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プロカメラマンによるライカトーク『5人のライカ』~第二部『ライカトークバトル』Part.3~

「5人のライカ」イベントレポート
第一部「旅とライカ Part.1」 第一部「旅とライカ Part.2」 第一部「旅とライカ Part.3」
第二部「ライカトークバトル Part.1」 第二部「ライカトークバトル Part.2」 第二部「ライカトークバトル Part.3」

◆引き続き質疑応答が続きます。

Q:「最初に柏木先生はF8~F11あたりで撮ると仰ってましたよね。

僕はまだライカを始めて間もないのでなるべく開放で撮影をしているのですけれど、 絞れば確かにピントは合いやすいとは思うんですが、それってライカのレンズの味を殺してしまうんじゃないかとも思うんです。

絞って使ってしまえば、あえてライカを使う意味がなくなってしまって、 どのメーカーのレンズでもそんな大きな違いはないんじゃないかなって気がするもので。 なので、“絞りこんでライカを使う意味”をお三方にお尋ねしたいです。」

凄い難しい質問がきちゃいましたね。(笑)

萩庭さんもそうなんですけど、僕はもともとフォトジャーナリスト出身なので基本は絞る画が多かったんですね。

その時点で「なぜライカ」って言うと、やっぱりフィルムの時代は「全然壊れないカメラ」だったから。

でも、壊れないというのは語弊があって。落としたりぶつけたりしたらもちろん壊れます。

僕のライカM6はファインダーを直していないので狂っているんですけど、ただ、(カメラの)信頼性は高い。

壊れても信頼性が高いというのはどういうことかと言うと、「写真をちゃんと作ることが出来る」ということ。 ファインダーは壊れていても、シャッターは切れるんです。そう考えると、もうライカしか選択肢がない。

僕は実は開放の写真が本当に嫌いで、すべてのイメージがF5.6~F8くらいのイメージなんです。

でもF8とかF11とか絞ったとしても、ピントがきているところが広く見えるというだけの話であって、 本当のフォーカス面って一点だけなんですよね。

とすると、やっぱり絞り込んだ写真であっても確実にフォーカスを合わせなきゃいけない。

で、絞るとライカの味が出ないかって言ったら、うーん…。そこはね、全然やっぱり、こう、違う気がしますよね。

なぜ開放じゃないとライカじゃないっていうのが多いのか僕はよくわからないんですけど。

報道の人たちはこうやって(ノーファインダーで)撮ってたから絞りたいんだよね。

けど、どうしてだろうね…。でも僕も正直オープンでF8とか絞ったことが無い。F5.6もない。限界でF2.8。

1/4000 F2.8が最高に明るい自然光の時で、「あっ絞っちゃった!」ってなる。(笑)

くそ!NDフィルター持ってきてないぞ!ってね。

こういう人にはノクティルックスを買ってほしいね。(笑)
だけどそれだとシャッタースピードが…。NDをかけると濁るし。

NDかけたら本当にライカらしさがなくなるかもね。

NDは色素が入ってるからダメなんだよね。ざらざらになっちゃうから。
僕と萩庭さんはアポズミクロンを使ってるんだけど、冒頭で言ったようにフォーカスの芯が深い。

カメラが常に動いている状態にあるってことは、レンズがそれなりの描写をしてくれないと画が固まらない。

僕は絞ったら味がないと思います。(笑)

で、味を楽しむんだったら、アポズミクロンはおすすめしません。アポズミクロンはどちらかと言えば精度の話になってしまうので。その代わり、アポズミクロンはどれを買ってもそこそこ当たりだと思います。というのは、精度を出すために組んでいるから。

ズミルックス50mmのように、当たりハズレというか、個体差みたいなものはアポズミクロンには無いと思うので。

だから、ライカの味を味わうのであればズミルックスの方が良いと思います。

さっきのデジタルフィルムの話になるんですけど、僕はズミルックス50mmをずっと使っていて、 アポズミクロンをここ1年くらいずっと使っているんですけど、アポズミクロンで撮りながらズミルックスみたいに出せます。

それは、ズミルックスの画がどんなのかっていうのを覚えているので、現像のときに収差をわざとかける。外側をちょっと歪ませたり。

カリカリに撮っておけばふやふやになります。ただ、ふやふやのオールドレンズをカリカリにはどうやってもできません。

そういった意味では1本だけというならアポズミクロンでもいいかもしれません。

それで、なおかつエルマーだったりズミクロンだったりズマロンだったりいろんなレンズで撮った写真を見て、 「このレンズはこうだよな」と思ったらそれは現像で収差をかければいい。

現像で収差をいじるってどういうことかというと、フィルム面をいじるということです。レンズ面はもういじれないから。

不思議なことにズミルックスとズマリット、アポズミクロンの50mmって、同じ50mmでも画角が全く違います。アポズミクロンは狭いです。ズミルックスが標準だとしたら、ズマリットは広いです。

これはレンズ構成の関係でそうなるんだと思いますけどね。

僕の場合は、最終的にどんな画像にしたいのかが決まっているので、 そうするとほとんどの画がF8~F11、1/30~1/60…っていうのが答えで出てくるんですね。

それはもうありとあらゆるシチュエーション。例えば、モーターレーシングを撮ってもモードを撮っても、全部一緒なんです。それが僕のイメージで、テーマ性、あるいはコンセプトなので。

それを元に使ってるレンズがこれ(アポズミクロン)になりました。っていう話ですね。

〔ライカTで使うと〕フルサイズよりピキッと来てるよね。これ。
僕は今、50mmでしか仕事をしていないんですけど、前にライカから135mmを借りて撮ったんです。

望遠を使わなきゃいけない仕事があって。でも、「ちょっと待てよ」と。

同じものをアポズミクロン50mmと借りた135mmで撮って、 その後に現像でアポズミクロン50mmで撮ったものをトリミングして135mmの画角にしたらどっちが良いんだろうっていったら、 アポズミクロンの方が綺麗だったんですよ。

(一同驚く)
で、それはやっぱりね、レンズの線がしっかり出ているから。アポテリートはぽやぽやなんですよね。

だから借りたレンズをすぐ返して、それでアポズミクロン50mmで撮りました。

ライカM(Typ240)は2400万画素ありますけど、それだと、その1/4の大きさ。要するに1/4にトリミングして200mmの600万画素。 600万画素あればね、大体なんでも出来てしまうので、 画素数よりも、しっかり線が出ているレンズを使ったほうが意外と良いんじゃないかなと思っています。

僕はレースとか撮ってるけど、トリミングしてないですからね。(笑)
君のは(換算して)75mmだからね。(笑)

◆さて、質疑応答もいよいよ最後。それにふさわしい重厚な質問が飛び出しました。

Q:「プロとして、「ライカのデザインの魅力」。そして、機能性を含めた「ライカの魅力」をお聞かせ頂きたいです。」

◆柏木龍馬氏
デザインと言えばね。ライカTが一番上に来るに決まってる。
(一同笑)
ライカを色々使っている方の前であれなんですけど、 僕はもうMってちょっと古いなと思うんですよ。より新しいデザインが好きなので、ライカM9の時は実はライカM9チタンが欲しかったんですよね。

そもそも写真を仕事にしているのに、写真から離れたいと思っています。 写真っていう固定化されたものではなくて、より自分の中にある潜在的なイメージを表現していきたい。だからデジタルを選んだんです。

そんな中で出てきたのが「ライカT」。ライカTって全然カメラらしくないですよね。スマホらしいというか。

でもこのデザインって、恐らくライカにしか出せない。

ライカであっても、今後もこういうデザインを出せるかどうかは不明なので、 そう考えるとこのサイズ感でMレンズが使えて、 しかも歴代ライカの中で最も秀逸なデザインとなると じゃあこれはもう僕が使うしかないだろうと。(笑)

◆舞山秀一氏
ライカSLを最初に見た時は「なんだこれ」って思ったんです。 でも使ってみると本当にバランスが良くて。スナップよりも、 スタジオとか、被写体とちゃんとコミュニケーションをとって撮るときに活躍します。 街でちょっと撮ろうとすると(大きいので)周りに引かれるというか。(笑)気軽にパッと撮ることは出来ないかもしれません。 持ってる威圧感を少し感じさせるというか。

ただ、被写体に威圧感を与えるというのは、狙って撮っているときはすごく役に立つんです。「撮ってますよ」という。

ライカM9で撮ってると「なんかおもちゃみたいなカメラで撮ってるね」って被写体によく言われるんですけど、 「ちょっと高いおもちゃだから、でも凄く綺麗に写るから」って言う。

で、ちゃっちゃっちゃっと撮れる感じとか、シャッター音が「チャチッ」て言うその音もちょっと好きです。 ロケに行く時は、凄く手の中に収まるんで許可が要らないんですよ。「ちょっとここで撮ろうか」って「ちゃっ」て撮る。

例えば歩いてる人をスナップで撮るときも、パッと構えてサッと撮る。僕も50mm1本で歩いたり、被写体と接することが多いのですが、 頭の中に画角の枠があって、見ただけでその枠に入るわけです。 で、この人をこれくらいで撮りたいなと思ったら、カメラも構えずその距離まで行ってぱっと構えたら画角通りにシャッターが切れる。 ピントもその距離に合わせて近づく。そういう撮影の仕方だから、僕はMを気に入ってます。

ライカSLはいざというときに撮る。「撮ってます」って表現がしやすい。Mはこっそり撮るのにばっちりですね。(笑)

◆萩庭桂太氏
(ライカは)プロダクトデザインとしては秀逸だと思います。

で、もっというと手で持って使うカメラの原点がやっぱりライカだったので、 その派生形が一眼レフだったりミラーレスだったりっていうのになっているので。

だから、傘と同じように「もう本当はデザインとして変わらないもの」であったのではないかと思ってます。

昔のバルナックライカのデジタル版が出たら最高だなと思ってますね。良いと思います。

ライカTはどうかと思うけど…。(笑)

◆ご来場のお客様の熱い拍手と共に、第二部も終了となりました。

第一部、第二部ともに、プロのカメラマンの方々が「なぜライカを選んだのか」その理由は実に興味深いものでした。

昔から多くの人に愛されつづけ、そしてこれからもたくさんの人を魅了してゆく、そんなライカに一層の興味を惹かれる時間となりました。

◆◆◆貴重なお話をありがとうございました!◆◆◆

[ Category:etc. | 掲載日時:16年10月14日 10時35分 ]

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