906: NEVER STOP『FUJIFILM FUJINON XF200mm F2 R LM OIS WR』
2023年12月19日
今回ご紹介するのは、フジフイルムXシリーズ唯一の望遠単焦点レンズである『FUJIFILM FUJINON XF200mm F2 R LM OIS WR』です。発売から早5年、改めてその魅力に迫ります。
同梱の『FUJINON Teleconverter XF1.4X F2 TC WR』と併用することで、35mm換算で約400mm F2.8のいわゆる「ヨンニッパ」として使用することができる本レンズ。カメラボディがAPS-Cセンサー搭載ということもありレンズフード込みで約2.3kgという軽量化を達成しています。スペックにそぐわない軽快なハンドリングは、これまで望遠単焦点レンズに憧れながらもその重量とサイズに二の足を踏んでいた皆様に自信をもっておすすめできるものです。スポーツと野鳥撮影によるオートフォーカス性能のテストも行いましたのでぜひご覧ください。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
小川の浅瀬に佇むダイサギを茂みの中から。放送用レンズの製造で培われた高い技術によって、解像度は勿論前後のボケに関しても美しく幻想的な表現力を誇ります。フルサイズセンサー搭載機と比較しても全く遜色ない立体感とボケ量、コントラストの高い『クラシックネガ』を選んだことで美しい純白の羽をより際出させることができました。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
特徴的な鳴き声のする方へレンズを向けるとカワセミがホバリングの最中。かなりの距離に寂しい背景、撮影条件としては相当厳しかったですが『X-H2S』との組み合わせで素早く正確に焦点を合わせることができました。小型の野鳥の撮影時には被写体検出機能を使用していますが、非常に正確で頼もしい機能です。鳥の群れのように被写体が複数いる場合にはフォーカスポイントを撮影者自身で選択することをお勧めします。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
全長約1メートルの体躯のわりに臆病なアオサギに近づくため、ファインダーを覗かずに持ち上げて撮影しました。カメラとレンズの総重量が約3kgで収まるXシリーズだからこそ成り立つ撮影方法です。構図の自由度が高く長時間の手持ち撮影も可能となっています。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
個人的な秋の風物詩・大学ラグビーを撮影してきました。『FUJINON GF250mm F4 R LM OIS WR』・『FUJINON XF150-600mm F5.6-8 R LM OIS WR』のフォトプレビューも以前執筆しましたが、相変わらず学生スポーツと『クラシックネガ』の相性には目を見張るものがあります。手持ち撮影によって想定外の動きに対しても正確にフレームミングすることができ、上下左右あらゆる方向への迅速な取り回しが可能。『X-H2S』と組み合わせたことでレスポンスも良好、フジフイルムでの動体撮影は難しいと囁かれていた時代は既に過ぎ去っています。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
オリンピックやワールドカップといったスポーツの現場ではニコン・キヤノン、ここ数年でソニーの機材を使用するカメラマンが目立つようになりましたがフジフイルムユーザーはごくわずか。被写体が交差する競技ではAFモードをシングルポイントに設定し、フォーカスポイントを動かしながら適切な構図を作ります。写真が不自然にならないよう常に水平を意識する必要もあるため、様々なジャンルの撮影の中でもスポーツはかなり難易度の高いものかもしれません。今回『フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR』を使用して感じたのは他社の望遠単焦点レンズにまったく引けを取らない安定感と信頼感。Xシリーズもついにここまで来たのだと納得の出来栄えです。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
踏みしめた芝と使い込まれたスパイクのくたびれ具合が何とも言えません。ボケ具合やシャープネスに目が行きがちな望遠レンズでこの質感、すべてのXユーザーに一度体感していただきたい一本です。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
トップスピードでトライゾーンに滑り込む瞬間も逃すことはありません。浮き出る血管に乱れる髪。臨場感あふれるシーンで様々なフィルムシミュレーションを選択できることは、他社の機材と比べて決して小さくないアドバンテージであるはずです。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR
明け方の散歩に持ち出しスナップ撮影を行いました。朝靄と朝露。同じ水蒸気から生みだされているはずですが、全く違った美しさに自然の創造力を感じます。2枚目のこれでもかという量の玉ボケは形は違えどネガティブな印象はなく、抽象的な表現にも役に立つことこの上ありません。『FUJINON Teleconverter XF1.4X F2 TC WR』を外すと焦点距離は35mm換算で約300mmになり、近づくことが難しい被写体や圧縮効果を活かしたい場面での使用もお勧めです。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR
モノクロの1枚はレンズフードを装着せずに、絞り開放で逆光の中で下草を捉えました。さすがにフレアが発生していますがネガティブな印象はなく、解像度の低下もありません。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR
100メートルほど離れた距離から撮影したフェンスもシャープに描写し、ナチュラルなボケ味は映像制作にも活躍することは想像に難くありません。
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR + フジノンテレコンバーター XF1.4X F2 TC WR
使用機材:FUJIFILM X-H2S + フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR/div>
NEVER STOP
美しい白い鏡筒にレンズフードを彩る碧の縁取り。生み出す作品同様のこだわりが垣間見える外観に心揺さぶられるのは筆者だけではないはず。これまで様々なメーカーのフラグシップに触れてきましたが、この『フジノン XF200mm F2 R LM OIS WR』も同じように信頼しお勧めすることができます。圧倒的に扱いやすいサイズ感と重量感、多種多様なフィルムシミュレーションで描く美しい瞬間は、立ち止まることのないフジフイルムの歴史そのものです。費用・体力・集中力。あらゆる限界を追求する望遠単焦点レンズの新しい選択肢に、貴方のこれからの相棒に、是非一度ご検討ください。
Photo by MAP CAMERA Staff