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645:『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』

2020年12月11日

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

ニコンが提案する新たなレンズシステム「Zマウント」。その理想の一つに優れた光学系の大口径レンズをAF駆動させる目的があったのだろうと思います。一眼レフの歴史と共に歩んできたFマウントはカメラやレンズの電子制御化で大きな後玉のAFレンズが採用できなかったと以前聞いたことがありました。しかし、新たなZマウントで設計された新レンズはショートフランジバックと大口径マウントの恩恵をフルに生かし、驚くほど高性能なレンズを続々と登場させています。そして今回ご紹介するのもその一本、ニコン初のF1.2AFレンズ『Nikon (ニコン) NIKKOR Z 50mm F1.2 S』です。

15群17枚で構成される複雑な光学系は、貼り合わせレンズの多いライバルの50mm F1.2とは明らかに設計思想が違うなという印象を受けます。50mmの標準レンズとしては少し大柄で長い印象の本レンズは、どこか『Nikon (ニコン) NIKKOR Z 58mm F0.95 S Noct』の雰囲気を感じる佇まい。これは良いレンズの予感がします。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

撮影してまず感じた、というより衝撃を受けたという表現が正しいかもしれません。解像度の高さ、ボケ味の美しさはもちろんですが、透明感と立体感が今までのレンズと何かが違うのです。ニコンファンからするとコーティングという話になりそうですが、それだけじゃない気がします。おそらくですが、コーティングに加えてショートフランジバックの設計とイメージセンサー前のカバーガラスの厚み(薄さ)が寄与しているのではないかなと思いました。

レンズの話をする際に「クリアな描写」と表現したりするのですが、それで言うなら本レンズは「超クリアな描写」。ちょっと俗っぽい表現になってしまいますが、流石ニッコールレンズと思わせる素晴らしい描写です。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

絞り:F1.2/ シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

海、カモメ、船、桟橋など主に横浜を中心に撮影を進めました。上の写真は羽ばたくカモメを見つめる男性のスナップ。しばらく間、海と鳥たちを見つめていたのが印象的でした。普段は日中に開放F1.2でスナップはしないのですが、『Nikon Z 7II』ならISO 32相当まで減感することができます。撮影イメージに合わせて積極的に開放スナップを使えると感じました。

 

絞り:F16 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

撮影地としても有名な大桟橋ですが、平日に加えて今の風潮もあり人が少なめ。度々訪れている場所ですが、このような景色は見たことがないと思いシャッターを切りました。

写真は現像時にモノクロに。以前からニッコールレンズとモノクロの相性はとても良いと感じていたのですが、本レンズもその通り。見た目に忠実かつ硬質な写りはスナップやドキュメンタリーの撮影にもピッタリだと感じます。

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

普段食事を撮ることがないのですが、今回は試しにと大きなベーコンが乗ったナポリタンをスナップ。どこまでも滑らかなボケ味。そして絞り開放では少し被写界深度が浅すぎました。多くのレンズはF値が明るくなると最短撮影距離が長くなるのですが、『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』は最短が0.45m。大きな鏡筒も合間ってかなり被写体に近づけられる印象です。

 

絞り:F1.3 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

F1.2の明るさは薄暗い室内の撮影でも力を発揮してくれます。微妙な光の加減や、わずかな光の反射も美しく捉えてくれる本レンズ。椅子が並ぶカットでは微妙な影のグラデーションの中にあるハッとするような解像面に驚かされます。

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:400 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:800 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:800 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

 

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800 / 使用機材:Nikon Z 7II + NIKKOR Z 50mm F1.2 S

 

後半はイルミネーションが美しい丸の内のカット。艶やかなガラスの質感やアウトフォーカスでふわりと輝く光の感じなど、実に見事な描写です。昔からニコンのレンズは見たままを忠実に写し出すと言われていますが、正直『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』が写す世界は目で見るより美しくと感じました。

 

 

完璧なまでに美しく、そして凛々しい。

様々な国内外のレンズに触れる機会があるのですが、『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』はちょっと今までのレンズとは違うなと感じたのが本音です。それは解像力の高さやボケ味の美しさなどピンポイントな性能ではなく、何か写真の質そのものが違う印象を受けるのです。

筆者自身ニコンユーザーではなく、Kasyapaチームの同僚もニコンユーザーではないのですが、意見が一致したのは「ニコンのレンズは他と違う」ということでした。その時は本レンズが発売される前、ZレンズだけでなくAF-SやAiレンズなど色々試した結果で話した時のことだったのですが、『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』はそれらのニッコールレンズよりも頭一つ抜けたような写りの良さを感じます。

現在出ている標準レンズの中でも最高峰と言って過言ではない『Nikon NIKKOR Z 50mm F1.2 S』。この写りは他にはない魅力があります。世界をリードする光学メーカーのプライドを感じた素晴らしい1本でした。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

 

 

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