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819:Zに寄り添う究極のマクロレンズ『Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical (Z-Mount)』

819:Zに寄り添う究極のマクロレンズ『Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical (Z-Mount)』

2022年11月24日

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

フォクトレンダーのレンズの中でも、特に高性能なレンズにのみ与えられる「APO-LANTHAR」の称号。幾多の撮影者の心を掴み、素晴らしい作品を紡いできたシリーズと言えるでしょう。その中でも、特に人気の高いレンズが「Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount」です。2017年に登場したソニーEマウント用のレンズで、その見事な描写は後のアポランターシリーズの期待感を高めるものでした。

そして今回、満を持して紹介するのはそのZマウント版。『Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical (Z-Mount)』のKasyapaをお送りします。光の3原色を構成するRGBの軸上色収差を限りなくゼロに近づける「アポクロマート設計」が施された本レンズ。カラーフィルム時代の技術でありながら、高解像なデジタルセンサーが主流となっている今でも見逃せないものとなっています。50mm、35mmに次いで登場した65mm MACROは、ニコンと出逢いどのような化学反応を起こすのでしょうか。フラッグシップモデル『Nikon Z9』との組み合わせで早速撮影してきましたので、その写真をご覧ください。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

カメラを携え、まずはストリートスナップを試します。マニュアルフォーカスのレンズではありますが、絞りリング・フォーカスリングの動きが非常に滑らかでサクサクと撮っていくことが出来ます。大きなビルが乱立する東京の中心地、上京してきたころはその高さに上ばかり見上げていましたが、このレンズを持つとそのビルが地面に落とすこってりとしたシャドウに目が行ってしまいます。影と光の関係を面白く観察しながら撮った一枚です。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

垂れ下がる枝葉を挟んで、太陽とにらみ合い。秋から冬へ季節は移ろいを見せていて、それでもこの日は降り注ぐ太陽が優しい暖かさを与えてくれた日でした。お手本のような逆光のシチュエーションですが、絞り開放ながら葉脈が見えるほどしっかり解像しています。また、フリンジが出てしまいがちな撮り方ですがまったく出ていません。さすがアポランター、と静かに頷きました。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

さらなる被写体を求めて歩いていると、鮮やかな黄色いお花に目を奪われました。とは言うものの、そこまで沢山咲いている訳ではなかったので寄りで大きく切り取ってみました。最短撮影距離での一枚、ピントが合っている部分の繊細さと大きなボケ味のギャップがたまりません。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

苔むした石橋を見かけ、どう撮ろうかファインダーを覗きながら画角を工夫します。手前の柱にピントを合わせると、その部分だけが浮かび上がっているかのような立体的な表現に。前ボケ・後ボケにそのままスーッと繋がっていって見飽きることのない描写です。このレンズの奥深さを垣間見た一枚です。また『Nikon Z9』の見事な電子ビューファインダーが撮影を支え、マニュアルでも労せず撮影を愉しむことが出来る点にも注目です。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

「あ、なんだかいい光景だな」という感動が、手よりも先に心を動かし、脊髄反射で撮っていたワンカット。絞り開放で現れる周辺減光が美味しい調味料となって、この場の雰囲気を引き立てています。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

噴水越しに見る夕日の美しさに見惚れ、数分ほど撮影を忘れてしまいました。我に返ってカメラを構え、どんな風に撮影しようか考えを巡らせます。絞りによって表情を変える『Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical』、やはり開放がレンズの味を一番見ることが出来ますが、少し絞り込むことで開放から見事だった解像感がより研ぎ澄まされていく所も個人的には大変好ましいです。

 

絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:320 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

 

絞り:F11 / シャッタースピード:5秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z9 + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

 

光が流れる東京の夜。手がかじかんで、足取りが重くても、この景色を「自分で撮りたい」という感情がモチベーションを回復させてくれます。F11まで絞り込んだことで街頭や車のヘッドライトに美しい光条を見ることも出来ました。

 

Zに寄り添う究極のマクロレンズ

一日の撮影を終えた時、写真を確認することを心待ちにしている自分がいました。スナップ撮影中もシャッターを切る手が止まらず「もっといい一枚を」と写欲が高まっているのを自分でも感じるほどでした。標準と言われる50mm付近から、ちょっと望遠に伸びた65mm。使うほどに好きになり、またその描写力・表現力の高さから「自分にしか撮れない一枚」を一緒に追い求めたくなるようなレンズでした。Nikon Zシリーズとの組み合わせで魅せる新たなアポランターの可能性。ぜひ、たくさんの方に一度は触れていただきたいです。

Photo by MAP CAMERA Staff

 

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