ハッセルブラッド Xシステムレンズだけでなく中判システムのレンズの中でも最小・最軽量レベル『HASSELBLAD XCD 28mm F4 P』をご紹介いたします。焦点距離22mm相当(35mm換算)の本レンズは重量わずか245g、長さ43.5mmのコンパクト設計。自然風景や都市部のストリートや建築物など、様々な印象的なシーンを捉えるのにも最適です。これでフルサイズミラーレスカメラのシステムよりも軽くてコンパクトというのは衝撃的。最短撮影距離も22cmと短く、クローズアップやテーブルフォトにも活躍が期待できるレンズです。実際に装着して肩からかけてみると、これで一億画素の中判カメラなの?とその気軽さに戸惑うほど。短い撮影時間ではありますが撮影してまいりました。ぜひフォトプレビューをご覧ください。
冒頭の一枚のみリサイズなしの写真をアップロードしていますのでぜひクリックしてご覧ください。レンズと被写体の間に不要なものが一切ないような、とてもクリアな描写と解像力。こんな圧倒的な画がサクっと撮れてしまうことに感動しました。
モノクロにするとトーングラデーションの豊かさを改めて実感します。オートフォーカスも動体に強いカメラと比較すれば「とても早い」とはいきませんが、日常で見つけるスナップショットなら問題なく正確にスッと狙ってくれます。この時も割とアタフタしながら撮影したのですがバッチリ決まってくれました。もともと素早い動体を撮りたくて選ぶカメラというわけでもないと思いますし、「撮りたい」と思った瞬間を撮れるだけのレスポンスがしっかりあるのは嬉しいです。
派手な発色にならずに品のある「赤」色を出してくれました。手すりの光沢感も艶があって、特に踊り場の曲線の光の当たり方がとても良く好きな写りです。
まさに「真に迫る」といいましょうか。窓からの鈍い光で照らされた床のリアリティある描写。木目の細い一本一本まで繊細に描き切っています。一億画素を有する『HASSELBLAD X2D 100C』の性能を十分に引き出してくれるレンズだと思いました。
撮影したときは「画角の広さ」に感動したのですが、改めて見ると「超広角」であることを意識させません。
金具が「接着」していることをとてもリアルに描いてくれているなと感じました。完全に密着せずに少しだけ浮いている部分の影や光を反射した飾金具の「金属」としての光沢感。「描写」の密度が非常に濃いような気がします。
色の鮮やかさに目を奪われますが、周りもよく見てみると細部までよく解像しているのが分かります。「光が射し込んでいる空間」をドラマティックに写してくれました。とっさに撮った瞬間をストレスなく捉えてくれます。
最短撮影距離まで寄ってみました。広角レンズでF4開放だとボケ量はあまり出ないかなと思いつつ撮ってみたのですが予想を上回るボケ量と綺麗な丸ボケに驚きました。ピント面もザラっとした質感をしっかり描写してくれています。これだけ良く写るなら積極的に寄りも使っていきたくなります。
陽が入り込まない場所での撮影。条件的に良くないシチュエーションですがそんなことはお構いなしです。ピントの合った葉脈の描きこみが素晴らしく思います。
山陰に沈んでいく陽。綺麗な光芒とハレーションです。鋭い光も柔らかい光も巧みに描写します。雲の輪郭をきれいに描く美しい夕暮れ時でした。
軽快、精細、最適解。
1億画素のカメラを持っているとは思えない軽快さ。これだけコンパクトな造りのレンズが描く精細な画。ストリートスナップに持ち出すレンズとしてまさに正解、最適解。コストパフォーマンス、画質ともに優れた『XCD 45mm F4 P』も魅力的ですが、この超広角の画角をここまで手軽に携帯できる『XCD 28mm F4 P』は素晴らしいと思いました。ビルとビルの間に射し込む光を使ったスナップなど、その場その場での発見や思い付きが画になるというのも超広角の画角らしい楽しみ方です。一枚一枚のデータ量がとても豊富なので等倍鑑賞したときの描きこみの細かさには感動させられっぱなしでした。鋭い光も柔らかい光もありのままに描写する『XCD 28mm F4 P』。ぜひ使ってみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff