1954年、究極の小型カメラ「M3」の衝撃的な発表以来、35mm判レンジファインダーカメラの王道を歩み続けてきた、ライカMシリーズ。そのMシリーズ直系の最新機種として、デジタルカメラ「M8」は発表されました。外観は、背面に表示用液晶が埋め込まれている分、厚みが増してはいますが、基本的なスタイリングはMシリーズそのもの。その上、使い込むほどに高級機の質感を醸し出す、軍艦部と底部は真鍮削り出しとなっています。
デジタルカメラで、その性能を最も左右するのが撮像素子。M8では、撮像素子が一般的なレンズ交換式デジカメで使用されているAPSサイズよりも一回り大きな27x18mmとなっています。これにより、焦点距離35mmレンズは35mm判換算で約46mm相当、28mmレンズが約37mm相当、21mmレンズが約28mm相当となり、焦点距離が1ステップづつ短いものを使うとちょうど良いような感覚で利用できます。撮像素子には、隅々まで光を行き届かせるため、オンチップマイクロレンズを搭載。撮像素子周辺の露光不足をユニークな方法で解決しています。
Mシリーズ伝統の「布幕横走り」だったシャッター機構も、ついにM8のデジタル化に伴い「金属縦走りシャッター」になりました。最高速は1/8000、シンクロスピードも1/250と従来のMシリーズから大幅に高速化されています。いままでシャッタースピードの関係で、絞って使わざるを得なかったレンズも開放から使用することができ、デジタル要素以外でも新たな表現の可能性が広がります。
レンジファインダーは、従来のMシリーズと同様、高精度な機構となっており、距離にしたがい自動パララックス補正されます。撮像素子が35mm判フィルムよりも小さいため、ファインダー倍率は0.68倍。135mmのフレーム枠が廃止された代わりに24mmのフレーム枠が追加されましたが、装着したレンズにあわせて視野枠が表示される機構は従来通りです。
主な仕様
総画素数: 1030万画素 レンズマウント: ライカMマウント 液晶サイズ: 2.5型 メディア: SDカード(~4GB) 電源: 充電式リチウムイオンバッテリー 標準電圧3.7V 最大出力1900mAh 外形寸法: 約W138.6 x H36.9 x D80.2mm 重量: 約545g(バッテリーを除く) 付属品: キャリングストラップ カメラボディキャップ リチウムイオンバッテリー バッテリーチャージャー 3種アダプター カーケーブル付き USB接続ケーブル ソフトウェア Capture One LE LEICA DIGITAL CAPTURE