『FUJIFILM X-T5』 4K実写レビュー
2022年11月24日
CP+2023FUJIFILMX Series 5th GenerationX Series 5th videoYouTubeミラーレス動画ミラーレス動画 フジフイルムX / GFX編動画撮影
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
2022年11月25日に発売となった『FUJIFILM X-T5』。本機は約2年半前に発売された、『X-T4』の後継機種になります。近年のFUJIFILMは動画機能にも力を入れており、前モデルからの大きな変更点として、第五世代「X-Tran CMOS 5 HR」センサーと「X-Processor 5」に刷新されたことで、6.2K/30P 4:2:2 10bitのカメラ内カード記録に対応。『X-T4』に搭載されていた「F-Log」に加えて「F-Log2」にも対応したことで、より広いダイナミックレンジでの撮影も可能となりました。
また、ボディ内手ブレ補正機能も最大7.0段、『X-T4』の6.5段を上回っており、Vlogや旅行などさまざまなシーンを手持ちで動画撮影することができそうです。さらに、HDMI経由での動画RAW出力が追加されるなど、様々な面において動画性能が確実な進化を遂げた『X-T5』。気になる描写や使い勝手などを確かめるべく、実機をもってテストに繰り出してみました。まずは映像作品をどうぞご覧ください。
MOVIE
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
冒頭の花のカットは室内+定常光LEDライトで撮影しました。『X-H2』の血筋を受け継ぐ高画素機『X-T5』とマクロレンズ『フジノン XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro』の組み合わせは驚くほど高精細な世界を見せてくれました。またフィルムシミュレーションは「ASTIA」を採用。水滴のついた花々を色鮮やかに表現してくれました。チルト式モニターはミニ三脚やローアングルでの撮影時にとても扱いやすかったです。
今回は「ETERNA シネマ」をベースに複数のフィルムシミュレーションも使用して撮影しました。参考になれば幸いです。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
撮影当日。雨予報が当たりどうしようかと悩んでいましたが、午後から晴れ間が出てきてくれたおかげで雨上がりのキラキラとした世界を撮ることが出来ました。ミニ三脚を使ってローアングルから『フジノン XF16mm F1.4 R WR』と撮影。ボディレンズが小型軽量なおかげで手振れ補正を切った状態でも微ブレを起こさずに撮影できました。光陰差がある状況だったのでフィルムシミュレーションは「ETERNA シネマ」を採用。『フジノン XF16mm F1.4 R WR』の発色がとても良く、後調整はほんの僅かだけでこの色が出てくれました。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF56mm F1.2 R WR
中望遠レンズとして同じく新世代の『フジノン XF56mm F1.2 R WR』を使用。開放絞りからピントのキレが非常に良いレンズですが、動画においてもその解像力と表現力を発揮をしてくれました。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF30mm F2.8 R LM WR MACRO
『X-T5』と同時発売される『フジノンXF30mm F2.8 R LM WR MACRO』で落ち葉を撮影。水滴に閉じ込められた砂粒や葉脈もしっかりと解像しています。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
鮮やかに色づき、落ち葉まで美しい紅葉。見たままの鮮やかさを伝えたくてフィルムシミュレーション『Velvia』を採用。動画ではタイミング良くハラハラと紅葉が舞ってくれました。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
フィルムシミュレーション『ETERNA シネマ』から『Velvia』へ。設定は全く同じままでこれだけコントラストや彩度の違いが現れます。
編集の余地が欲しい場合はやはり『ETERNA シネマ』のほうが使いやすいです。しかし『Velvia』撮って出しの鮮やかな色を再現しようとするのは非常に難しいので、どちらを使おうかという贅沢かつ悩ましい問題です。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
羽休み中のサギを望遠ズーム『フジノン XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR』で撮影しました。日が傾き出した午後の逆光シーンだったのでフィルムシミュレーションを「ETERNA シネマ」に変更。水面の白飛びを極力抑えつつ、シャドウが濃くなったサギは編集でノイズが混じることもなく持ち上げることが出来ました。「ETERNA シネマ」の動画においての汎用性の高さは素晴らしいの一言に尽きます。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
単焦点レンズかと見間違うほどの『フジノン XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR』のボケの豊かさと表現力。高解像モデルの『X-T5』だからこそ組み合わせてみてほしいレンズです。サイズも重量も三脚に乗せて撮影するうえでとても良いバランスでもありました。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF56mm F1.2 R WR
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
夜間のライトアップなどの撮影ではフリッカーが発生します。今回も昼の設定のまま撮影するとやはりフリッカーが発生しましたが「フリッカーレスS.S設定」を使用することで抑えることが出来ました。照明などがあるシーンでの撮影ではこの設定を覚えておけばとても役立つと思います。ぜひご活用ください。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
手持ちで構図を固定して撮影する際には「ブレ防止モードブースト」を使用しました。ボディ内手ブレ補正機能も最大7.0段になった『X-T5』。しっかりと息を止めて挑めば体幹のない筆者でも数秒の間ほぼブレることなく静止させることが出来ました。
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF16mm F1.4 R WR
使用機材:FUJIFILM X-T5 + フジノン XF56mm F1.2 R WR
今回はオーバーサンプリングによる「4K HQ」を採用しました。6.2K記録よりもやや画角が狭くなりますが高品質な4K動画を撮影することが出来ました。『X-T5』を求めるユーザーは「写真」を主体にしているユーザーが多いと思いますが、これほど気軽に高画質な動画を撮ることが出来るのでぜひ動画機としても使っていただきたいです。
妥協なき動画性能
『X-T5』の大きな特徴としては、ボディ上面のダイヤルを駆使する「3ダイヤルオペレーション」を搭載している点。動画撮影においても、直感的な撮影が可能となるので今回の撮影でも大いに活躍してくれました。写真同様に動画も撮影スタイルが多様化する中『X-H2』『X-H2S』のような現代的なボディを採用する機種だけでなく、より写真機らしい操作感の可能となる『X-T5』もラインナップしてくれることは大変嬉しく思います。
筆者自身も写真撮影を長く経験してきたので『X-T5』での動画撮影は写真を撮るようにスナップ感覚で手軽に楽しむ事が出来ました。2022年はXマウント10周年。この記念すべき年の最後を締めくくる一台となった『X-T5』は動画ユーザーにも使ってほしい一台となっています。
Movie by MAP CAMERA Staff