが、向こう側がよく見えない分ちょっぴり気になる存在です。そんなミステリアスな半開きのドアを景色の主役に据えたくて、あえて建物の中心ではなくドアを中心とする構図を選びました。
実用的、実力派。
画質と携帯性の両方を求めるのは難しいことです。そんな中『FUJIFILM フジノン XF 18mm F1.4 R LM WR』はどちらも諦める必要がないことを示しました。肉眼を超えんとする解像感とコンパクトネスの両立は撮影意欲を掻き立ててくれます。それが撮影において最も大事なことのひとつだという考えもあり、その意味で当レンズの登場は多くの方に使ってほしい一本です。撮影シーンを選ばないのも魅力です。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff