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783: 視野広がる至高の常用『FUJIFILM フジノン GF32-64mm F4 R LM WR』

783: 視野広がる至高の常用『FUJIFILM フジノン GF32-64mm F4 R LM WR』

2022年07月29日

焦点距離:64mm(35mm判換算51mm相当) / 絞り:F5 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:PROVIA
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

GFレンズの豊富なラインナップの中から『FUJIFILM フジノン GF32-64mm F4 R LM WR』をご紹介します。ラージフォーマットセンサー用に設計された高性能なズームレンズで、フルサイズ換算25-51mm相当の広角-標準域をカバーします。実はGFズームレンズの中で比較対象のあまりない孤高の画角が特徴です。『FUJIFILM GFX 100S』等に搭載されている1億画素センサーにも十分対応可能な超高解像力を有し、思わず釘付けになってしまうような一枚を描き出すことが出来ます。そんな脅威的と言える光学性能にもかかわらず、日常使いでも全く苦にならないサイズ感で「このシーンを中判で撮りたい」という願望を必ず叶えてくれる良き相棒となっています。今回は風景撮影には高精細な『FUJIFILM GFX 100S』を、そしてスナップ撮影には『FUJIFILM GFX 50S II』を用いるという少々贅沢な組み合わせで撮影を行ってきましたので、是非ご覧ください。

 

焦点距離:64mm(35mm判換算51mm相当) / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:400 / フィルムシミュレーション:ACROS
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

まずは広大な景色を求めて海側へとやって来ました。恵まれた天気ではありますが、その代わりにギラギラと照り付ける陽光が肌を焼きます。何もかも脱ぎ去って海に飛び込みたい衝動を抑えながら撮影をしていると、印象的な流木が目に飛び込んできました。いつからそこで佇んでいるのか。皆目見当もつきませんが、なんとなく感じた寂しさをモノクロのカットで表現します。「ACROS」が描く高貴なモノクロは、言語化の難しい感情を形ある写真に変換してくれるようです。

 

焦点距離:32mm(35mm判換算25mm相当) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 / フィルムシミュレーション:ETERNA
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

対岸の景色を眺めながらしばし休息。左上空に浮かぶ大きな雲が夏らしさを感じさせます。その形に、小学生の時に見聞きした小さな魚が一丸となって大きな魚に見せかけるという物語を思い出しました。簡単に言えば雲は小さな水の粒が集まってできているモノですから、あながちその感覚も間違ってはいないかもしれません。
そんなストーリー性を感じる景色には横長のアスペクト比64:25を当てはめます。仕上げにETERNAのフィルムシミュレーションをかけてファインダーを覗けば、そこには映画の世界が広がっています。

 

焦点距離:64mm(35mm判換算51mm相当) / 絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:160 / フィルムシミュレーション:Velvia
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

7月も終わろうという時期ですが、場所によってはまだ紫陽花が色づいているようです。ボディを『FUJIFILM GFX 50S II』に入れ替えてスナップ撮影へ。目をこらしながら歩いているとそんな発見をすることもあります。奥まった位置にひらいている花にフォーカスを合わせ、手前の葉を前景に据えます。奥行きを中判らしい豊かなボケ味の具合で感じることが出来ました。

 

焦点距離:50mm(35mm判換算40mm相当) / 絞り:F5 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / フィルムシミュレーション:CLASSIC Neg
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

フジフイルムユーザーの友人に「とりあえずクラシックネガで撮っておけば間違いないよ。」という格言を頂いたことがあります。その時は若干の疑問符を抱いたまま特に言及はしませんでしたが、この景色を見ていたらなんだか腑に落ちてしまいました。パキッとしたシャドウと記憶の中を覗いたような色表現は、長年フィルムカメラとフィルムに携わってきたフジフイルムだから成しえた色なのでしょう。

 

焦点距離:53mm(35mm判換算42mm相当) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:100 / フィルムシミュレーション:ACROS
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

 

焦点距離:56mm(35mm判換算45mm相当) / 絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 / フィルムシミュレーション:ASTIA
使用機材:FUJIFILM GFX 50S II + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

沢山の線で構築された建築物の外観。上部は窓ですが、下部は飾り屋根のようなニュアンスです。「角」を強調して設計されたデザインはこのレンズの解像感を試すのにうってつけ。標準画角を駆使して見上げるようなカットを撮影します。ガラスや金属の質感と硬さがありありと伝わってきます。

 

焦点距離:59mm(35mm判換算47mm相当) / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:PROVIA
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

再び『FUJIFILM GFX 100S』に持ち替えて今度は山間部へ。道中、向かう山々の方を見ると霞がかっています。神秘的な雰囲気ですが、この妖しさを写真に撮り収めることが出来るのか?という不安にも駆られます。しかし、いざファインダーを覗くとそんな気持ちも霧散してしまいました。物語の導入のような空気感、そしてふもとに広がる街並みは家一軒一軒の窓のカタチまで克明に見ることが出来ます。

 

焦点距離:55mm(35mm判換算44mm相当) / 絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:PROVIA
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

 

焦点距離:40mm(35mm判換算32mm相当) / 絞り:F5 / シャッタースピード:1/15秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:Pro Neg Std
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

 

焦点距離:32mm(35mm判換算25mm相当) / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:200 / フィルムシミュレーション:Velvia
使用機材:FUJIFILM GFX 100S + フジノン GF32-64mm F4 R LM WR

 

どんなにフジフイルムの色表現が見事でも、風景自体に色の魅力がなければあまり意味はありません。夕刻、家の中で撮影した写真を整理しながらくつろいでいたのですがふと気になって再度外出しました。目の前に広がる圧倒されるようなグラデーションに息を飲み、慌てて機材を構えます。沈んでいく太陽の最後の悪あがき。燃えるような赤と夜の闇が混ざり合うそのエネルギーを、『FUJIFILM フジノン GF32-64mm F4 R LM WR』はしっかり描き出してくれました。

 

視野広がる至高の常用

「中判デジタルだから」「一億画素もあるんだから」と身構える必要はありません。異なるセンサーサイズのカメラを使っているときと同じように、自分の心が動く景色にカメラを向ければいいのです。事実、今回初めてGFX + GFレンズの組み合わせを使ってみたのですが撮影の心地はいつもどおりでした。しかし、その成果を見て「これはGFXでなければ」という写真にいくつも出逢うことが出来ました。広い世界を収めつつ、日常の視野も忘れない。最善のバランスで構築された『FUJIFILM フジノン GF32-64mm F4 R LM WR』はまさにGFXユーザーにとっての「至高の常用レンズ」となるでしょう。最初の一本にも非常にオススメ出来る本レンズ、是非その描写を沢山の方に味わっていただきたいです。

Photo by MAP CAMERA Staff

 



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